洒落怖《呪ってないのに》
※このタイピングは、ランキング登録を受け付けていません。
関連タイピング
-
プレイ回数2歌詞1729打
-
プレイ回数125歌詞1771打
-
プレイ回数347長文2712打
-
プレイ回数1754長文1030打
-
プレイ回数329歌詞869打
問題文
(わたしがこうこうせいになってまもないころ)
私が高校生になって間もない頃
(ちゅうがっこうまでがいっしょで、こうこうがべつだったあいな(かな)からでんわがきた。)
中学校までが一緒で、高校が別だったアイナ(仮名)から電話が来た。
(なにがあったかしらないが、わんわんなきながらしゃべっている。)
何があったか知らないが、ワンワン泣きながら喋っている。
(なにをいっているのかわからないので、いえによびだした。)
何を言っているのか分からないので、家に呼び出した。
(やってきたあいなは、こうこうでいじめにあっているとこくはくした。)
やって来たアイナは、高校でいじめにあっていると告白した。
(かのじょはきょうがくのじょしくらすにいて、くらすのめだつぐるーぷにめをつけられて、)
彼女は共学の女子クラスにいて、クラスの目立つグループに目をつけられて、
(そいつらにものをかくされたり、しつれいなことばをかけてこられるようになったという。)
そいつらに物を隠されたり、失礼な言葉を掛けてこられるようになったという。
(おとなしいあいなは、おなじようにおとなしいともだちがすうにんできていたけれど、)
大人しいアイナは、同じようにおとなしい友達が数人出来ていたけれど、
(じぶんへのいじめでみんな、はなれてひとりになってしまったらしい。)
自分へのいじめでみんな、離れて一人になってしまったらしい。
(これからずっと、こんなことがつづいてしまう、)
これからずっと、こんな事が続いてしまう、
(このままではいきじごくになっちゃう!)
このままでは生き地獄になっちゃう!
(どうにかしなくては、とかのじょはなきながらわたしにうったえてきた。)
どうにかしなくては、と彼女は泣きながら私に訴えてきた。
(せんせいもたよりにならないし、おやにしんぱいはさせられない!)
先生も頼りにならないし、親に心配はさせられない!
(だからちからのないわたしができることはもうのろいしかないと、とっぴなかんがえだが、)
だから力の無い私が出来る事はもう呪いしかないと、突飛な考えだが、
(おいこまれてわけわからなくなっていたようだ。)
追い込まれて訳分からなくなっていたようだ。
(わたしはこどものころからほらーがすきで、そのたぐいのほんをたくさんもっていた。)
私は子供の頃からホラーが好きで、その類いの本を沢山持っていた。
(あいなはそれをしっていて、のろいをおしえてくれといってきた。)
アイナはそれを知っていて、呪いを教えてくれと言ってきた。
(たしかにのろいのほうほうがのっているほんはもっていたが、)
確かに呪いの方法が載っている本は持っていたが、
(よくないことなので、とめるようにうながした。)
良くない事なので、止めるように促した。
(でも、いじめているやつらがなんとかならないと、このいじめはおわらない、)
でも、いじめている奴らが何とかならないと、このいじめは終わらない、
(どうしてもおしえてくれとあいなはひかない。)
どうしても教えてくれとアイナは引かない。
(ひとをのろわばあなふたつのはなしをしても、それでもといいはる。)
人を呪わば穴二つの話をしても、それでもと言い張る。
(もしじぶんもそうなったら、とかんがえたらあいなのきもちもわかるので)
もし自分もそうなったら、と考えたらアイナの気持ちも分かるので
(けっきょくわたしがおれた。)
結局私が折れた。
(のろいかたがのっているほんをだすことにしたが、それがなぜかみつからない。)
呪い方が載っている本を出す事にしたが、それが何故か見つからない。
(おきにいりのほんでよくよんでいたのに、なかなかだせずにもたもたしていた。)
お気に入りの本でよく読んでいたのに、中々出せずにもたもたしていた。
(あいなにせかされながらさがしていると、とつぜん、わたしのあたまのなかに)
アイナに急かされながら探していると、突然、私の頭の中に
(「のろってはいけない!」とじょせいのこえがきこえてきた。)
「呪ってはいけない!」と女性の声が聞こえてきた。
(れいかんぜろのわたしなので、こんなたいけんはもちろんはじめてだ。)
霊感ゼロの私なので、こんな体験はもちろん初めてだ。
(ほらーすきにはたまらないてんかいだが、かなしそうなあいなをみていると)
ホラー好きにはたまらない展開だが、悲しそうなアイナを見ていると
(こうふんもできず、そのことばをそのままつたえた。)
興奮も出来ず、その言葉をそのまま伝えた。
(あいなはなきながら、ではどうしたらいいの?)
アイナは泣きながら、ではどうしたらいいの?
