洒落怖《山の現場》後編

※このタイピングは、ランキング登録を受け付けていません。
関連タイピング
-
Mrs.GREEN APPLEの青と夏です!
プレイ回数10万歌詞1030打 -
めっちゃいい曲....
プレイ回数9163歌詞かな200打 -
「ん」を連打しまくるんじゃああああああああああああ!!!
プレイ回数8292連打443打 -
みんなの速さは何かな
プレイ回数107長文201打 -
モエチャッカファイヤ
プレイ回数353歌詞890打 -
Mrs.GREEN APPLEのロマンチシズムです!
プレイ回数2661歌詞1200打 -
記号なし、句読点ありの文章タイピング練習です。
プレイ回数2.6万長文かな3355打 -
Mrs.GREEN APPLEの天国です!
プレイ回数3136歌詞かな1175打
問題文
(「あぁ!」)
「あぁ!」
(みなのさけびごえがこだまする。)
皆の叫び声がこだまする。
(いっせいにがけのしたにみながむかうが、そんなにふかいたにでもなくすぐにばしょはわかったが)
一斉に崖の下に皆が向かうが、そんなに深い谷でもなくすぐに場所はわかったが
(そこに3にんのすがたはおろか、おちたけいせきすらなかった。)
そこに3人の姿はおろか、落ちた形跡すらなかった。
(ふかいゆきにうずもれたか。)
深い雪に埋もれたか。
(そうおもいみなでらっかげんばをさがしたが、やはりおちたようなけいせきはない。)
そう思い皆で落下現場を探したが、やはり落ちたような形跡はない。
(それでもおやじのしじでゆきをかきわけて3にんのそうさくをつづけると、)
それでも親父の指示で雪をかき分けて3人の捜索を続けると、
(ゆきのしたからさいごにきえたひとりがみつかった、とうぜんとうししていた。)
雪の下から最後に消えた一人が見つかった、当然凍死していた。
(そこからすうめーとるさきで2にんめ、)
そこから数メートル先で2人目、
(そしてらっかげんばのはんたいがわでさいしょのまるまるさんがはっけんされた。)
そして落下現場の反対側で最初の〇〇さんが発見された。
(そのかおをみてぜんいんがこおりついた。)
その顔を見て全員が凍り付いた。
(くちもとをあげてにいっとわらっていたのだ。)
口元を上げてニイッと笑っていたのだ。
(3にんのなきがらをやどにつれかえり、じもとまでとらっくではこんだ。)
3人の亡骸を宿に連れ帰り、地元までトラックで運んだ。
(けいさつはけんしもそこそこにさぎょうちゅうにがけからてんらくして)
警察は検死もそこそこに作業中に崖から転落して
(そのままとうししたものとだんていした。)
そのまま凍死したものと断定した。
(いくらそのじょうきょうのふかかいさをけいさつにうったえてもとりあってさえもらえなかった。)
いくらその状況の不可解さを警察に訴えても取り合ってさえもらえなかった。
(おやじはのこりのさぎょうがあったので、みうちのいなかったひとりのそうぎのてはいをし、)
親父は残りの作業があったので、身内のいなかった一人の葬儀の手配をし、
(2にんのかぞくにあいさつをして、うけおいもとにほうこくをしてげんばにもどった。)
2人の家族に挨拶をして、請け負い元に報告をして現場に戻った。
(そうさくをてつだってくれたせいねんだんにさけをふるまい、)
捜索を手伝ってくれた青年団に酒を振る舞い、
(ろうをねぎらい、ぜんいんにすこしやすみをあたえた。)
労をねぎらい、全員に少し休みを与えた。
(そのさけのせきでたえなことをきいたという。)
その酒の席で妙なことを聞いたという。
(げんばでみたことさえぜんいんがくちにしたくないほどきかいでおそろしかったのに、)
現場で見たことさえ全員が口にしたくないほど奇怪で恐ろしかったのに、
(まだふかかいなことがつづいてでてきた。)
まだ不可解なことが続いて出てきた。
