家なき子 16

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数0難易度(4.4) 2539打 長文
作者 エクトール・マロ

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問題文

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(ぼくたちは、ごみごみしたきたないぱりのまちをどこまでもあるいていきました。) 僕たちは、ごみごみした汚いパリの町をどこまでも歩いて行きました。 (やがて、おじいさんはいっけんのいえのまえであしをとめると、) やがて、お爺さんは一軒の家の前で足を止めると、 (まっくらなかいだんのところでかべそうじをしているおとこに) 真っ暗な階段のところで壁掃除をしている男に (「がろふぉりはいるかね?」とたずねました。) 「ガロフォリはいるかね?」と尋ねました。 (「しらないね。おまえさんがいってみればいい。このかいだんのつきあたりだから」) 「知らないね。お前さんが行ってみればいい。この階段の突き当りだから」 (とおとこのひとはいいました。) と男の人は言いました。 (ぼくたちは、かいだんをのぼってへやのとをあけました。よごれたものおきのようなへやです。) 僕たちは、階段を登って部屋の戸を開けました。汚れた物置のような部屋です。 (「がろふぉり、いないかね?」おじいさんがよぶと) 「ガロフォリ、いないかね?」お爺さんが呼ぶと (「おやかたはにじかんもしなくちゃ、かえってこないよ」じっさいくらいのおとこのこが) 「親方は二時間もしなくちゃ、帰ってこないよ」十歳くらいの男の子が (でてきていいました。おとこのこはひどくやせていて、あおじろいかおをしていましたが) 出てきて言いました。男の子はひどく痩せていて、青白い顔をしていましたが
(めはやさしそうでした。) 目は優しそうでした。 (「にじかんたったら、ほんとうにかえってくるかい?」) 「二時間たったら、本当に帰ってくるかい?」 (「ええ、かならず。だって、にじかんたてばゆうごはんで、そのときはおやかたがぼくたちに) 「ええ、必ず。だって、二時間たてば夕ご飯で、その時は親方が僕たちに (たべものをわけてくれることになっているんです」) 食べ物を分けてくれることになっているんです」 (「それなら、にじかんしたらまたこよう。おまえはつかれたろうから、) 「それなら、二時間したらまた来よう。お前は疲れたろうから、 (ここでやすんでいなさい」おじいさんはぼくにそういうと、) ここで休んでいなさい」お爺さんは僕にそう言うと、 (ぼくをへやにのこして、そとにでかけてしまいました。) 僕を部屋に残して、外に出かけてしまいました。 (ぼくはこころぼそくてたまりませんでした。) 僕は心細くてたまりませんでした。 (すると、おとこのこがぼくにはなしかけてきました。) すると、男の子が僕に話しかけてきました。 (「ぼくのなまえは、まちあ。きみはいたりあからきたの?」) 「僕の名前は、マチア。君はイタリアから来たの?」
など
(ぼくが、ふらんすのしゃばのんからきたのだというと) 僕が、フランスのシャバノンから来たのだと言うと (「じゃ、ふらんすじんだね。それはよかった」といいました。) 「じゃ、フランス人だね。それはよかった」と言いました。 (「どうして、ふらんすじんならいいの?」) 「どうして、フランス人ならいいの?」 (「だってうちのおやかた、いたりあじんのこどもばかりあつめて、はたらかせているんだ。) 「だってうちの親方、イタリア人の子供ばかり集めて、働かせているんだ。 (きみがいたりあじんなら、ここにはたらきにきたんだろうから、) 君がイタリア人なら、ここに働きに来たんだろうから、 (いいなんていえないもの」「おやかたってこわいひとなの?」) いいなんて言えないもの」「親方って怖い人なの?」 (すると、まちあはなにかいいたそうにぼくをみつめましたが) すると、マチアは何か言いたそうに僕を見つめましたが (だまってだんろのほうにいきました。だんろのひのうえでは、) 黙って暖炉の方に行きました。暖炉の火の上では、 (おおきななべが、ぐつぐつにえています。) 大きな鍋が、ぐつぐつ煮えています。 (さむいのでぼくもだんろのそばへいくと、なべのふたにはかぎがかかっていて) 寒いので僕も暖炉のそばへ行くと、鍋の蓋には鍵がかかっていて (あけられないようになっていました。) 開けられないようになっていました。 (「どうして、このなべにはかぎがついているの?」) 「どうして、この鍋には鍵がついているの?」 (「ぼくがこっそりすーぷをのまないようにさ」ぼくがそれをきいて) 「僕がこっそりスープを飲まないようにさ」僕がそれを聞いて (おもわずわらいだすと、まちあはいいました。) 思わず笑いだすと、マチアは言いました。 (「きみは、ぼくをくいしんぼうだとおもっているんだろう。そうじゃないんだ。) 「君は、僕を食いしん坊だと思っているんだろう。そうじゃないんだ。 (きみがぼくだとしても、やっぱりそうされるよ。それに、おやかたはおなかをすかせた) 君が僕だとしても、やっぱりそうされるよ。それに、親方はおなかをすかせた (ぼくをいじめるために、なべのふたにくだをつけて、おいしそうなにおいだけ) 僕をいじめるために、鍋の蓋に管をつけて、おいしそうな匂いだけ (かがせておくんだ」「ひどいことをするなあ」ぼくがあきれていうと) 嗅がせておくんだ」「ひどいことをするなあ」僕があきれて言うと (まちあはいいました。「おやかたはね、ぼくみたいなこをじゅうににん、いたりあから) マチアは言いました。「親方はね、僕みたいな子を十二人、イタリアから (つれて、ぱりにやってきたんだ。そして、ちからのあるこはえんとつそうじをやらせ) 連れて、パリにやってきたんだ。そして、力のある子は煙突掃除をやらせ (ちからがなくってかわいらしいこは、がっきをひいて) 力がなくって可愛らしい子は、楽器を弾いて (とおるひとからおかねをもらうしごとをやらせるんだ。) 通る人からお金をもらう仕事をやらせるんだ。 (でもね、ぼくはちからもないしかわいらしくもないだろう。) でもね、僕は力もないし可愛らしくもないだろう。 (だから、ぼくにはしろいはつかねずみのきょくげいをみせて、) だから、僕には白いハツカネズミの曲芸を見せて、 (いちにち、さんじゅっすうもうけてこいっていいつけたんだ。) 一日、三十スウ儲けてこいって言いつけたんだ。 (ところが、なかなかさんじゅっすうなんてかせげやしない。) ところが、なかなか三十スウなんて稼げやしない。 (そのたんびに、おやかたはぼくをむちでなぐりつけた。) そのたんびに、親方は僕を鞭で殴りつけた。 (でも、いつになってもさんじゅっすうかせげないとわかると、) でも、いつになっても三十スウ稼げないとわかると、 (たりないぶんだけ、じゃがいものかずをへらしてやるといって) 足りない分だけ、ジャガイモの数を減らしてやると言って (ぼくのかせぎが、さんじゅっすうにごすうたりなければ、じゃがいもをいつつへらし) 僕の稼ぎが、三十スウに五スウ足りなければ、ジャガイモを五つ減らし (じゅっすうたりなければ、じゅうへらすようにしたんだ。) 十スウ足りなければ、十減らすようにしたんだ。
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