怖い話《私だけが聞いた話》

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問題文

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(わたしはこわいはなしがだいすきで、きくのもよむのもみるのもたのしんでいます。)

私は怖い話が大好きで、聞くのも読むのも見るのも楽しんでいます。

(そのとうじはとくに、こわいはなしずきがあつまってしょくじかいをひらく、)

その当時は特に、怖い話好きが集まって食事会を開く、

(いまでいうおふかいがまいぶーむでした。)

今でいうオフ会がマイブームでした。

(おなじしゅみのひとたちと、おなじわだいでしょくじをする。これいじょうのしふくはありません。)

同じ趣味の人達と、同じ話題で食事をする。これ以上の至福はありません。

(これはそんなわたしが、おふかいへいかなくなったきっかけのはなしです。)

これはそんな私が、オフ会へ行かなくなったきっかけの話です。

(わたしがしょぞくしていたぐるーぷは、ふていきでじかんがあうなかまどうしで)

私が所属していたグループは、不定期で時間が合う仲間同士で

(あつまりをひらいていました。)

集まりを開いていました。

(まいかい20~30にんくらいはあつまって、ほとんどおなじめんつではありましたが)

毎回20~30人くらいは集まって、ほとんど同じ面子ではありましたが

(いれかわりもたしょうはあります。)

入れ替わりも多少はあります。

(そのひは、とくにいんしょうにのこるしんがおがいました。)

その日は、特に印象に残る新顔がいました。

(ぷらいべーとのしょくじかいだというのに、すーつでさんかしているだんせいがいたのです。)

プライベートの食事会だというのに、スーツで参加している男性がいたのです。

(まぁふだんぎですーつをきこなすほうもいらっしゃいますから、)

まぁ普段着でスーツを着こなす方もいらっしゃいますから、

(あまりきにはしませんでした。)

あまり気にはしませんでした。

(それよりも、そのだんせいはとてもかおいろがわるくみえました。)

それよりも、その男性はとても顔色が悪く見えました。

((ひょっとしてぶらっくきぎょうにつとめていて、すーつからきがえることも)

(ひょっとしてブラック企業に勤めていて、スーツから着替える事も

(できないくらいよゆうのないせいかつでもしているのか)など、よけいなしんぱいがうまれます。)

出来ない位余裕の無い生活でもしているのか)等、余計な心配が生まれます。

(そのだんせいにきょうみがわいたわたしは、はなしをしてみたいとすきをみはからっていました。)

その男性に興味が湧いた私は、話をしてみたいと隙を見計らっていました。

(ちゃんすはじかにおとずれました。)

チャンスは直に訪れました。

(しょくじかいがはじまると、だんせいのほうからわたしのとなりへきてくれたのです。)

食事会が始まると、男性の方から私の隣へ来てくれたのです。

(さっそくかいわをしてみます。)

早速会話をしてみます。

など

(「よろしくおねがいします、まるまる(わたしのはんどるねーむ)です。」)

「宜しくお願いします、○○(私のハンドルネーム)です。」

(「まるまる?かわったおなまえですね。」)

「○○?変わったお名前ですね。」

(「いえ、これはほんみょうではなくてぐるーぷないでつかっているあかうんとめいですよ。)

「いえ、これは本名ではなくてグループ内で使っているアカウント名ですよ。

(あなたはなんというあかうんとですか?」)

あなたは何というアカウントですか?」

(「あかうんとめい・・・。あぁ、わたしはないのでほんみょうのkでよいです。」)

「アカウント名・・・。あぁ、私は無いので本名のKで良いです。」

(ぐるーぷにはいっていないのになぜここへきたのだろうとおもいましたが、)

グループに入っていないのになぜここへ来たのだろうと思いましたが、

(たのしみのばですのであまりきにしませんでした。)

楽しみの場ですのであまり気にしませんでした。

(「ところで、なんですーつをきているのですか?」)

「ところで、何でスーツを着ているのですか?」

(「・・・ちょっとはなしをするとながくなるのですが。きいていただけますか?」)

「・・・ちょっと話をすると長くなるのですが。聞いていただけますか?」

(そうまえおきをして、だんせいはかたりはじめたのです。)

そう前置きをして、男性は語り始めたのです。

(わたしにはがくせいのころからおつきあいをしていたじょせいがいたのです。)

私には学生の頃からお付き合いをしていた女性がいたのです。

(こんなはなしをするとおのろけではずかしいのですが、ほんとうにすてきなじょせいでした。)

こんな話をするとお惚気で恥ずかしいのですが、本当に素敵な女性でした。

(mっていうなまえなんですけれど。)

Mっていう名前なんですけれど。

(だれにでもやさしくてびじんで、えがおがとてもかわいくて。)

