怖い話《中古のカーナビ》
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問題文
(むかしのはなし。)
昔の話。
(ちゅうこやでてんちょうをやっているゆうじんがいるんだけど、)
中古屋で店長をやっている友人がいるんだけど、
(そいつからちゅうこのかーなびをやすくかったんだ。)
そいつから中古のカーナビを安く買ったんだ。
(ちゃんとなのしれためーかーのあとづけでだっしゅぼーどにのせるやつ。)
ちゃんと名の知れたメーカーの後付けでダッシュボードに乗せるやつ。
(なんでもけいじどうしゃをわかいてんいんがかいとったんだけど、あとでゆうじんがなかをみたら、)
何でも軽自動車を若い店員が買い取ったんだけど、後で友人が中を見たら、
(そとはきれいになおしてるけど、なかはどうせふれーむまでいってるじこしゃで)
外は綺麗に直してるけど、中はどうせフレームまでいってる事故車で
(ちょっとうりものになりそうもない。)
ちょっと売り物になりそうもない。
(どうせすうまんでかったもんだからぶひんをとれるだけとってはいしゃにするってことで、)
どうせ数万で買ったもんだから部品を取れるだけ取って廃車にするって事で、
(そのくるまについてたなびをゆずってもらった。)
その車についてたナビを譲ってもらった。
(とうじのおれのくるまはかって7ねんめになるこくさんのsuvで、)
当時の俺の車は買って7年目になる国産のSUVで、
(それまでなびはつかったことがなかったんでけっこううれしかった。)
それまでナビは使った事がなかったんで結構嬉しかった。
(さいしょのうちはとくにきのうめんでのふぐあいもなかった。)
最初のうちは特に機能面での不具合もなかった。
(ちょっとあんないのおんせいがみだれることはあったけど。)
ちょっと案内の音声が乱れる事はあったけど。
(たとえば「300めーとるさき、こうさてんをひだりです。」というおんなのひとのこえのさいごのところが)
例えば「300メートル先、交差点を左です。」という女の人の声の最後の所が
(「でにゅぅ」というかんじでひくくなる。)
「でにゅぅ」という感じで低くなる。
(でもそれくらいなんでもないとおもってきにしなかった。)
でもそれくらい何でもないと思って気にしなかった。
(それで、じぶんのいえのじゅうしょをにゅうりょくしてしごとであちこちでかけるたびに)
それで、自分の家の住所を入力して仕事であちこち出かける度に
(きたくもーどであんないをさせてみた。)
帰宅モードで案内をさせてみた。
(べつになびがなくともかえれるんだけど、まああそんでたんだな。)
別にナビがなくとも帰れるんだけど、まあ遊んでたんだな。
(ところがしばらくして、このなびはおれんちのみなみがわにあるだいがくのよこのこうさてんを)
ところが暫くして、このナビは俺んちの南側にある大学の横の交差点を
(ぜったいしじしないことにきがついた。)
絶対指示しない事に気が付いた。
(そのこうさてんのどうろはどっちもなにじゅうねんまえからあるんででーたがふるくて)
その交差点の道路はどっちも何十年前からあるんでデータが古くて
(にんしきできないとかじゃないとおもう。だけど、そのこうさてんにはいるまえに)
認識できないとかじゃないと思う。だけど、その交差点に入る前に
(させつやうせつをしじしてとおまわりになってしまうんだ。)
左折や右折を指示して遠回りになってしまうんだ。
(さいしょのすうかいはなびのいうとおりにはしったけど、)
最初の数回はナビの言う通りに走ったけど、
(ばからしいからむししてそのこうさてんをとおったんだ。)
馬鹿らしいから無視してその交差点を通ったんだ。
(そうしたらそのこうさてんにはいる10めーとるくらいまえになって、)
そうしたらその交差点に入る10メートルくらい前になって、
(ちがうみちをしじしていたなびのえきしょうがぶらっくあうとした。)
違う道を指示していたナビの液晶がブラックアウトした。
(うんともすんともいわなくなって、こしょうかとおもってたら、)
