洒落怖《だから私言ったよね?》

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プレイ回数99難易度(4.7) 4411打 長文

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問題文

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(れいことはじめてあったのはごうこんのときだった。)

玲子と初めて会ったのは合コンの時だった。

(かのじょのだいいちいんしょうはすきとおるようなびじん。)

彼女の第一印象は透き通るような美人。

(まちじゅうでみたらなんにんかはふりかえるようなびじょだった。)

街中で見たら何人かは振り返るような美女だった。

(ごうこんのさいちゅうもきょうみなさそうなのにてんしょんがひくめで、)

合コンの最中も興味なさそうなのにテンションが低めで、

(かわるかわるあたっくしていくぼくのともだちなどもげきちん。)

代わる変わるアタックしていく僕の友達等も撃沈。

(おたかくとまっているようなかんじで、とてもじゃないが)

お高くとまっているような感じで、とてもじゃないが

(なかのしたのがんめんのおれにはどうにもできるはずもなかった。)

中の下の顔面の俺にはどうにもできるはずもなかった。

(だからかのじょがおれのけいたいのまちうけをみて)

だから彼女が俺の携帯の待受を見て

(「あっいぬかっているんですか?」ときいてきたときはとてもびっくりした。)

「あっ犬飼っているんですか?」と聞いてきた時はとてもびっくりした。

(おれいがいのごうこんめんばーのぜんいんもびっくりしていた。)

俺以外の合コンメンバーの全員もびっくりしていた。

(なんせこのごうこん、かのじょがはじめてまともにはっしたのがそのことばだったからだ。)

何せこの合コン、彼女が初めてまともに発したのがその言葉だったからだ。

(そのあとといれにいったさいにでんわばんごうをきかれたときはもっとおどろいた。)

そのあとトイレに行った際に電話番号を聞かれた時はもっと驚いた。

(しょうじきあうぇいかしゅうきょうのかんゆうをされるんだろうなとおもっていたぐらいだ。)

正直ア〇ウェイか宗教の勧誘をされるんだろうなと思っていたぐらいだ。

(ごじつかのじょからしょくじのいざないをうけた。)

後日彼女から食事の誘いを受けた。

(おそるおそるしょくじにいくとそこにはぜんかいとはうってかわってえがおのかのじょがいて)

恐る恐る食事に行くとそこには前回とはうって変わって笑顔の彼女がいて

(かんゆうどころかとてもゆめのようなじかんをすごした。)

勧誘どころかとても夢のような時間を過ごした。

(「じつはわたしあのごうこんにんずうあわせでむりやりよばれちゃっただけで)

「実は私あの合コン人数合わせで無理矢理呼ばれちゃっただけで

(ぜんぜんのりきじゃなかったんだ」)

全然乗り気じゃなかったんだ」

(「ああいうばしょにくるようなひとはあんまりすきになれなくて」)

「ああいう場所に来るような人はあんまり好きになれなくて」

(かのじょはじょうぜつにそうかたった。)

彼女は饒舌にそう語った。

など

(「じつはおれもにんずうあわせだったんだ、)

「実は俺も人数合わせだったんだ、

(どうみてもああいうばにそぐわないでしょ?」)

どう見てもああいう場にそぐわないでしょ?」

(これはべつにかのじょにあわせたわけでなくじじつだった。)

これは別に彼女に合わせた訳でなく事実だった。

(ともだちのひきたてやくとしてたまたまよていがなかったおれがえらばれただけだった。)

友達の引き立て役としてたまたま予定がなかった俺が選ばれただけだった。

(「ふふっそうだとおもった!」)

「ふふっそうだと思った!」

(「え?」)

「え?」

(「ああ、へんないみじゃないの、あなたはああいうばしょににつかわしくない)

「ああ、変な意味じゃないの、あなたはああいう場所に似つかわしくない

(せいじつそうなひとがとおもったの」)

誠実そうな人がと思ったの」

(なんだかわからないがぼくのことをきにいってくれてるようだった。)

何だか分からないが僕の事を気に入ってくれてるようだった。

(それからふたりでのみながらいろいろなことをはなした。)

それから二人で飲みながら色々な事を話した。

(かのじょはおさないころりょうしんをなくししせつそだちだったということ。)