誰にでも優しくて美人で、笑顔がとても可愛くて。

(じょせいのえがおってげんきがもらえますけど、かのじょはとくべつでした。)

女性の笑顔って元気が貰えますけど、彼女は特別でした。

(ひじょうにもてていましたので、そうかんじていたのはわたしだけではないとおもいます。)

非常にモテていましたので、そう感じていたのは私だけではないと思います。

(つきあいはしゃかいじんになってからもつづき、おたがいにけっこんをいしきしはじめたのですが)

付き合いは社会人になってからも続き、お互いに結婚を意識し始めたのですが

(わたしたちのしゅみはえいがかんしょうだったので、そのひもわだいのえいがをみにいっていました。)

私達の趣味は映画鑑賞だったので、その日も話題の映画を見に行っていました。

(おおきなたてものの3かいにあるので、えれべーたーでのぼったんですよ。)

大きな建物の3階にあるので、エレベーターで昇ったんですよ。

(まぁわかいのだからかいだんをつかえよ、ってはなしですよね。)

まぁ若いのだから階段を使えよ、って話ですよね。

(ほんとう、かいだんをつかえばよかった・・・。)

本当、階段を使えば良かった・・・。

(えれべーたーにはわたしたちふたりと、あとだんせいがひとりどうじにのりました。)

エレベーターには私達二人と、あと男性が一人同時に乗りました。

(するとおかしなことがおきます。)

するとおかしな事が起きます。

(わたしとmのあいだにそのだんせいがむりやりわりこんできて、)

私とMの間にその男性が無理やり割り込んできて、

(わたしをえれべーたーのはしへとおしてくるのです。)

私をエレベーターの端へと押してくるのです。

(えっ?とおもっていると、そのおとこはmへはなしかけました。)

えっ?と思っていると、その男はMへ話しかけました。

(「ひさしぶりだね、m。ぼくのことおぼえてる?」)

「久しぶりだね、M。僕の事覚えてる?」

(とつぜんのことでとまどいましたが、mはわたしよりもこんわくしているようでした。)

突然の事で戸惑いましたが、Mは私よりも困惑しているようでした。

(こんなじょうきょうではむりもありませんよね。ふつうじゃない。)

こんな状況では無理もありませんよね。普通じゃない。

(おとこはがってにはなしをつづけます。)

男は勝手に話を続けます。

(「あ~!いいんだべつにおぼえていなくても。)

「あ~!いいんだ別に覚えていなくても。

(うん、ぼくだけがおぼえているってことは、それだけすきなきもちがあるってことだ。)

うん、僕だけが覚えているって事は、それだけ好きな気持ちがあるって事だ。

(ぼくはsだよ、ほいくえんからちゅうがっこうまでいっしょだった。」)

僕はSだよ、保育園から中学校まで一緒だった。」

(sときいてまがあったあと、mはおもいだしたようですが、)

Sと聞いて間があった後、Mは思い出したようですが、

(それでもこのじょうきょうのせつめいにはなりません。)

それでもこの状況の説明にはなりません。

(mは「sきみ・・・おぼえてるけど・・・。なに?」)

Mは「S君・・・覚えてるけど・・・。何?」

(とこたえると、sというおとこはとんでもないことをいうのです。)

と答えると、Sという男はとんでもない事を言うのです。

(「m、きみをむかえにきたよ。けっこんしよう。」)

「M、気味を迎えに来たよ。結婚しよう。」

(もうわたしはぶちきれましたよ。「おまえ、いったいなんなんだ?!」)

もう私はブチ切れましたよ。「お前、一体何なんだ?!」

(むなぐらをつかみ、わたしはsをといつめます。するとsは)

胸ぐらをつかみ、私はSを問い詰めます。するとSは

(「おまえこそだれなんだよ。mのことをすきだったのは)

「お前こそ誰なんだよ。Mの事を好きだったのは

(おれがさきなんだ。おまえはあと。だからおれのかち。」)

俺が先なんだ。お前は後。だから俺の勝ち。」

(まったくいみがわかりませんよね。もう、そうてにするだけむだだとおもいました。)

全く意味が分かりませんよね。もう、相手にするだけ無駄だと思いました。

(わたしはmをひきよせえれべーたーをでて、たちさります。)

私はMを引き寄せエレベーターを出て、立ち去ります。

(sは、わたしたちがさるさい「きっとむかえにいくから~!」とほざいていました。)

Sは、私達が去る際「きっと迎えに行くから~!」とほざいていました。

(えいがどころではなくなったわたしたちは、くるまでかえりながらはなしあいをしました。)

映画どころではなくなった私達は、車で帰りながら話合いをしました。

(わたし「あのおとこ、いったいなんなんだ?」)

