桜花ニ月夜ト袖シグレ

(さくらのさくはるの)

桜の咲く春の

(ためいきになれたら)

ため息になれたら

(ないてるきみの)

泣いてるキミの

(すずのねをそっと)

鈴の音をそっと

(ゆらしてあげられる)

揺らしてあげられる?

(どうしたってさひとめをひく)

どうしたってさ　人目を惹く

(くろいかみときゃしゃなかたは)

黒い髪と　華奢な肩は

(ゆびのあいだをするりとぬける)

指の間をするりと抜ける

(どうやらみえないらしい)

どうやら見えないらしい

(わかってるそれでも)

わかってる　それでも

(そのこえをきいてぼくはすくわれた)

その声を聞いて　ボクは救われた

(きみでみたされてく)

キミで満たされてく

(おうかきみにこいしたようだ)

桜花　キミに恋したようだ

(さいかうにそでをひかれて)

催花雨に　袖を引かれて

(きょうもそばにいていいですか)

今日も傍にいていいですか

(せんのよるにとざされても)

千の夜に　閉ざされても

(ことわりにかなわなくても)

理に叶わなくても

(きみにとどけ)

キミに届け

(つくよにそでしぐれ)

月夜ニ袖シグレ

(このとけいをひだりむきに)

この時計を　左向きに

(まわせたってそれくらいさ)

回せたって　それくらいさ

(となりのせかいじゃ)

となりの世界じゃ

(どれもがらくたで)

どれもガラクタで

(かちのないものらしい)

価値のないものらしい

(いつしかだれかと)

いつしか誰かと

(あいをつむいだって)

愛を紡いだって

(なきそうなよるは)

泣きそうな夜は

(かさをさしてあげよう)

傘を差してあげよう

(おうかぼくはこいにおちた)

桜花　ボクは恋に落ちた

(すいめんのつきをもとめた)

水面の月を求めた

(されどてすさぶは)

されど　手遊ぶは

(がらすのいろ)

ガラスの色

(せんのよるがまたたくまに)

千の夜が　瞬く間に

(やみよをぬってきみをかくす)

闇夜を縫って　君を隠す

(いきばのない)

行き場のない

(このてはくうをきる)

この手は空を切る

(ねえみえなくたってかまわない)

ねえ　見えなくたって構わない

(すきだっていわせてよ)

好きだって言わせてよ

(いつまでもここにいるんだ)

いつまでもここにいるんだ

(おうかとなりにいるのになあ)

桜花　隣にいるのになあ

(はるかとおくとおくとおく)

遥か遠く遠く遠く

(さきみだれる)

咲き乱れる

(ぼくはしあわせだ)

ボクは　幸せだ

(なかないから)

泣かないから

(せんのよるにとざされても)

千の夜に　閉ざされても

(ことわりにかなわなくても)

理に叶わなくても

(きみにとどけ)

キミに届け

(つくよにそでしぐれ)

月夜ニ袖シグレ