洒落怖《僕のセイバータイガーの爪を返してください
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問題文
(ついせんじつわたしははけんがいしゃでのせいしゃいんこようがきまり、)
つい先日私は派遣会社での正社員雇用が決まり、
(とうきょうこうがいのふるいあぱーとにひっこしました。)
東京郊外の古いアパートに引っ越しました。
(ひっこしさきのあぱーとはかりるまえからふんいきがあまりいいとはいえず、)
引越し先のアパートは借りる前から雰囲気があまりいいとは言えず、
(うすぐらくいんうつないんしょうだったのですが、)
薄暗く陰鬱な印象だったのですが、
(りっちとやちんのやすさにひかれそこにすむことにきめました。)
立地と家賃の安さに惹かれそこに住む事に決めました。
(あぱーとはにかいだてになっておりいちかいとにかいでそれぞれへやが6へやあり)
アパートは二階建てになっており一階と二階でそれぞれ部屋が6部屋あり
(そのいちかいにすむことになりました。)
その一階に住む事になりました。
(ふるいあぱーとのためせきゅりてぃはかいむでしたが、おおやのろうふうふがとてもよいひとで)
古いアパートの為セキュリティは皆無でしたが、大家の老夫婦がとても良い人で
(おなじあぱーとないにすんでいたため、)
同じアパート内に住んでいた為、
(おんなのわたしひとりでもあんしんかんがあるというのもきめてのひとつでした。)
女の私一人でも安心感があるというのも決め手の一つでした。
(なによりこのころなかでやっとさいようしてくれたかいしゃです。)
何よりこのコロナ渦でやっと採用してくれた会社です。
(せいしゃいんではたらけるならどんなところでもすむかくごがありましたし、)
正社員で働けるならどんな所でも住む覚悟がありましたし、
(ぼろあぱーととはいえじっかをでてはじめてのひとりぐらしだったので)
ボロアパートとはいえ実家を出て初めての一人暮らしだったので
(ふあんよりもわくわくするきもちがつよかったんです。)
不安よりもワクワクする気持ちが強かったんです。
(わたしはかいしゃがはじまるまでのきかん、うきうきしながらしょっきやこものやかーてんなどを)
私は会社が始まるまでの期間、ウキウキしながら食器や小物やカーテンなどを
(かいこみ、じぶんのへやをじぶんごのみにしていくのにむちゅうになっていました。)
買い込み、自分の部屋を自分好みにしていくのに夢中になっていました。
(ひっこしてからいっしゅうかんをちょうどすぎたころだったとおもいます。)
引っ越してから一週間をちょうど過ぎた頃だったと思います。
(そのひもわたしは100えんしょっぷでこものるい、すーぱーでじすいようのしょくざいをかいこみ)
その日も私は100円ショップで小物類、スーパーで自炊用の食材を買い込み
(あぱーとにかえってきました。)
アパートに帰って来ました。
(するとわたしのいえのどあのまえからすこしはなれたところに、)
すると私の家のドアの前から少し離れたところに、
(30だいくらいのおとこがたいいくずわりをしていました。)
30代くらいの男が体育座りをしていました。
(ひとがいるだけならまだしも)
人がいるだけならまだしも
(せいじんだんせいがたいいくずわりをしているすがたにわたしはぎょっとしました。)
成人男性が体育座りをしている姿に私はぎょっとしました。
(ないしんやばいひとかな?なんてかんがえながらあしたおおやさんにそうだんしてみようとおもい)
内心やばい人かな?なんて考えながら明日大家さんに相談してみようと思い
(おとこにめをむけずじぶんのへやにはいろうとかぎをあけたときでした。)
男に目を向けず自分の部屋に入ろうと鍵を開けた時でした。
(「せいばーたいがーのつめ、かえしてください!」うしろからおとこのこえがしました。)
「セイバータイガーの爪、返してください!」後ろから男の声がしました。
(「えっ???」)
「えっ???」
(わたしがふりかえるとさっきたいいくずわりをしていたおとこがわたしのすぐまうしろでたっていて)
私が振り返るとさっき体育座りをしていた男が私のすぐ真後ろで立っていて
(「ぼくのせいばーたいがーのつめかえしてください!!」)
「僕のセイバータイガーの爪返してください!!」
