先生 前編 -2-

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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7958 | 神 | 8.0 | 98.4% | 436.4 | 3529 | 56 | 63 | 2025/04/14 |
2 | subaru | 7922 | 神 | 8.3 | 95.5% | 427.5 | 3554 | 167 | 63 | 2025/04/14 |
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問題文
(しげちゃんはなまえをしげるといってぼくとおないどしのおとこのこで、)
シゲちゃんは名前をシゲルと言って僕と同い年の男の子で、
(むかしもっとぼくがちいさかったころにこのいえにあそびにきたとき、)
昔もっと僕が小さかったころにこの家に遊びにきた時、
(ぼくをこぶんにしたことをおぼえていて、ぼくはさっぱりおぼえていなかったけれど)
僕を子分にしたことを覚えていて、僕はさっぱり覚えていなかったけれど
(まあいいやとおもったのでこぶんになってやった。)
まあいいやと思ったので子分になってやった。
(ふたつとししたのいもうとで、よっちゃんはなまえをよしこといってしげちゃんの)
二つ年下の妹で、ヨッちゃんは名前をヨシコと言ってシゲちゃんの
(めがくりくりとおおきくおかっぱあたまのげんきなおんなのこで、)
目がくりくりと大きくオカッパ頭の元気な女の子で、
(ぼくのかおやふくのすそからでているからだのいろがしろいのをみて、)
僕の顔や服の裾から出ている体の色が白いのを見て、
(とかいもんはひょろひょろだといってばかにするので、)
トカイもんはヒョロヒョロだと言って馬鹿にするので、
(そうではないことをしょうめいするのにどろだらけになってひがくれるまで)
そうではないことを証明するのに泥だらけになって日が暮れるまで
(おいかけっこをするはめになった。)
おいかけっこをする羽目になった。
(とかいもん。)
トカイもん。
(いなかにきてまずかんじたのが、このことばのむずむずするはだざわり。)
田舎にきてまず感じたのが、この言葉のむずむずする肌触り。
(ぼくにはけっしてとかいのこなどというにんしきはなかったのであるが、)
僕には決してトカイの子などという認識はなかったのであるが、
(このちいさなむらのこどもたちからすると、てれびのちゃんねるが)
この小さな村の子どもたちからすると、テレビのチャンネルが
(nhkのほかにみっついじょううつるというだけでそれはじゅうぶんとかいのじょうけんを)
NHKのほかに三つ以上映るというだけでそれは十分トカイの条件を
(みたしてしまうようだった。)
満たしてしまうようだった。
(しげちゃんはそのとかいもんをさっそくじもとのわるがきなかまに)
シゲちゃんはそのトカイもんをさっそく地元のワルガキ仲間に
(ひきあわせてくれたので、とにかくまいにちへとへとになるまで)
引き合わせてくれたので、とにかく毎日ヘトヘトになるまで
(ぼくらはいっしょにかけまわり、およぎまわり、なげまわり、にげまわった。)
僕らは一緒に駆け回り、泳ぎ回り、投げ回り、逃げ回った。
(しょうがくせいさいごのなつやすみなのだ。あたまがふっとぶくらいあそぶのは、)
小学生最後の夏休みなのだ。アタマが吹っ飛ぶくらい遊ぶのは、
(こどものぎむなのである。たかちゃんやらとしぼうやらたろちゃんなんかと)
子どもの義務なのである。タカちゃんやらトシボウやらタロちゃんなんかと
(なかよくなったぼくは、どいつもこいつもそろってあしがはやいこと、)
仲良くなった僕は、どいつもこいつも揃って足が速いこと、
(そしてまたならべてふらいぱんでやいたようにいろがくろいことにいたくかんしんした。)
そしてまた並べてフライパンで焼いたように色が黒いことにいたく感心した。
(なるほど、「とかいもん」とじぶんたちをくべつしたくなるのもわかるきがする。)
なるほど、「トカイもん」と自分たちを区別したくなるのも分かる気がする。
(ぼくのしゅういにいたこどもたちとはすこしちがっている。)
僕の周囲にいた子どもたちとは少し違っている。
(あさはやくからむしかごとあみをもってやまにはいったかとおもうと、)
朝早くから虫カゴと網を持って山に入ったかと思うと、
(ひぐらしがなきやむまでげかいにおりてこず、いざかえってきたときには)
ヒグラシが鳴きやむまで下界に下りてこず、いざ帰ってきた時には
(てづくりのおおきなむしかごがまんたんになっているのだけれど、)
手作りの大きな虫カゴが満タンになっているのだけれど、
(そのよるぞれぞれのおやにはやくいえにかえらなかったことについて)
その夜ぞれぞれの親に早く家に帰らなかったことについて
(こってりしぼられたあとだというのに、つぎのひにはまたさっそうとあさはやくから)
コッテリ絞られた後だというのに、次の日にはまた颯爽と朝早くから
