幸せ色のカリヤ【最終話】 旅人と白
問題文
(こんのまんと)
紺のマント
(くろいたーばん)
黒いターバン
(うえをみやると)
上を見やると
(くろのせかいのよるのじかん)
黒の世界の夜の時間
(たびはみちづれにぎやかにしよう)
旅は道連れ賑やかにしよう
(おなじたびのにんげんと、あうのもたびのみりょくのひとつ)
同じ旅の人間と、会うのも旅の魅力の一つ
(たびのかりやはこうやをあるく)
旅のカリヤは荒野を歩く
(ゆめときぼうをむねにひめ)
夢と希望を胸に秘め
(きょうもかろやかあるきだす)
今日も軽やか歩き出す
(このひにであったしょうねんは、どーうぃんというなのちいさなこ)
この日に出会った少年は、ドーウィンという名の小さな子
(たびにつかれているようで、ぐあいがわるそうかわいそう)
旅に疲れているようで、具合が悪そうかわいそう
(「どうしてなみだをながしているの?」)
「どうして涙を流しているの?」
(「しくしくおいおい、しくしくおいおい」)
「しくしくおいおい、しくしくおいおい」
(「どーうぃんきみは、いったいどこにいきたいの?」)
「ドーウィン君は、一体どこに行きたいの?」
(なみだでぬれたほおをぬぐい、もっとこまったかおをする)
涙で濡れた頬を拭い、もっと困った顔をする
(「そうか、つぎにいくばしょがみつからないんだ、そうなんだよね?」)
「そうか、次に行く場所が見つからないんだ、そうなんだよね?」
(こくんとうなずく、たびのどーうぃん)
こくんと頷く、旅のドーウィン
(「わたしもたびのかりやだけれど、みちにこまったことはないわ」)
「私も旅のカリヤだけれど、道に困ったことはないわ」
(「どうしてどうしておねえちゃん?」)
「どうしてどうしてお姉ちゃん?」
(「ほらほら、おそらをみてごらん?」)
「ほらほら、お空を見てごらん?」
(「くろいよるしかみえないや。なにがあるっていいたいの?」)
「黒い夜しか見えないや。何があるって言いたいの?」
(「あそこにみえない?しろいほし。あかるくかがやくみちしるべ」)
「あそこに見えない?白い星。明るく輝く道標」
(「あのほしはなんというおなまえなの?」)
「あの星は何というお名前なの?」
(「それをしるのがたびのりゆうのひとつなの」)
「それを知るのが旅の理由の一つなの」
(「ぼくもいっしょにいってもいーい?」)
「僕も一緒に行ってもいーい?」
(「あなたはあなたのみちしるべ、しっかりみつけてほしいとおもうな」)
「あなたはあなたの道標、しっかり見つけて欲しいと思うな」
(「そんなことはいわないで」)
「そんなことは言わないで」
(「それじゃあ、つぎのまちまでね」)
「それじゃあ、次の町までね」
(「うんうん!げんきがでてきたよ!」)
「うんうん! 元気が出てきたよ!」
(たびするかりやはこうやをでる)
旅するカリヤは荒野を出る
(どーうぃんというなかまをつれて)
ドーウィンという仲間を連れて
(ゆめときぼうをむねにひめ)
夢と希望を胸に秘め