(なきながらおおごえでそうさけんでいるのです。)
泣きながら大声でそう叫んでいるのです。
(「な、なんなんですか?けいさつよびますよ?」)
「な、なんなんですか?警察呼びますよ?」
(30だいのおとこになきながらめのまえでさけばれてわたしはどうようしながらそういい、)
30代の男に泣きながら目の前で叫ばれて私は動揺しながらそういい、
(すばやくへやのなかにはいろうとしました。)
素早く部屋の中に入ろうとしました。
(すると、)
すると、
(「かえして~~~~」)
「返して~~~~」
(ぜっきょうしながらおとこがわたしのしめようとするどあをつかみ、)
絶叫しながら男が私の閉めようとするドアを掴み、
(むりやりあけようとしてきました。)
無理矢理開けようとしてきました。
(ひっしにあけられまいとていこうしていましたが、)
必死に開けられまいと抵抗していましたが、
(おとこのちからにかなうはずもなくわたしはふきとばされてしまい)
男の力に敵うはずもなく私は吹き飛ばされてしまい
(おとこはなきながらへやのなかにはいってきて、なぜかへやちゅうをぶっしょくしはじめました。)
男は泣きながら部屋の中に入ってきて、何故か部屋中を物色し始めました。
(わたしはわけもわからずきょうふにおののいていました。)
私は訳も分からず恐怖におののいていました。
(ちょうどこしがぬけたようなじょうたいになっていたんだとおもいます。)
ちょうど腰が抜けたような状態になっていたんだと思います。
(すると「どうしたの!!!」かなりはげしくもめてたのがきこえたのでしょう)
すると「どうしたの!!!」かなり激しく揉めてたのが聞こえたのでしょう
(おおやのろうふうふがわたしのへやにかけつけてくれました。)
大家の老夫婦が私の部屋に駆けつけてくれました。
(「た、た、たすけてください」なきながらろうふうふにかけよると)
「た、た、助けてください」泣きながら老夫婦に駆け寄ると
(「きよしちゃん?」ろうふうふのおくさんのほうがだんせいをみてそういいました。)
「清ちゃん?」老夫婦の奥さんの方が男性を見てそう言いました。
(「きよしちゃんどうしたの?」おくさんがそういうと)
「清ちゃんどうしたの?」奥さんがそう言うと
(「おばあちゃぁぁぁん」とだんせいはなきながらおくさんにだきつき)
「おばあちゃぁぁぁん」と男性は泣きながら奥さんに抱きつき
(おくさんがそのままがいへつれだしていきました。)
奥さんがそのまま外へ連れ出して行きました。
(きょとんとしているわたしにだんなさんが)
キョトンとしている私に旦那さんが
(「まえにすんでたかたのおこさんなんだよ」とせつめいしてくれました。)
「前に住んでた方のお子さんなんだよ」と説明してくれました。
(どうやらまえにおやこでいまわたしがすんでいるへやにながくすんでいたひとらしく)
どうやら前に親子で今私が住んでいる部屋に長く住んでいた人らしく
(すこししょうがいをもっていて、すんでいたとうじはおおやさんのおくさんに)
少し障害を持っていて、住んでいた当時は大家さんの奥さんに
(とてもなついていたということでした。)
とても懐いていたという事でした。
(ただなんでひとりでまたここにもどってきたのかは)
ただ何で一人でまたここに戻ってきたのかは
(だんなさんにもわからないといっていました。)
旦那さんにも分からないと言っていました。
(「ちょっとおやごさんにれんらくしてくるね」)
「ちょっと親御さんに連絡してくるね」
(そういってだんなさんもわたしのへやからでていきました。)
そう言って旦那さんも私の部屋から出て行きました。
(わたしはというとあまりのできごとにほうしんじょうたいでてれびをつけながらも)
私はというとあまりの出来事に放心状態でテレビをつけながらも
(まったくないようがはいってこずぼーっとしていました。)
全く内容が入ってこずボーっとしていました。
(1じかんほどたったころでしょうか)
1時間程経った頃でしょうか
(いんたーほんがならされ、そとにでると)
インターホンが鳴らされ、外に出ると
(おとこのははおやをなのるねんぱいのじょせいとおおやさんふうふがいました。)
男の母親を名乗る年配の女性と大家さん夫婦がいました。
(「たいへんもうしわけありませんでした!!」)
