November

(こっそりととじたまぶた)

こっそりと閉じた瞼

(あかりをさがしている)

灯りを探している

(ほおをつたってくかぜは)

頬を伝ってく風は

(どこにむかう)

何処に向かう

(どこにむかう)

何処に向かう

(せいたかそうにかくれた)

背高草に隠れた

(あせばんだゆめのにおい)

汗ばんだ夢の匂い

(そらにとばしたことばは)

空に飛ばした言葉は

(ここにはない)

此処にはない

(ここにはない)

此処にはない

(もういっかいとおもったのだ)

もう一回と思ったのだ

(どこへいくあてもないのだけど)

何処へ行くあても無いのだけど

(なきたくてわらったのだ)

泣きたくて笑ったのだ

(なぜかいつもわらえたんだ)

なぜかいつも笑えたんだ

(もういっかいとおもったのは)

もう一回と思ったのは

(ここにいるわけにいかないから)

此処にいるわけにいかないから

(さびしくてうたったのが)

寂しくて唄ったのが

(これがぼくとおもえたんだ)

これが僕と思えたんだ

(ゆらゆらとおどるかのように)

ユラユラと踊るかのように

(よるはうかぶばかり)

夜は浮かぶばかり

(ひかりをとかすように)

光を梳かすように

(ゆれた)

揺れた

(ゆれた)

揺れた

(ゆれたのは)

揺れたのは

(からからとめぐるきせつが)

カラカラと巡る季節が

(あなたとよこならび)

あなたと横並び

(あたしのめのおくに)

あたしの眼の奥に

(ふれた)

触れた

(ふれた)

触れた

(ふれたのだ)

触れたのだ

(もういっかいとおもったのだ)

もう一回と思ったのだ

(どこにいくあてもないのだけど)

何処に行くあても無いのだけど

(なきたくてわらったのだ)

泣きたくて笑ったのだ

(なぜかいつもわらえたんだ)

なぜかいつも笑えたんだ

(わかりきったことでも)

わかりきったことでも

(わかりきることはできない)

わかりきることはできない

(ふらふらのあしどりは)

ふらふらの足取りは

(どこにむかう)

何処に向かう

(どこにむかう)

何処に向かう

(ひとりきりでうたっても)

ひとりきりで唄っても

(わすれられるきはしないな)

忘れられる気はしないな

(こっそりととじたまぶた)

こっそりと閉じた瞼

(ここではない)

此処ではない

(ここではない)

此処ではない

(うかべたことばは)

浮かべた言葉は

(おともなくはじけた)

音も無く弾けた

(あたしがこいした)

あたしが恋した

(いろのないまちなみ)

色の無い街並み

(もういっかいとおもったのだ)

もう一回と思ったのだ

(ここにいるわけにいかないから)

此処にいるわけにいかないから

(さびしくてうたったのが)

寂しくて唄ったのが

(これがぼくとおもえたんだ)

これが僕と思えたんだ

(ゆらゆらとわらうかのように)

ユラユラと笑うかのように

(よるがうかぶばかり)

夜が浮かぶばかり

(ひかりをとかすように)

光を梳かすように

(ゆれた)

揺れた

(ゆれた)

揺れた

(ゆれたのは)

揺れたのは

(からからとめぐるきせつが)

カラカラと巡る季節が

(あなたとよこならび)

あなたと横並び

(あたしのめのおくに)

あたしの眼の奥に

(ふれた)

触れた

(ふれた)

触れた

(ふれたのだ)

触れたのだ