私「あの男、一体何なんだ?」

(m「sくん。たしかずっといっしょだったひと。)

M「S君。確かずっと一緒だった人。

(でもぐうぜんいっしょだっただけで、おとなしくてかげがうすくて、ぜんぜんわたしとかかわりない・・」)

でも偶然一緒だっただけで、大人しくて影が薄くて、全然私と関わり無い・・」

(mはふるえているのがわかりました。むりもありませんよね。)

Mは震えているのが分かりました。無理もありませんよね。

(とりあえず、sというおとこはようちゅういだな、とわたしもけいかいしようとおもいました。)

とりあえず、Sという男は要注意だな、と私も警戒しようと思いました。

(つぎのひ、mとおたがいはげましあいながらからだをおこし、しごとへでかけます。)

次の日、Mとお互い励まし合いながら体を起こし、仕事へ出かけます。

(もうかいしゃへつこうというとき、mからちゃくしんがありました。)

もう会社へ付こうという時、Mから着信がありました。

(「k、たすけて!sがわたしのかいしゃにいる!」)

「K、助けて!Sが私の会社にいる!」

(とにかくいやなよかんはしていました。)

とにかく嫌な予感はしていました。

(でも、こんなにきゅうへんしていくとはおもいませんでした。)

でも、こんなに急変していくとは思いませんでした。

(きのう、あんなことがあったそのよくじつですよ。)

昨日、あんな事があったその翌日ですよ。

(かいしゃのもくぜんでmのところへわたしはむかいました。)

会社の目前でMの所へ私は向かいました。

(mとはこんびにでまちあわせをしました。)

Mとはコンビニで待ち合わせをしました。

(mはすっかりあおざめたかおをしていて、とてもかわいそうです。)

Mはすっかり青ざめた顔をしていて、とても可哀想です。

(「sはどこにいる?」)

「Sは何処にいる?」

(わたしがたずねると、sはmのかいしゃまえでまちぶせをしているらしいのです。)

私が尋ねると、SはMの会社前で待ち伏せをしているらしいのです。

(さっそくむかうと、たしかにいました。)

早速向かうと、確かにいました。

(sをみたしゅんかん、いかりがおさえきれなくなったわたしはつめよりましたよ。)

Sを見た瞬間、怒りが抑えきれなくなった私は詰め寄りましたよ。

(「おい!てめぇいったいなんなんだ!いいかげんにしろよ!」)

「おい!てめぇ一体何なんだ!いい加減にしろよ!」

(つうきんじかんにどせいをあげるわたしに、つうこうにんがちゅうもくしました。)

通勤時間に怒声を挙げる私に、通行人が注目しました。

(でもわたしはそれどころじゃありません。sはいいます。)

でも私はそれどころじゃありません。Sは言います。

(「だからmをむかえにきた、っていってるじゃないか。おれはmがすきなんだ、)

「だからMを迎えに来た、って言ってるじゃないか。俺はMが好きなんだ、

(きみなんかよりもずっとまえからね。ずっとみてきたんだ。mはおれのものだよ。」)

君なんかよりもずっと前からね。ずっと見てきたんだ。Mは俺のものだよ。」

(つぎのしゅんかん、sはじめんにふっとんでいました。じぶんがなぐりとばしていたんです。)

次の瞬間、Sは地面に吹っ飛んでいました。自分が殴り飛ばしていたんです。

(じぶんでじぶんのやったことがわからないくらい、わたしはげきこうしていました。)

自分で自分のやった事が分からない位、私は激高していました。

(わたしはまわりのひとたちにおさえられ、けいさつがよばれました。)

私は周りの人達に抑えられ、警察が呼ばれました。

(そのばはげんじゅうちゅういでなんとかおさまりましたが・・・)

その場は厳重注意で何とか収まりましたが・・・

(わたしとmはそのままかいしゃをやすみました。aはさりぎわ、また)

私とMはそのまま会社を休みました。Aは去り際、また

(「むかえにいくから。」といっていました。)

「迎えに行くから。」と言っていました。

(とんでもないやつにからまれてしまったと、わたしたちはふるえましたよ。)

とんでもない奴に絡まれてしまったと、私達は震えましたよ。

(それからsは、mのまわりにつきまといだしました。)

それからSは、Mの周りに付き纏いだしました。

(へいおんなんていっしゅんでおわるものですよ。)

平穏なんて一瞬で終わるものですよ。

(sのやつはすがたをmにみせるものの、こえをかけるとかはいっさいないんですよ。)

Sの奴は姿をMに見せるものの、声を掛けるとかは一切ないんですよ。

(ただすがたをみせるだけ。そこがいやらしい。)

ただ姿を見せるだけ。そこがいやらしい。

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