うんともすんとも言わなくなって、故障かと思ってたら、
(こうさてんをすぎてまた10めーとるくらいしたらえきしょうがすこしずつ)
交差点を過ぎてまた10メートルくらいしたら液晶が少しずつ
(あかぐろくあかるくなっていって、もとにもどってまたみちのしじをはじめた。)
赤黒く明るくなっていって、元に戻ってまた道の指示を始めた。
(なにかそのこうさてんをきかいがいやがっているようなかんじでちょっとぶきみだった。)
何かその交差点を機械が嫌がっているような感じでちょっと不気味だった。
(それからなんどかそのこうさてんをとおったんだけど、なびのびょうじょうはおなじだった。)
それから何度かその交差点を通ったんだけど、ナビの病状は同じだった。
(で、あるひかいしゃからけんがいにでてかなりおそくなってかえってきた。)
で、ある日会社から県外に出てかなり遅くなって帰ってきた。
(よるの2じすぎでこさめがふってたな。)
夜の2時過ぎで小雨が降ってたな。
(つかれててはやくいえにかえりたかったんでそのこうさてんのみちをとおることにした。)
疲れてて早く家に帰りたかったんでその交差点の道を通る事にした。
(くるまどおりはあまりないところでしんごうはきいろのてんめつになってた。)
車通りはあまりないところで信号は黄色の点滅になってた。
(なびはいつもどおりぶらっくあうとしたけど、じょこうしてはしりぬけようとした。)
ナビはいつも通りブラックアウトしたけど、徐行して走り抜けようとした。
(するとひとかげなんかなかったはずなのに、)
すると人影なんかなかったはずなのに、
(きづいたらめのまえにじてんしゃのおんなのひとがいる。)
気付いたら目の前に自転車の女の人がいる。
(とっさにはんどるをみぎにきったんでくるまはたいこうしゃせんをこえてほどうにのりあげた。)
とっさにハンドルを右に切ったんで車は対向車線を越えて歩道に乗り上げた。
(しゃがいにでてかくにんしたんだけどなにもない。)
車外に出て確認したんだけど何もない。
(ただぬれてがいとうにてらされたろめんがあるだけ。)
ただ濡れて街灯に照らされた路面があるだけ。
(きつねにつままれたかんじで、しゃくぜんとしないままのりこんだら、)
キツネにつままれた感じで、釈然としないまま乗り込んだら、
(きえていたなびがぱっとついて、えきしょうにもざいくがかかったように)
消えていたナビがパッとついて、液晶にモザイクがかかったように
(くずれたおんなのひとらしいかおがあらわれ、なびのおんせいで)
崩れた女の人らしい顔が現れ、ナビの音声で
(「・・・わたしはここでしんだんでにゅぅぅぅぅぅ」)
「・・・私はここで死んだんでにゅぅぅぅぅぅ」
(おれはえんじんだけきって、くるまをそこにおいたままいえまでにげてかえったよ。)
俺はエンジンだけ切って、車をそこに置いたまま家まで逃げて帰ったよ。
(つぎのひあさはやくゆうじんにれんらくして、そのばしょまできてもらいなびをはずしてもらった。)
次の日朝早く友人に連絡して、その場所まで来てもらいナビを外してもらった。
(めいわくがるとおもってたけどそうでもなかった。)
迷惑がると思ってたけどそうでもなかった。
(ゆうじんは、「このなびつけてたけい、だいぶおおきなじこおこしてたみたいだね。)
友人は、「このナビ付けてた軽、大分大きな事故起こしてたみたいだね。
(はいしゃにするまでみせのまえにおいてたけど、あめのひにくるまのまえをとおりかかったら、)
廃車にするまで店の前に置いてたけど、雨の日に車の前を通りかかったら、
(かすかにちのにおいがするんだよ。おれたちにはわかるんだ。)
かすかに血の臭いがするんだよ。俺達には分かるんだ。
(このなびもなにかあったんだろ。いや、いわなくていいよしりたくないから。」)
このナビも何かあったんだろ。いや、言わなくていいよ知りたくないから。」
(といった。そのあとはとくになにもないけど、そのこうさてんはとおらないようにしてる。)
と言った。その後は特に何もないけど、その交差点は通らないようにしてる。