刀 -2-

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7573 | 神 | 7.6 | 98.5% | 417.0 | 3204 | 46 | 59 | 2025/06/10 |
2 | Jyo | 5375 | B++ | 5.5 | 97.2% | 579.3 | 3205 | 91 | 59 | 2025/06/11 |
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問題文
(じむしょというのはばいとさきのこうしんじょのことだ。なまえをおがわちょうさじむしょという。)
事務所というのはバイト先の興信所のことだ。名前を小川調査事務所という。
(ししょうはときどきそこでいらいをうける。たいていはほかのこうしんじょを)
師匠は時どきそこで依頼を受ける。たいていは他の興信所を
(たらいまわしにされたあげくにやってくるきみょうないらいばかりだ。)
たらい回しにされたあげくにやって来る奇妙な依頼ばかりだ。
(そんなきみょうないらいがこんかいはなざしでやってきたらしい。)
そんな奇妙な依頼が今回は名指しでやって来たらしい。
(うわさをきいてのことだろう。)
噂を聞いてのことだろう。
(このごろはそんなごしめいによるいらいがおおいきがする。)
このごろはそんなご指名による依頼が多い気がする。
(それなりにけっかをだしているということか。)
それなりに結果を出しているということか。
(ぼくはそのてつだいをしている。みようみまねだがわりとおもしろいので)
僕はその手伝いをしている。見よう見まねだが割と面白いので
(ししょうからこえがかかるのをたのしみにするようになっていた。)
師匠から声が掛かるのを楽しみにするようになっていた。
(「まちあわせしてたいらいにん、かえっちゃったみたいだけどしょちょうが)
「待ち合わせしてた依頼人、帰っちゃったみたいだけど所長が
(はなしきいてくれたみたいだから、いまからじむしょいく」)
話聞いてくれたみたいだから、今から事務所行く」
(もちろんついていく。いんかんだいもかかっているから。)
もちろんついて行く。印鑑代もかかっているから。
(じむしょについてそうそう、しょちょうのおがわさんはししょうをしかった。)
事務所について早々、所長の小川さんは師匠を叱った。
(もちろんまちあわせをすっぽかしたことについてだ。)
もちろん待ち合わせをすっぽかしたことについてだ。
(こんなちいさなこうしんじょではいらいのいっけんいっけんがたいせつなしょうだんだから、)
こんな小さな興信所では依頼の一件一件が大切な商談だから、
(たとえどんなへんないらいでもわりきってたいせつにあつかわなくてはいけない。)
たとえどんな変な依頼でも割り切って大切に扱わなくてはいけない。
(すくなくともいらいにんのまえでは。)
少なくとも依頼人の前では。
(つねにそんなこころがけをしてほしい・・・・・うんぬんと。)
常にそんな心がけをして欲しい・・・・・云々と。
(おがわさんはひょうひょうとしているようであきらめるところはあきらめている。)
小川さんは飄々としているようで諦めるところは諦めている。
(ししょうはしゅんとなってきいてたが、てきとうなところでせっきょうもきりあげられ、)
師匠はしゅんとなって聞いてたが、適当なところで説教も切り上げられ、
(はなしはいらいないようにうつった。)
話は依頼内容にうつった。
(「と、いうもののこいつはどうかな。きたいにそえるかどうかあやしいかんじがする」)
「と、言うもののこいつはどうかな。期待に沿えるかどうか怪しい感じがする」
(おがわさんはくだけたちょうしでてをひろげてみせた。)
小川さんは砕けた調子で手を広げて見せた。
(いらいにんはなまえのくらもちというそうだ。だんせいで、ななじゅうねんはいのろうじん。)
依頼人は名前の倉持というそうだ。男性で、七十年配の老人。
(とうけんのしゅうしゅうがしゅみだという。いらいはそのとうけんについてだった。)
刀剣の蒐集が趣味だという。依頼はその刀剣についてだった。
(「かね、もってそうななまえ」とししょうがぼそりとつぶやいた。)
「金、持ってそうな名前」と師匠がぼそりと呟いた。
(くらもちしはせんじつ、あるにほんとうにかんするべんきょうかいにさんかした。)
倉持氏は先日、ある日本刀に関する勉強会に参加した。
(べんきょうかいとはいってもとうけんけんきゅうかというかたがきをもつせんせいのこうぎのあと、)
