しろむし【第3話】
問題文
(ぼふっ!)
ぼふっ!
(しろむしは、なんだかとてもふさふさしたものにちゃくちしました。)
しろむしは、何だかとてもふさふさしたものに着地しました。
(しろむしのからだとおなじいろのまっしろなそれは)
しろむしの体と同じ色の真っ白なそれは
(まるでおうちのきんじょのくさむらがまるごとまっしろになったみたいです。)
まるでお家の近所の草むらが丸ごと真っ白になったみたいです。
(そういえばとてもおなかがすいていたので、ひとくちかじってみました。)
そういえばとてもお腹が空いていたので、一口かじってみました。
(あまりおいしくありません。)
あまりおいしくありません。
(「いてっ、せなかにいるのはだれじゃ」)
「いてっ、背中にいるのは誰じゃ」
(まっしろなそれはのそりとたちあがりました。)
真っ白なそれはのそりと立ち上がりました。
(とてもおおきな、しろいおおかみのおじいさんでした。)
とても大きな、白いオオカミのおじいさんでした。
(しろむしはゆうきをだしてこえをかけてみました。)
しろむしは勇気を出して声をかけてみました。
(「おおかみのおじいさん、こんにちは。)
「オオカミのおじいさん、こんにちは。
(ぼく、おかあさんとはぐれてしまったんです。おうちにつれてってくれませんか」)
ぼく、お母さんとはぐれてしまったんです。お家に連れてってくれませんか」
(「おお、なんとまっしろなあおむしなんじゃ。)
「おお、なんと真っ白なあおむしなんじゃ。
(そういえばよくあそびにくるちょうちょがまっしろなむすこのことをはなしていたのう。)
そういえばよく遊びに来るちょうちょが真っ白な息子のことを話していたのう。
(どれ、わしにまかせなさい」)
どれ、わしに任せなさい」
(「ほんとに?ありがとうおじいさん!」)
「ほんとに?ありがとうおじいさん!」
(おおかみのおじいさんはうーんとのびをすると、もりのほうこうへあるきだしました。)
オオカミのおじいさんはうーんと伸びをすると、森の方向へ歩き出しました。
(「おじいさんはおかあさんのことをしっているの?」)
「おじいさんはお母さんのことを知っているの?」
(「あぁしっているとも。きみのおかあさんがあおむしだったころからじゃな」)
「あぁ知っているとも。君のお母さんがあおむしだった頃からじゃな」
(「へぇ、すごいなあ」)
「へぇ、すごいなあ」
(おおかみのおじいさんはあるきながら、しろむしにいろいろなことをはなしてくれました。)
オオカミのおじいさんは歩きながら、しろむしに色々な事を話してくれました。
(このもりのことならなんでもしっている、すごいおじいさんでした。)
この森のことなら何でも知っている、すごいおじいさんでした。
(「おじいさん、さっきはちょっとかじっちゃってごめんね」)
「おじいさん、さっきはちょっとかじっちゃってごめんね」
(「ほっほっ、かまわんよ」)
「ほっほっ、かまわんよ」