彼女は幼い頃両親を亡くし施設育ちだったという事。

(だいがくをしょうがくきんでそつぎょうしてあぱれるかんけいのしごとをしていること。)

大学を奨学金で卒業してアパレル関係の仕事をしている事。

(はやくじぶんのかていをもちたいということ。)

早く自分の家庭を持ちたいという事。

(ごうこんのときとはうってかわってえがおでたのしそうにかいわしていた。)

合コンの時とはうって変わって笑顔で楽しそうに会話していた。

(「また、さそってもいいかな?」かえりぎわにかのじょがぼくにきいてきた。)

「また、誘ってもいいかな?」帰り際に彼女が僕に聞いてきた。

(「もっもちろん!」あまりにまいあがってしまいぐいぎみにへんじしたぼくをみて)

「もっもちろん!」あまりに舞い上がってしまい食い気味に返事した僕を見て

(かのじょはうれしそうにほほえんだ。)

彼女は嬉しそうに微笑んだ。

(それからなんどかでーとをかさね、ぼくたちはつきあうことになった。)

それから何度かデートを重ね、僕たちは付き合う事になった。

(ぼくはうちょうてんだった。)

僕は有頂天だった。

(こんなことがぼくのじんせいにあっていいのか!)

こんな事が僕の人生にあっていいのか!

(こんなびじょとつきあえるきせきがおこるなんて)

こんな美女と付き合える奇跡が起こるなんて

(かのじょはかんぺきなじょせいだった。)

彼女は完璧な女性だった。

(かいわがじょうずではなしがおもしろく、りょうりもうまくしごともできた。)

会話が上手で話がおもしろく、料理も上手く仕事も出来た。

(まわりもなんでおれなんかとつきあってるんだろう?とおもっていたことだろう。)

周りもなんで俺なんかと付き合ってるんだろう?と思っていた事だろう。

(「あなたはわたしだけをあいしてくれるから」)

「あなたは私だけを愛してくれるから」

(なんでぼくなんかとつきあってくれるの?ときくたびにかのじょはそうこたえた。)

何で僕なんかと付き合ってくれるの?と聞く度に彼女はそう答えた。

(こくはくしたときもそうだった。)

告白した時もそうだった。

(「わたしだけをあいしてくれる?それならつきあう!」)

「私だけを愛してくれる?それなら付き合う!」

(ほかのひとがきいたらどうおもうかわからないがぼくにとってはさいこうのじょうけんだった。)

他の人が聞いたらどう思うか分からないが僕にとっては最高の条件だった。

(こんなさいこうなかのじょいがいをあいするわけがなかった。)

こんな最高な彼女以外を愛する訳がなかった。

(そしてつきあっていちねんがすぎたころ、ぼくはかのじょにぷろぽーずをした。)

そして付き合って一年が過ぎた頃、僕は彼女にプロポーズをした。

(そのときもかのじょは、わたしだけをあいしてくれるならけっこんするといった。)

その時も彼女は、私だけを愛してくれるなら結婚すると言った。

(もちろんといい、ぼくたちはかぞくになった。)

もちろんと言い、僕たちは家族になった。

(かのじょとのけっこんせいかつはまさにばらいろでとてもじゅうじつしたひびだったし、)

彼女との結婚生活はまさに薔薇色でとても充実した日々だったし、

(かのじょをけっこんしてすぐぼくのりょうしんがじこししたときもかのじょはけんしんてきに)

彼女を結婚してすぐ僕の両親が事故死した時も彼女は献身的に

(おちこむぼくをはげましてくれたり、かのじょにはとてもささえられていた。)

落ち込む僕を励ましてくれたり、彼女にはとても支えられていた。

(あのひまでは・・・)

あの日までは・・・

(いっしゅうかんぜんぼくのおとうとがなくなった。)

一週間前僕の弟が亡くなった。

(ばいくのじこだった。)

バイクの事故だった。

(さいごのにくしんのおとうとがしんでしまい、ぼくはうちのめされていた。)

最後の肉親の弟が死んでしまい、僕はうちのめされていた。

(よくじつはつやだったがのまずにはいられなかった。)

