洒落怖《妹の友達》
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問題文
(おれががきのころのはなし。)
俺がガキの頃の話。
(おれにはふたつとししたのいもうとがいるんだが、そのいもうとのともだちがよくうちにあそびにきていた。)
俺には二つ年下の妹がいるんだが、その妹の友達がよくうちに遊びに来ていた。
(いもうとはむくちでともだちがすくなく、そのこがほとんどゆいいつのともだちだった。)
妹は無口で友達が少なく、その子がほとんど唯一の友達だった。
(そのこはおおむねふつうのこだったけど、なんでかよるになってもいえにかえろうとしない。)
その子は概ね普通の子だったけど、なんでか夜になっても家に帰ろうとしない。
(いくらがきでも、たにんのいえのめしどきにはかえるというのはわかっていそうなもんだが)
いくらガキでも、他人の家の飯時には帰るというのは分かっていそうなもんだが
(そのこはうちのははおやが「もうかえらなくてもいいの?」っていっても、)
その子はうちの母親が「もう帰らなくてもいいの?」って言っても、
(「だいじょうぶ。」というばかり。)
「大丈夫。」と言うばかり。
(まあ、よのなかにはそういうくうきよめなくてあつかましいがきもいるもんだけど。)
まあ、世の中にはそういう空気読めなくて厚かましいガキもいるもんだけど。
(そのこはたんなるあつかましいがきじゃなかった・・・というのがあとでわかった。)
その子は単なる厚かましいガキじゃなかった・・・というのが後で分かった。
(あるじきをさかいに、そのおんなのこはぱったりうちにこなくなった。)
ある時期を境に、その女の子はぱったりうちに来なくなった。
(しばらくたったあと、ふとそのこのことをおもいだしてははおやにきいてみた。)
暫く経った後、ふとその子の事を思い出して母親に聞いてみた。
(まるまるちゃん、さいきんうちにこなくなったね、と。)
○○ちゃん、最近うちに来なくなったね、と。
(すると、うちのははおやのひょうじょうがとたんにくもった。)
すると、うちの母親の表情が途端に曇った。
(なんでも、そのこはしせつにあずけられたらしい。)
なんでも、その子は施設に預けられたらしい。
(がっこうもかわり、もううちにはこないとのこと。)
学校も変わり、もううちには来ないとの事。
(あんまりとうとつなのでくわしくきいてみると、)
あんまり唐突なので詳しく聞いてみると、
(どうもははおやがけいさつにつかまったということらしい。)
どうも母親が警察に捕まったという事らしい。
(そのこはぼしかていだったようで、ははおやがたいほされたことでみよりがなくなり、)
その子は母子家庭だったようで、母親が逮捕された事で身寄りが無くなり、
(どこかのしせつへいったとのこと。)
何処かの施設へ行ったとの事。
(しかし、たいほなんてのはよっぽどのこと。)
しかし、逮捕なんてのはよっぽどの事。
(なにをしたのかときくと、さつじんだとかなんとか・・・。)
何をしたのかと聞くと、殺人だとか何とか・・・。
(そのははおやにはほんらい、そのこのしたにまだふたりほどこどもがいたらしいが、)
その母親には本来、その子の下にまだ二人ほど子供がいたらしいが、
(せいかつくでそだてられなくなり、おもいあまってころしてしまってたらしい。)
生活苦で育てられなくなり、思い余って殺してしまってたらしい。
(おまけにそのいたいはごみぶくろにいれておしいれにしまっていたとか。)
おまけにその遺体はゴミ袋に入れて押入れにしまっていたとか。
(たいほのきっかけは、いたいからもれるふはいしゅうにきんじょのひとがきがついたかららしい。)
逮捕のきっかけは、遺体から漏れる腐敗臭に近所の人が気が付いたかららしい。
(そのこはじぶんのきょうだいのしたいがあるいえでせいかつをしていたということになる。)
その子は自分の兄弟の死体がある家で生活をしていたという事になる。
(そりゃ、かえりたくないわな・・・。)
そりゃ、帰りたくないわな・・・。
(ちなみにおれのいもうともそこへあそびにいったことがあるらしいが、)
ちなみに俺の妹もそこへ遊びに行った事があるらしいが、
(くささはとくわからなかったそうな。)
臭さはとく分からなかったそうな。