夏目漱石「こころ」3-29
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/389490
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
7:嚙みました(かみました)
10:噓(うそ)
12:間違(まちがい)
18:何になる(なんになる)
29:行き詰まった(いきつまった)
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少し長くなっちゃいました。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7859 | 神 | 8.0 | 98.2% | 205.1 | 1642 | 30 | 33 | 2024/09/26 |
2 | ヤス | 7742 | 神 | 8.1 | 95.4% | 205.1 | 1668 | 80 | 33 | 2024/10/27 |
3 | なおきち | 7689 | 神 | 7.8 | 98.0% | 210.8 | 1654 | 33 | 33 | 2024/10/23 |
4 | れもん | 4900 | B | 5.1 | 94.7% | 317.5 | 1648 | 92 | 33 | 2024/09/23 |
5 | やまちゃん | 4823 | B | 4.9 | 97.7% | 334.2 | 1650 | 38 | 33 | 2024/10/30 |
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問題文
(わたくしがおくさんをうたぐりはじめたのは、ごくささいなことからでした。)
私が奥さんを疑ぐり始めたのは、極些細な事からでした。
(しかしそのささいなことをかさねていくうちに、ぎわくはだんだんとねをはってきます。)
然しその些細な事を重ねて行くうちに、疑惑は段々と根を張って来ます。
(わたくしはどういうひょうしかふとおくさんが、おじとおなじようないみで、)
私はどういう拍子か不図奥さんが、叔父と同じような意味で、
(おじょうさんをわたくしにせっきんさせようとつとめるのではないかとかんがえだしたのです。)
御嬢さんを私に接近させようと力めるのではないかと考え出したのです。
(するといままでしんせつにみえたひとが、)
すると今まで親切に見えた人が、
(きゅうにこうかつなさくりゃくかとしてわたくしのめにえいじてきたのです。)
急に狡猾な策略家として私の眼に映じて来たのです。
(わたくしはにがにがしいくちびるをかみました。)
私は苦々しい唇を嚙みました。
(おくさんはさいしょから、)
奥さんは最初から、
(ぶにんでさむしいから、きゃくをおいてせわをするのだとこうげんしていました。)
無人で淋しいから、客を置いて世話をするのだと公言していました。
(わたくしもそれをうそとはおもいませんでした。)
私もそれを噓とは思いませんでした。
(こんいになっていろいろうちあけばなしをきいたあとでも、)
懇意になって色々打ち明け話を聞いた後でも、
(そこにまちがいはなかったようにおもわれます。)
其所に間違はなかったように思われます。
(しかしいっぱんのけいざいじょうたいはたいしてゆたかだというほどではありませんでした。)
然し一般の経済状態は大して豊だと云う程ではありませんでした。
(りがいもんだいからかんがえてみて、わたくしととくしゅのかんけいをつけるのは、)
利害問題から考えて見て、私と特殊の関係をつけるのは、
(せんぽうにとってけっしてそんではなかったのです。)
先方に取って決して損ではなかったのです。
(わたくしはまたけいかいをくわえました。)
私は又警戒を加えました。
(けれどもむすめにたいしてまえいったくらいのつよいあいをもっているわたくしが、)
けれども娘に対して前云った位の強い愛をもっている私が、
(そのははにたいしていくらけいかいをくわえたってなんになるでしょう。)
その母に対していくら警戒を加えたって何になるでしょう。
(わたくしはひとりでじぶんをちょうしょうしました。)
私は一人で自分を嘲笑しました。
(ばかだなといって、じぶんをののしったこともあります。)
馬鹿だなといって、自分を罵った事もあります。
(しかしそれだけのむじゅんなら)
然しそれだけの矛盾なら
(いくらばかでもわたくしはたいしたくつうもかんぜずにすんだのです。)
いくら馬鹿でも私は大した苦痛も感ぜずに済んだのです。
(わたくしのはんもんは、)
私の煩悶は、
(おくさんとおなじようにおじょうさんもさくりゃくかではなかろうか)
奥さんと同じように御嬢さんも策略家ではなかろうか
(というぎもんにあってはじめておこるのです。)
という疑問に会って始めて起るのです。
(ふたりがわたくしのはいごでうちあわせをしたうえ、ばんじをやっているのだろうとおもうと、)
二人が私の背後で打ち合せをした上、万事を遣っているのだろうと思うと、
(わたくしはきゅうにくるしくってたまらなくなるのです。)
私は急に苦しくって堪らなくなるのです。
(ふゆかいなのではありません。)
不愉快なのではありません。
(ぜったいぜつめいのようないきつまったこころもちになるのです。)
絶体絶命のような行き詰った心持になるのです。
(それでいてわたくしは、いっぽうにおじょうさんをかたくしんじてうたがわなかったのです。)
それでいて私は、一方に御嬢さんを固く信じて疑わなかったのです。
(だからわたくしはしんねんとまよいのとちゅうにたって、)
だから私は信念と迷いの途中に立って、
(すこしもうごくことができなくなってしまいました。)
少しも動く事が出来なくなってしまいました。
(わたくしにはどっちもそうぞうであり、またどっちもしんじつであったのです。)
私には何方も想像であり、又何方も真実であったのです。