(むしかごとあみとをもってやまにかけあがっていく、というぐあいだ。)
虫カゴと網とを持って山に駆け上って行く、という具合だ。
(そのなかでもしげちゃんはとびきりのやんちゃぼうずで、)
その中でもシゲちゃんはとびきりのやんちゃ坊主で、
(それになかなかのおやぶんはだだった。)
それになかなかの親分肌だった。
(いばりんぼでけんかっぱやかったけれど、こぶんのぴんちにはいちばんにかけつけて)
いばりんぼで喧嘩っ早かったけれど、子分のピンチには一番に駆けつけて
(「やいやい」とすごんだり、「にげろ」だとか「とにかくにげろ」)
「ヤイヤイ」と凄んだり、「にげろ」だとか「とにかくにげろ」
(だとかといったてきかくなしじをだしてぼくらをきゅうちからすくいだしてくれたりした。)
だとかといった的確な指示を出して僕らを窮地から救い出してくれたりした。
(せたけはぼくとおなじくらいだったけれど、ぎゅうぎゅうにしぼったぞうきんのような)
背丈は僕と同じくらいだったけれど、ギュウギュウに絞った雑巾のような
(きんにくがぜんしんにはりついていて、そのあしがぜんりょくでじめんをけったときには)
筋肉が全身に張り付いていて、その足が全力で地面を蹴った時には
(おおきなみずたまりをらくらくととびこし、あとからとんだぼくらのあしが)
大きな水溜りをらくらくと飛び越し、あとから跳んだ僕らの足が
(みずたまりのはしっこでどろみずをはねるのをふりかえりながらはなでわらったものだった。)
水溜りの端っこでドロ水を跳ねるのを振り返りながら鼻で笑ったものだった。
(ただそんなしげちゃんのおやぶんっぷりのなかにも、せいらいのいたずらずきが)
ただそんなシゲちゃんの親分っぷりの中にも、生来のイタズラ好きが
(くびをもたげてくるとぼくらはそのきばつさ、めいわくさにへいこうした。)
首をもたげてくると僕らはその奇抜さ、迷惑さに閉口した。
(やまでみつけたへんなきのこを「きのこのどくはひをとおせばだいじょうぶ」などといって)
山で見つけた変なキノコを「キノコの毒は火を通せば大丈夫」などと言って
(うっかりしんじたとしぼうにたべさせたときなど、はらをかかえてこんとうしたあげくに)
うっかり信じたトシボウに食べさせた時など、腹を抱えて昏倒したあげくに
(いしゃにかつぎこむさわぎになったあし、おとしあなづくりにかんしては)
医者に担ぎこむ騒ぎになったし、落とし穴づくりに関しては
(それはそれはおそろしい「あなのなかみ」をよういすることでしられていた。)
それはそれは恐ろしい「穴の中身」を用意することで知られていた。
(あるときはうらやまのたけやぶにぼくらをあつめ、なにをするのかとおもっていると)
ある時は裏山の竹ヤブに僕らを集め、なにをするのかと思っていると
(しげちゃんは「あ、ひとがおちそう」とがけのほうをゆびさしてさけんだ。)
シゲちゃんは「あ、人が落ちそう」と崖の方を指さして叫んだ。
(みると、たしかにだれかがたけやぶのはしっこからおちそうになってたけのこに)
見ると、確かに誰かが竹ヤブの端っこから落ちそうになって竹の子に
(けがはえたようなほそいたけにしがみついている。)
毛が生えたような細い竹にしがみついている。
(それはいまにもぽきりとおれそうにみえた。)
それは今にもポキリと折れそうに見えた。
(わあわあいいながらあわててかけよるとなんとそれはわらとぬのでできたにんぎょうで、)
わあわあ言いながら慌てて駆け寄るとなんとそれは藁と布で出来た人形で、
(しげちゃんにいっぱいくわされたぼくらは、おこったり、)
シゲちゃんに一杯食わされた僕らは、怒ったり、
(あんまりそのにんぎょうがよくできていたのでかんしんしたりしていたけれど、)
あんまりその人形がよくできていたので感心したりしていたけれど、
(まのわるいことにさんさいをとりにきていたきんじょのおばさんが)
間の悪いことに山菜を取りに来ていた近所のおばさんが
(そのしげちゃんの「ひとがおちそう」をみみにして、)
そのシゲちゃんの「人が落ちそう」を耳にして、
(とおくからぼくらいじょうにあわててにんぎょうにかけよってきたものだから)
遠くから僕ら以上に慌てて人形に駆け寄ってきたものだから
(とちゅうでたけのねっこにつまずいてすってんころりんところがり、)
途中で竹の根っこに躓いてスッテンコロリンと転がり、
(あやうくがけからおっこちるところだった。)
あやうく崖から落っこちるところだった。
(ぼくらはそのおばさんにしかられ、それぞれのいえでしかられ、)
僕らはそのおばさんに叱られ、それぞれの家でしかられ、
(とにかくさんざんしぼられたのであるが、しげちゃんはさらに)
とにかくさんざん絞られたのであるが、シゲちゃんはさらに
(にんぎょうのできがよすぎたせいでかかしのさくせいをじいちゃんにめいじられ、)
人形の出来が良すぎたせいでカカシの作成をじいちゃんに命じられ、
(いえのたんぼとはたけのかかしをぜんぶつくりなおさせられていた。)
家の田んぼと畑のカカシを全部作り直させられていた。