「大変申し訳ありませんでした!!」
(めがあうやいなや、おとこのははおやはどげざをしてわたしにしゃざいをしてきました。)
目が合うやいなや、男の母親は土下座をして私に謝罪をしてきました。
(「えっ?」いきなりのしゃざいにおどろいていると、かのじょはけいいをせつめいしはじめました。)
「えっ?」いきなりの謝罪に驚いていると、彼女は経緯を説明し始めました。
(なんでもひっこしたさきでひとりでぞいど?というぷらもでるみたいなおもちゃで)
何でも引っ越した先で一人でゾイド?というプラモデルみたいなおもちゃで
(あそんでいたところ、おもちゃのつめがこわれたかはずれたかでなくなっていたらしく、)
遊んでいたところ、おもちゃの爪が壊れたか外れたかでなくなっていたらしく、
(かのじょのむすこはどうやらそれをまえのいえにわすれてきてしまったとおもいこみ)
彼女の息子はどうやらそれを前の家に忘れてきてしまったと思い込み
(いえをとびだしてしまったということでした。)
家を飛び出してしまったという事でした。
(しょうがいをかかえているためおもいこみがはげしく、)
障害を抱えている為思い込みが激しく、
(そうおもいこんだらまわりがみえなくなってしまうそうで)
そう思い込んだら周りが見えなくなってしまうそうで
(どうにかけいさつだけはかんべんしてくださいとなんどもこんがんされました。)
どうにか警察だけは勘弁してくださいと何度も懇願されました。
(おおやのふたりはなにをいうわけでもなくしんぱいそうにうしろにたっていて)
大家の二人は何を言う訳でもなく心配そうに後ろに立っていて
(れいのむすこはおおやのおくさんにしがみついたままひっくひっくとないていました。)
例の息子は大家の奥さんにしがみついたままヒックヒックと泣いていました。
(しょうがないことなのかもしれないですが、30さいをこえるであろうだんせいが)
しょうがない事なのかもしれないですが、30歳を超えるであろう男性が
(こうれいのじょせいにしがみついてないているのと)
高齢の女性にしがみついて泣いているのと
(なんどもどげざをするかれのははおやをみてきもちわるくなり、)
何度も土下座をする彼の母親を見て気持ち悪くなり、
(これいじょうかかわりあいになりたくないとかんじ)
これ以上関わり合いになりたくないと感じ
(「こんごいっさいこういうことがないならだいじょうぶです」といいどあをしめました。)
「今後一切こういう事がないなら大丈夫です」と言いドアを閉めました。
(すこしじかんがたつとちょっとつめたすぎたかなとかんがえないこともなかったですが、)
少し時間が経つとちょっと冷たすぎたかなと考えない事もなかったですが、
(しょうがいをもっていたとはいえほとんどはんざいのようなことをされたので、)
障害を持っていたとはいえほとんど犯罪のような事をされたので、
(なるべくかんがえないようにしてわすれるようにつとめました。)
なるべく考えないようにして忘れるように努めました。
(それからまたいっしゅうかんくらいたったころです。)
それからまた一週間くらい経った頃です。
(かいものからかえるとあのおとこがわたしのいえのまえにたっていました。)
買い物から帰るとあの男が私の家の前に立っていました。
(え?とわたしがかたまっていると、かれがわたしにいっちょくせんにちかづいてきて)
え?と私が固まっていると、彼が私に一直線に近づいて来て
(「こ、こ、このまえはごめんなさい」)
「こ、こ、この前はごめんなさい」
(とわたしにびにーるぶくろをてわたしてはしりさっていきました。)
と私にビニール袋を手渡して走り去っていきました。
(あっけにとられながらへやにはいり、びにーるぶくろのなかをかくにんすると)
呆気にとられながら部屋に入り、ビニール袋の中を確認すると
(なにかのぷらもでるみたいなものとふくろにはいったちょこなどのおかしがはいっていて)
何かのプラモデルみたいなものと袋に入ったチョコなどのお菓子が入っていて
(ちょっときもちわるさをかんじましたが、)
ちょっと気持ち悪さを感じましたが、
(かれなりのしゃざいのきもちなのかなとかんがえなっとくすることにしました。)
彼なりの謝罪の気持ちなのかなと考え納得する事にしました。
(しかしそのよくじつのことです。)
しかしその翌日の事です。