(まず、しんだ3にんはみなおなじばしょでさぎょうしていた。)
まず、死んだ3人は皆同じ場所で作業していた。
(これはおやじもしっていた。)
これは親父も知っていた。
(それがあのがけのしたのぶぶんをほるさぎょうだったのだが、)
それがあの崖の下の部分を掘る作業だったのだが、
(ふくすうではなく、ばしょがちいさかったのでひとりでさぎょうしていたのだ。)
複数ではなく、場所が小さかったので一人で作業していたのだ。
(よくかんがえると、そのさぎょうがはじまってからすぐにまるまるさんはいなくなった。)
よく考えると、その作業が始まってからすぐに〇〇さんはいなくなった。
(それにもっとふしぎなのは、3にんがらっかするときに、)
それにもっと不思議なのは、3人が落下するときに、
(せんとうにもうひとりしろいきものをきて、しろいほおかぶりをしたようなみたことないにんげんが、)
先頭にもう一人白い着物を着て、白い頬被りをしたような見たことない人間が、
(3にんをがけにさそうようにいたのをなんにんもがみていたという。)
3人を崖に誘うようにいたのを何人もが見ていたという。
(なかまをなくしたかなしさと、ふかかいなげんしょうによるきょうふでみなはふかざけをしてねむった。)
仲間を亡くした悲しさと、不可解な現象による恐怖で皆は深酒をして眠った。
(そのよる、あれほどはれていたのにふぶきでかぜがまどをたたくおとがしてきて、)
その夜、あれほど晴れていたのに吹雪で風が窓を叩く音がしてきて、
(さけびごえのようなかぜのおとがやどをおおった。)
叫び声のような風の音が宿を覆った。
(すうにんがおきてぼんやりまどをみていたという。)
数人が起きてぼんやり窓を見ていたという。
(おやじもなにかねつけずにそとをみていると、「うわぁ!」とさけびこえがした。)
親父も何か寝付けずに外を見ていると、「うわぁ!」と叫び声がした。
(やまにむいたおおきめのまどのむこう、)
山に向いた大きめの窓の向こう、
(しろいきものにほおかぶりのものをせんとうに3にんがあるいていく。)
白い着物に頬被りの者を先頭に3人が歩いていく。
(こおりつくようにおやじはそれをみていた。)
凍り付くように親父はそれを見ていた。
(3にんは、おやじにむかってあたまをさげるとまたあるきだした。)
3人は、親父に向かって頭を下げるとまた歩き出した。
(おやじはまどをひらけてこえをかけようとしたそのとき、せんとうをあるくきものをきたもののかおが)
親父は窓を開けて声をかけようとしたその時、先頭を歩く着物を着た者の顔が
(きゅうにぐっとちかづきおおきくなって、おやじにむかってまたにいっとわらった。)
急にぐっと近づき大きくなって、親父に向かってまたニイッと笑った。
(そこでおやじはきをうしなったという。)
そこで親父は気を失ったという。
(おやじはよってたせいでそういうこともあったしゆめをみたのだというけど。)
親父は酔ってたせいでそういうこともあったし夢を見たのだと言うけど。
(ゆきのころもすぎさり、おやじたちはすこしのびたこうきではあったが、)
雪の頃も過ぎ去り、親父たちは少し伸びた工期ではあったが、
(それいこうぶじにさぎょうをおえ、げんばをひきはらいいえじについた。)
それ以降無事に作業を終え、現場を引き払い家路についた。
(それからすうかげつして、そのげんばのかんせいのさいに、)
それから数か月して、その現場の完成の際に、
(おやじはよばれてひさびさにげんばにたった。)
親父は呼ばれて久々に現場に立った。
(きかいなおもいでもうすれていたころ、)
奇怪な思い出も薄れていた頃、
(あのときのせいねんだんのひとりがおやじをみつけてこえをかけた。)
あの時の青年団の一人が親父を見つけて声をかけた。
(とにかくこいというので、)
とにかく来いというので、
(やまみちをすこしあるいてたどりついたのはれいのがけのうえだった。)