(あしたもそのあともずっといじめはつづくんだよ、といってきた。)
明日もその後もずっといじめは続くんだよ、と言ってきた。
(そのちょくご、ふたたびじょせいのこえで)
その直後、再び女性の声で
(「だいじょうぶよ、あしたはおもってもみなかったことがおきるよ」ときこえてきた。)
「大丈夫よ、明日は思ってもみなかった事が起きるよ」と聞こえてきた。
(そのこともあいなにつたえて、ふたりではなしあい、)
その事もアイナに伝えて、二人で話し合い、
(とりあえずのろいはあしたのようすをみてからにしようということになった。)
取り敢えず呪いは明日の様子を見てからにしようという事になった。
(よくじつあいなからでんわがきた。)
翌日アイナから電話が来た。
(あさ、とうこうしてすぐにいじめぐるーぷのひとりがからんできたそうだ。)
朝、登校してすぐにいじめグループの一人が絡んできたそうだ。
(やめてほしいといっても、しつこくからみつづけてきた。)
辞めてほしいと言っても、しつこく絡み続けてきた。
(そのとき、おおきなどなりごえがきこえた。)
その時、大きな怒鳴り声が聞こえた。
(みれば、そのくらすのばりばりなやんきーしょうじょだった。)
見れば、そのクラスのバリバリなヤンキー少女だった。
(はくりょくのあるこえでいやがってるからとめろよ!と)
迫力のある声で嫌がってるから止めろよ!と
(くらすちゅうがざわざわしてちゅうもくされた。)
クラス中がザワザワして注目された。
(ちょくご、きょうしつのどあがひらいて、じょしくらすにだんしがはいってきた。)
直後、教室のドアが開いて、女子クラスに男子が入って来た。
(だれかとみたらやんきーしょうじょのかれしで、めちゃくちゃこわいといわれている、)
誰かと見たらヤンキー少女の彼氏で、めちゃくちゃ怖いと言われている、
(これまたやんきーしょうねんだった。)
これまたヤンキー少年だった。
(これまでのやりとりをきいていたのか、からんでいたいじめっこに、)
これまでのやりとりを聞いていたのか、絡んでいたいじめっ子に、
(ひとことどけっとかおをわざわざちかづけてこわいかおでいいはなった。)
一言どけっと顔をわざわざ近づけて怖い顔で言い放った。
(そのあとをぞろぞろとみためからしてふりょうとわかるだんしたちがつづいてはいってきて、)
その後をゾロゾロと見た目からして不良と分かる男子達が続いて入ってきて、
(やんきーしょうじょとかいわをしだした。)
ヤンキー少女と会話をしだした。
(そのあいだもいじめっこはやんきーしょうねんたちににらまれていて、まっさおになっていた。)
その間もいじめっ子はヤンキー少年達に睨まれていて、真っ青になっていた。
(そのひいこうは、いじめぐるーぷもおとなしくなったそうだ。)
その日以降は、いじめグループもおとなしくなったそうだ。
(あいなはもうだいじょうぶだとおもうといっていた。)
アイナはもう大丈夫だと思うと言っていた。
(じっさい、いじめはなくなったそうだ。)
実際、いじめはなくなったそうだ。
(だがこのはなし、これでおわりではないのだ。)
だがこの話、これで終わりではないのだ。
(いじめがなくなってからほんのすうじつご、いじめぐるーぷのひとりがじしゅたいがくした。)
いじめがなくなってからほんの数日後、いじめグループの一人が自主退学した。
(とつぜんそのこのちちおやのかいしゃがとうさんし、こうこうをやめてはたらくことになったのだ。)
突然その子の父親の会社が倒産し、高校を辞めて働く事になったのだ。
(ほかにもいじめぐるーぷのひとたちはこんどはぐるーぷないでいじめがおきたり、)
他にもいじめグループの人達は今度はグループ内でいじめが起きたり、
(たちばがわるくなるひとぞくしゅつで、なんにんもがたいがくしていったそうだ。)
立場が悪くなる人続出で、何人もが退学していったそうだ。
(のろってないのにね、わたしたちはふしぎだとおもった。)
呪ってないのにね、私達は不思議だと思った。
(あいなはのろわずにいじめがなくなったことにかんしゃしていた。)
アイナは呪わずにいじめがなくなった事に感謝していた。
(こうこうをそつぎょうし、あいなはそつぎょうあるばむをみせてくれた。)
高校を卒業し、アイナは卒業アルバムを見せてくれた。
(ぺらぺらとまくると、あいなのくらすをふくめ、)
ペラペラと捲ると、アイナのクラスを含め、
(ひとくみいがいのくらすはよくあるかんじのこうせいだった。)
ひと組以外のクラスはよくある感じの構成だった。
(そのひとくみがひどかった。)
そのひと組が酷かった。
(はじかれているこがさんにんいたようで、)
はじかれている子が三人いたようで、
(ひとりがせくしーじょゆうふうなじょせいのぼでぃのかおにごうせいされ、)
一人がセクシー女優風な女性のボディの顔に合成され、
(ひとりはおさらのうえのなまくびにごうせいされていた。)
一人はお皿の上の生首に合成されていた。
(でもこのふたりはまだましだった、にこにこしたかおだったから!)
でもこの二人はまだマシだった、ニコニコした顔だったから!
(もうひとりは、こくじんまっちょでぶりーふいちまいでぼでぃびるぽーずをとった)
もう一人は、黒人マッチョでブリーフ一枚でボディビルポーズをとった
(おとこのかおにごうせいされていて、とてもくやしそうなひょうじょうをしていた。)
男の顔に合成されていて、とても悔しそうな表情をしていた。
(あいないわく、そのひとがいじめのしゅぼうしゃだそうだ。)
アイナ曰く、その人がいじめの首謀者だそうだ。
(いじめっこからいじめられっこになったのは、いんがおうほうかな。)
いじめっ子からいじめられっ子になったのは、因果応報かな。