洒落怖《マイナスドライバー》
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問題文
(そんなにこわくないのですがきいてください。わたしがまだ4~5さいのころのはなしです。)
そんなに怖くないのですが聞いてください。私がまだ4~5歳の頃の話です。
(とうじいえにはふろがなく、よくははおやとせんとうにいっていました。)
当時家には風呂がなく、よく母親と銭湯に行っていました。
(まだちいさかったのでははとおんなゆにはいっていました。)
まだ小さかったので母と女湯に入っていました。
(あるひのこと、からだをあらったあとあきてしまったわたしは、ゆぶねのなかであそんでいました。)
ある日の事、体を洗った後飽きてしまった私は、湯船の中で遊んでいました。
(いままできづかなかったのですが、ゆぶねのよこからかいだんじょうになりどあが)
今まで気付かなかったのですが、湯船の横から階段状になりドアが
(ついているんですね(どこもそうなのかもしれません))
付いているんですね(何処もそうなのかもしれません)
(わたしはふとそのどあがきになってだんだんをのぼりどあのまえまでいった。)
私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行った。
(どあのぶのちょっかにおおきなかぎあながあるのです。)
ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。
(わくわくしてのぞきました。・・・むこうがわはなにかにおおわれてみえない。)
ワクワクして覗きました。・・・・向こう側は何かに覆われて見えない。
(なんだ、つまらない。いったんかおをあげました。)
何だ、つまらない。一旦顔をあげました。
(なにをおもったかもういちどかぎあなをのぞきこんだのです。)
何を思ったかもう一度鍵穴を覗き込んだのです。
(ぼんやりとしたあかりのなか、ぼいらーとおぼしききかいがみえました。)
ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました。
(おわーすごい。むちゅうになってのぞいていました。)
おわーすごい。夢中になって覗いていました。
(どあのむこうのけはい、それともなにかがしらせてくれたのか。)
ドアの向こうの気配、それとも何かが知らせてくれたのか。
(とつぜん、わたしはめをはなしみをひいたのです。そしてつぎのしゅんかん、)
突然、私は目を離し身を引いたのです。そして次の瞬間、
(かぎあなからはまいなすどらいばーのせんたんがくるったようにらんぶしていました。)
鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように乱舞していました。
(わたしはいきをのみそこをはなれ、こわくてははおやにさえはなすことができませんでした。)
私は息を呑みそこを離れ、怖くて母親にさえ話す事が出来ませんでした。
(こどものわたしは、あのできごともそっこうわすれてひびをすごしていました。)
子供の私は、あの出来事も速攻忘れて日々を過ごしていました。
(まもなくわがやはひっこすことになり、いえのおおそうじをしたあと、)
間もなく我が家は引っ越すことになり、家の大掃除をした後、
(あのせんとうにいきました。わたしはおおそうじでみつけたいろいろながらくたを)
あの銭湯に行きました。私は大掃除で見つけた色々なガラクタを
(こうせいだいじにもっていったのです。わたしはれいによってふろのなかであそんでいるうちに、)
後生大事に持って行ったのです。私は例によって風呂の中で遊んでいるうちに、
(あのどあのかぎあなのことをおもいだしました。しかしあのきょうふをわすれていたわたしは、)
あのドアの鍵穴の事を思い出しました。しかしあの恐怖を忘れていた私は、
(がらくたをいれたせんめんきをかかえてかぎあなをのぞきにいったのでした。)
ガラクタを入れた洗面器を抱えて鍵穴を覗きに行ったのでした。
(またむこうがわはなにかにおおわれてなにもみえない。)
また向こう側は何かに覆われて何も見えない。
(わたしはがらくたのなかにあったはしをとりだし、おもむろにかぎあなにつっこんだのでした。)
私はガラクタの中にあった端を取り出し、徐に鍵穴に突っ込んだのでした。
(しゅんかん、どあのむこうでどたばたするけはいにたじろいだわたしは、)
瞬間、ドアの向こうでドタバタする気配にたじろいだ私は、
(はしからてをはなしました。)
箸から手を離しました。
(はしはぶるぶるふるえながらそのままでしたが、やがてこちらがわにおちてきました。)
箸はブルブル震えながらそのままでしたが、やがてこちら側に落ちてきました。
(さきからすうせんちがおれていました。わたしはまたははおやになにもいいませんでした。)
先から数センチが折れていました。私はまた母親に何も言いませんでした。
(そのひをさいごに、わがやはとなりのしへひっこしていったのでした。)
その日を最後に、我が家は隣の市へ引っ越して行ったのでした。
(すうねんご、しょうがくせいのわたしは、かつてすんでいたあのまちにあそびにいきました。)
数年後、小学生の私は、かつて住んでいたあの町に遊びに行きました。
(まっさきにこどものしゃこうじょうでもあったじんじゃのけいだいにおもむきました。)
真っ先に子供の社交場でもあった神社の境内に赴きました。
(そこにいけばむかしのゆうじんたちにあえるとおもったのです。)
そこに行けば昔の友人達に会えると思ったのです。
(しかしよそうにかえしだれもいなかった。いや、けいだいのうらのたいぼくのまえで、)
しかし予想に反し誰もいなかった。いや、境内の裏の大木の前で、
(いっしんふらんになにかをやっているおおきなおとこがいました。)
一心不乱に何かをやっている大きな男がいました。
(しゅんかん、かつてのきおくがよみがえりました。)
瞬間、かつての記憶が蘇りました。
(かれはわれわれから「みっきー」とよばれておそれられていたせいねんでした。)
彼は我々から「ミッキー」と呼ばれて恐れられていた青年でした。
(とうめいにちかいしるばーのかみ、うさぎのようなあかいめ、)
透明に近いシルバーの髪、兎の様な赤い目、
(いまかんがえるとあるびのであったのかもしれません。)
今考えるとアルビノであったのかもしれません。
(そしてかれはびょうてきにそぼうで、めんこやべーごまにきょうじるわれわれのなかにらんにゅうしては、)
そして彼は病的に粗暴で、メンコやベーゴマに興じる我々の中に乱入しては、
(ものをとりあげたりなぐりつけたりをくりかえすすじょうがふめいのじんぶつでした。)
物を取り上げたり殴りつけたりを繰り返す素性が不明の人物でした。
(そのかれがめのまえにいる。わたしはかなしばりにあったようになり、)
その彼が目の前にいる。私は金縛りにあったようになり、
(はなしかけることもにげることもできなかった。)
話しかける事も逃げる事も出来なかった。
(かれはどうさをとめると、ゆっくりとこちらをむいた。)
彼は動作を止めると、ゆっくりとこちらを向いた。
(かれのかたほうのめはつぶれていました。)
彼の片方の目は潰れていました。