勉強会とは言っても刀剣研究家という肩書を持つ先生の講義のあと、
(それぞれもちよったじまんのいっぴんをみせびらかして)
それぞれ持ち寄った自慢の一品を見せびらかして
(ぜんいんでああでもないこうでもないと、)
全員でああでもないこうでもないと、
(とりとめもないざつだんにしゅうしするあつまりなのだそうだ。)
とりとめもない雑談に終始する集まりなのだそうだ。
(そのなかによくこうしてあつまりでかおをあわせるどうねんぱいのおとこがいて、)
その中によくこうして集まりで顔を合わせる同年輩の男がいて、
(いつになくいやみたらしいひょうじょうをしているとおもっていると、)
いつになく嫌味たらしい表情をしていると思っていると、
(だいじそうにひとふりのかたなをとりだしてこうじょうをはじめた。)
大事そうに一振りの刀を取り出して口上を始めた。
(ものはしんしんとう、あいづのめいこう、みよしながみち。)
ものは新々刀、会津の名工、三善長道。
(けいおうのころというので、おそらくはちだいめ。)
慶應のころというので、おそらく八代目。
(はちょうはにしゃくしちすんごぶ。ばくまつらしいちょうとうで、ひじょうにみばえのするすがた。)
刃長は二尺七寸五分。幕末らしい長刀で、非常に見栄えのする姿。
(こいためのじはだに、はもんはにおいできのおおぐのめみだれ。)
小板目の地肌に、刃紋は匂い出来の大互の目乱れ。
(ややとぎべりはあるものの、もとかさねはさんぶもあり、はくりょくにみちたひとふり。)
やや研ぎ減りはあるものの、元重ねは三分もあり、迫力に満ちた一振り。
(などとじつにじまんげだ。)
などと実に自慢げだ。
(みよしながみちといえばしょだいはあいづこてつとしょうされるさいじょうおおわざもののめいこう。)
三善長道といえば初代は会津虎徹と称される最上大業物の名工。
(すじょうのよいものはおいそれとてがだせないたかねがつく。)
素性の良いものはおいそれと手が出せない高値がつく。
(けれどじだいがさがり、だいがかさなれば「さほど」ではなくなる。)
けれど時代が下り、代が重なれば「さほど」ではなくなる。
(とうしんやこしらえなどをひっくるめてそうごうてきにみると、)
刀身や拵えなどをひっくるめて総合的に見ると、
(よいものだとはおもうがそれほどじまんしたくなるものだろうかというぎもんがわく。)
良い物だとは思うがそれほど自慢したくなる物だろうかという疑問が湧く。
(いぜんみせびらかしていたかわちのかみくにすけのほうがよほどよいしなだ。)
以前見せびらかしていた河内守国助の方がよほど良い品だ。
(そうおもっているとながじをもってきたそのおとこはこういった。)
そう思っていると長道を持ってきたその男はこう言った。
(「ところがこのはくりょく、やしゅ、いったいみばえだけからくるものだろうか」)
「ところがこの迫力、野趣、いったい見栄えだけからくるものだろうか」
(なにがいいたいのだろうと、しゅういがちゅうもくする。)
なにが言いたいのだろうと、周囲が注目する。
(するとおとこはこのかたなのしゅつじにかんするはなしをしはじめた。)
すると男はこの刀の出自に関する話をし始めた。
(ながながとはなしたが、ようやくするにこのみよしながみちはばくまつきにおおずはんのさる)
長々と話したが、要約するにこの三善長道は幕末期に大洲藩のさる
(かろうのかちゅうにあり、そのころきんのうでかためられたはんぷうのなか)
家老の家中にあり、そのころ勤皇で固められた藩風のなか
(そのかろうのみうちに、ちょうしゅうのおこしたきんもんのへんにこおうして)
その家老の身内に、長州の起こした禁門の変に呼応して
(しへいによりきょへいをしようとしたものがあった。)
私兵により挙兵をしようとした者があった。
(はちがつじゅうはちにちのせいへんごのきわどいせいじじょうせいのさなかゆるされないぐきょであったため、)
八月十八日の政変後の際どい政治情勢のさなか許されない愚挙であったため、
(かろうはこれをつよくいさめたがきくみみもたれず、なくなくひそかにきりすてて)
家老はこれを強く諌めたが聞く耳持たれず、泣く泣く密かに切り捨てて
(おいえのあんたいをはかったという。そのみうちのわかきはんしをきったかたなが)
御家の安泰を図ったという。その身内の若き藩士を斬った刀が
(ここにあるみよしながみちである、とつげられてべんきょうかいのめんめんはほおと)
ここにある三善長道である、と告げられて勉強会の面々はほおと
(かんたんのこえをあげた。)
感嘆の声を上げた。