翌日は通夜だったが飲まずにはいられなかった。

(つぶれるいっぽてまえまでのんだぼくはすーつすがたで)

潰れる一歩手前まで飲んだ僕はスーツ姿で

(いまでねむりにおちてしまったようだった。)

居間で眠りに落ちてしまったようだった。

(どれくらいじかんがたったころだろうか、)

どれくらい時間が経った頃だろうか、

(なにかのけはいをかんじぼくはうっすらめをさました。)

何かの気配を感じ僕はうっすら目を覚ました。

(くらやみのなか、ぼくがめをこらすとぼくから2、3mはなれたところで)

暗闇の中、僕が目を凝らすと僕から2、3m離れたところで

(だれかがぶつぶつつぶやきながらうろうろしていた。)

誰かがブツブツ呟きながらうろうろしていた。

(ん?いったいだれだ?)

ん?一体誰だ?

(よっぱらってもうろうとするいしきのなか、めとみみをこらしてしゅうちゅうすると)

酔っ払って朦朧とする意識の中、目と耳を凝らして集中すると

(「だからわたしいったよね?」「だからわたしいったよね?」)

「だから私言ったよね?」「だから私言ったよね?」

(とききなれたじょせいのこえがきこえてきた。)

と聞きなれた女性の声が聞こえてきた。

(それはつま、れいこのこえだった。)

それは妻、玲子の声だった。

(「わたしいがいにあいするひといたじゃない」「だからわたしいったよね」)

「私以外に愛する人いたじゃない」「だから私言ったよね」

(「これでやっとふたりきりになれる」)

「これでやっと二人きりになれる」

(え・・・?なにをいっているんだ?)

え・・・?何を言っているんだ?

(「もういないよねあいしているひと?」)

「もういないよね愛している人?」

(ひとりでぶつぶつつぶやきながらあいかわらずぼくの2、3mさきをうろうろしている。)

一人でブツブツ呟きながら相変わらず僕の2、3m先をうろうろしている。

(そのときづまのてもとでなにかがきらりとひかった。ほうちょうだった。)

その時妻の手元で何かがキラリと光った。包丁だった。

(「ひっ」おもわずくちからこえがもれると、)

「ひっ」思わず口から声が漏れると、

(ぴたっとかのじょのうごきがとまってせいじゃくがおとずれた。)

ぴたっと彼女の動きが止まって静寂が訪れた。

(ぼくははんしゃてきにめをとじ、ねむったふりをつづけた。)

僕は反射的に目を閉じ、眠ったふりを続けた。

(ぎし・・・ぎし・・・)

ギシ・・・ギシ・・・

(かのじょがちかづいてくるおとがきこえてかおのまえでけはいをかんじ、)

彼女が近づいて来る音が聞こえて顔の前で気配を感じ、

(めをつぶっていてもかのじょがぼくのかおをのぞきこんでいるえいぞうがよういにそうぞうできた。)

目をつぶっていても彼女が僕の顔を覗き込んでいる映像が容易に想像できた。

(「だからわたしいったよね?」)

「だから私言ったよね?」

(いままできいたこともないようなおぞましいひくいこえが)

今まで聞いた事もないようなおぞましい低い声が

(じぶんのがんめんのまえからきこえてきた。)

自分の顔面の前から聞こえてきた。

(ぜんしんにひやあせをかきながらぼくはねたふりをつづけた。)

全身に冷や汗をかきながら僕は寝たふりを続けた。

(どれくらいじかんがたったんだろう。)

どれくらい時間が経ったんだろう。

(すでにひがのぼってあさになっていた。)

既に日が昇って朝になっていた。

(「あなただいじょうぶ?おこしてもおきないからそのままにしちゃったわよ!)

「あなた大丈夫?起こしても起きないからそのままにしちゃったわよ!

(はやくごはんたべて!」)

早くご飯食べて!」

(だいどころからいつものようにつまがしょっきをあらいながらぼくにはなしかけてきた。)

台所からいつものように妻が食器を洗いながら僕に話しかけてきた。

(あれからいっしゅうかん、あれはゆめだったのか・・・。)

あれから一週間、あれは夢だったのか・・・。

(あれいこうづまのりょうりからあじがしなくなった。)

あれ以降妻の料理から味がしなくなった。

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