怖い話《歓楽街にあるコンビニのトイレ》

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(ぼくがおおさかのかんらくがいのさかやでばいとをしていたころのはなしです。)

僕が大阪の歓楽街の酒屋でバイトをしていた頃の話です。

(いざかややよるのおみせをまわっておさけをはいたつするばいとなんですが、)

居酒屋や夜のお店を回ってお酒を配達するバイトなんですが、

(しょうがつまえのはんぼうになるとけっこうじかんによゆうがなくなります。)

正月前の繁忙になると結構時間に余裕がなくなります。

(もともとおなかがよわいうえにいちがつのさむぞらのした、)

元々お腹が弱いうえに一月の寒空の下、

(あんのじょうはいたつのとちゅうといれにいきたくなりました。)

案の定配達の途中トイレに行きたくなりました。

(いつもだといったんてんにかえってすみますんですがそんなじかんもなく、)

いつもだと一旦店に帰って済ますんですがそんな時間もなく、

(しかたなくちかくにあるこんびにのといれをかりることにしたんです。)

仕方なく近くにあるコンビニのトイレを借りる事にしたんです。

(てんいんにひとことこえをかけてといれにむかうと、)

店員に一言声を掛けてトイレに向かうと、

(どあのまえにはじゅんばんまちらしきひとがふたりたっていました。)

ドアの前には順番待ちらしき人が二人立っていました。

(ひとりはねんぱいのさらりーまんふうと、もうひとりはいかにもよるのまちがにあいそうな)

一人は年配のサラリーマン風と、もう一人はいかにも夜の街が似合いそうな

(はでなじゃけっとをきたきんぱつのおにいさん。)

派手なジャケットを着た金髪のお兄さん。

(いそいでんのになあ、なんておもいながらも、ちかくにこんびにもないし、)

急いでんのになあ、なんて思いながらも、近くにコンビニもないし、

(しぶしぶそのれつにならぶことにしました。)

渋々その列に並ぶ事にしました。

(しかし、あせるきもちをむしするようにいまはいっているひとが)

しかし、焦る気持ちを無視するように今入っている人が

(まてどもまてどもぜんぜんでてこないんです。)

待てども待てども全然出てこないんです。

(10ぷんほどまったでしょうか。)

10分程待ったでしょうか。

(きんぱつのおにいさんがしびれをきらしてどあをつよめにのっくしながらどなりました。)

金髪のお兄さんが痺れを切らしてドアを強めにノックしながら怒鳴りました。

(「おーい!ねてんのか!?まってるんですけどぉ!」)

「おーい!寝てんのか!?待ってるんですけどぉ!」

(するとどあのむこうがわからなにやらがさがさっというものおとと、)

するとドアの向こう側から何やらガサガサっという物音と、

(くすくすわらうようなこえがきこえました。)

クスクス笑うような声が聞こえました。

など

(よっぱらいがねてたのかなあ、やっとでてきてくれるのかあ、)

酔っ払いが寝てたのかなあ、やっと出てきてくれるのかあ、

(とおもってあんどしていると、また3ぷんたち5ふんたちでてくるようすがありません。)

と思って安堵していると、また3分経ち5分経ち出てくる様子がありません。

(しかもみみをすますと、どあのむこうのじんぶつはさきほどよりおおきなこえで、)

しかも耳を澄ますと、ドアの向こうの人物は先程より大きな声で、

(はげしくわらいころげているかのようにげらげらとこえをだしてわらっているんです。)

激しく笑い転げているかのようにゲラゲラと声を出して笑っているんです。

(おかしくてたまらないというようにといれのゆかをだんっだんっと)

可笑しくてたまらないというようにトイレの床をダンッダンッと

(おおきなおとでふみならしてすらいるんです。)

大きな音で踏み鳴らしてすらいるんです。

(げらげらげらげらげらがさがさっひひひひひ)

ゲラゲラゲラゲラゲラ・ガサガサッ・ヒヒヒヒヒ

(だん!だん!だん!げらげらげらげらげらだん!だん!ふはっふはっ)

ダン!ダン!ダン!ゲラゲラゲラゲラゲラ・ダン!ダン!フハッフハッ

(じんじょうじゃないものおとに、ぼくはないしんきみがわるくなってきました。)

尋常じゃない物音に、僕は内心気味が悪くなってきました。

(よっぱらいであれいじょうしゃであれ、どあのなかのじんぶつは、まともじゃない。)

酔っ払いであれ異常者であれ、ドアの中の人物は、まともじゃない。

(となりにいたちゅうねんさらりーまんもにらみつけるようにどあをぎょうししています。)

隣にいた中年サラリーマンも睨み付けるようにドアを凝視しています。

(ぼくもまたおなかがいたいのもわすれてどあからめがはなせずにいました。)

僕もまたお腹が痛いのも忘れてドアから目が離せずにいました。

(さすがにきんぱつもぼくとおなじきもちだったのか、)

流石に金髪も僕と同じ気持ちだったのか、

(しばらくいきをのんでみまもっているようでしたが、)

暫く息を呑んで見守っているようでしたが、

(やがてめのまえのぶきみなこえをうちけすようにてんいんにあらあらしくこえをかけました。)

やがて目の前の不気味な声を打ち消すように店員に荒々しく声を掛けました。

(「おい!こいつやくでもやってんじゃねえのか!もう30ぷんちかいぞ!」)

「おい!こいつ薬でもやってんじゃねえのか!もう30分近いぞ!」

(てんいんがいそいではしってきてぼくらさんにんからじじょうをきくと、)

店員が急いで走ってきて僕ら三人から事情を聞くと、

(うらからますたーきーらしきかぎたばをもってきました。)

裏からマスターキーらしき鍵束を持ってきました。

(そのころにはもうみせじゅうのきゃくがなんのさわぎかとこちらにちゅうもくしています。)

その頃にはもう店中の客が何の騒ぎかとこちらに注目しています。

(「おきゃくさまー?たいちょうふりょうでしょうか?あけますねー」)

「お客様ー?体調不良でしょうか?開けますねー」

(てんいんがこえをかけながらがちゃりとかぎをあけました。)

店員が声を掛けながらガチャリと鍵を開けました。

(よこびらきのどあをすーっとあけてなかをのぞくと、)

横開きのドアをすーっと開けて中を覗くと、

(しまったべんざのふたのうえに、よごれたちいさなぬいぐるみがおいてありました。)

閉まった便座の蓋の上に、汚れた小さなぬいぐるみが置いてありました。

(すこしくたびれた、ひとむかしまえのきゃらくたーものの。)

少しくたびれた、一昔前のキャラクターものの。

(もちろんまどなんてありません。)

もちろん窓なんてありません。

(そのばにいるぜんいん、ことばをうしないました。)

その場にいる全員、言葉を失いました。

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