山道を少し歩いてたどり着いたのは例の崖の上だった。
(「これ」とゆびさされたところをみると、そこにはふるびたはかいしのようなものが)
「これ」と指差された所を見ると、そこには古びた墓石のようなものが
(しかも3きならんでたっていた。)
しかも3基並んで立っていた。
(なんでもそこはむかし、このちかくのはいそんのぼちがあって、)
何でもそこは昔、この近くの廃村の墓地があって、
(すうねんまえにどうろこうじのために、ぼちごとがけをきりくずしたのだという。)
数年前に道路工事の為に、墓地ごと崖を切り崩したのだという。
(ゆきのなくなったがいかには、いみふめいのぶんじをかいたあかいおふだが)
雪のなくなった崖下には、意味不明の文字を書いた赤い御札が
(いちめんにはられた、ふるいほこらのようなものがのこっていた。)
一面に貼られた、古い祠のようなものが残っていた。
(それはむかし、このうえのぼちにあったものだが、)
それは昔、この上の墓地にあったものだが、
(きりくずしたさいにがいかにおちた。)
切り崩した際に崖下に落ちた。
(きりくずしさぎょうをおやじたちのまえにうけおっていたかいしゃのものが、)
切り崩し作業を親父たちの前に請け負っていた会社の者が、
(つぎつぎとじこなどでいなくなったせいで、)
次々と事故などでいなくなったせいで、
(そのあきにおやじたちがそのげんばにまわされたのだ、とつげられた。)
その秋に親父たちがその現場に回されたのだ、と告げられた。
(おやじはそのげんばをさいごにほどなくがいしゃをたたんで、べつのかいしゃにつとめた。)
親父はその現場を最後に程なく会社をたたんで、別の会社に勤めた。
(そのあとも、なくなったひとたちのいえやそうぎでいろいろあったようだが、)
その後も、亡くなった人達の家や葬儀で色々あったようだが、
(このさきはおやじもかなりよってからしかはなさないのでしんぎのほどはわからない。)
この先は親父もかなり酔ってからしか話さないので真偽の程はわからない。
(ただ、じっちょくだけがとりえのようなおやじが、このはなしをするとかなしそうにこういう。)
ただ、実直だけが取り柄のような親父が、この話をすると悲しそうにこう言う。
(「あのげんばはこうじがぶじにおわったのは、)
「あの現場は工事が無事に終わったのは、
(3にんがみがわりになってくれたさかいなんや」)
3人が身代わりになってくれたさかいなんや」
(ほかにもなかまをなくすようなけいけんがなんどかあったそうだが、)
他にも仲間を亡くすような経験が何度かあったそうだが、
(そのすべてがやまにかんするげんばだったらしい。)
その全てが山に関する現場だったらしい。
(いまから40ねんいじょうまえのはなし。)
今から40年以上前の話。
(なんどかさけをのんだときにきかされたはなしをまとめると、こういうことらしい。)
何度か酒を飲んだ時に聞かされた話をまとめると、こういうことらしい。
(おもいちがいや、きおくのこんどうがあるのかもしれないけど、)
思い違いや、記憶の混同があるのかもしれないけど、
(いちおうにこのはなしだけはおなじことをいうので、)
一応にこの話だけは同じことをいうので、
(まんざらおもいすごしやきおくちがいでもないようにおもう。)
まんざら思い過ごしや記憶違いでもないように思う。
(ほそく)
補足
(あかいふだをはったほこらだけど、おやじたちのまえにさぎょうしていたかいしゃのしゃちょうが、)
赤い札を貼った祠だけど、親父たちの前に作業していた会社の社長が、
(こうねつをだしていながらびょういんをぬけだしてまでまっすぐにたてなおして、)
高熱を出していながら病院を抜け出してまで真っ直ぐに立て直して、
(くるったようにおきょうをとなえながらあかいごふだをはったものらしいです。)
狂ったようにお経を唱えながら赤い御札を貼ったものらしいです。