潮風

(あさのおぼろげとしたせいじゃくぺんのえにうつるまどごしのしののめ)

朝のおぼろげとした静寂　ペンの柄に映る窓越しの東雲

(よるのいろあざやかなけんそうねこのようにまちとまちをおうらい)

夜の色鮮やかな喧騒　　猫のように街と街を往来

(かたいしねんやわいしこうちかいおもいとおいきおくかみのけのくせ)

硬い思念　柔い思考　近い想い　遠い記憶　髪の毛の癖

(せまいしやひろいこうゆうながいちんもくみじかいあいさつこえのとーん)

狭い視野　広い交遊　長い沈黙　短い挨拶　声のトーン

(たがいにちがうめのおくのひかりじょうやくにないゆうこうのあと)

互いに違う目の奥の光　条約にない友好の跡

(えいきゅうのすなをさらうひろいうみで)

永久の砂を攫う広い海で

(たいぎやるいぎのまばらななみにのまれてはしずんで)

大義や類義の疎らな波に呑まれては沈んで

(しょうめんしょうとつせいはんたいもほどいてはむすんで)

正面衝突　正反対も解いては結んで

(ろんきゅうろんけついくせいそうにちらばることばをあつめてひろうよ)

論及　論決　幾星霜に散らばる言葉を集めて拾うよ

(しおかぜかおりゆくはまべにうかべたつながりはひとつに)

潮風薫りゆく　浜辺に浮かべた繋がりは一つに

(なつのえきにくらんだでんこうわいしゃつのえりにしたたるつとめあせ)

夏の駅に眩んだ電光　ワイシャツの襟に滴る勤め汗

(ふゆのあめにくすんだどうけいうすめたえのぐでせんをえがいた)

冬の雨にくすんだ憧憬　薄めた絵の具で線を描いた

(げんじつくうそうゆうしゅうれっとうさんせいはんたいじっせんりろん)

現実／空想　優秀／劣等　賛成／反対　実践／理論

(こくひょうぜっさんおうようげんりかいほうへいさいがいいないみらいかこ)

酷評／絶賛　応用／原理　解放／閉鎖　以外／以内　未来／過去

(らがんでなぞったふだんのけしきかたてですくうげんだいのようと)

裸眼でなぞった普段の景色　片手で掬う現代の用途

(あてどなくかさばるこうしんのおとで)

当て所なく嵩張る更新の音で

(たいぎやるいぎのまばらななみにのまれてはしずんで)

大義や類義の疎らな波に呑まれては沈んで

(しょうねんしょうじょのせいしゅんたんもつむいではけずって)

少年少女の青春譚も紡いでは削って

(こんぽんこんていみすえたけしきはおなじいろしてるたびだといのるよ)

根本　根底　見据えた景色は同じ色してる旅だと祈るよ

(しおかぜかおりたつうしおにゆだねるおもいはふたりで)

潮風香り立つ　潮にゆだねる想いは二人で

(たいぎやるいぎのまばらななみにのまれてはしずんで)

大義や類義の疎らな波に呑まれては沈んで

(しょうめんしょうとつせいはんたいもほどいてはむすんで)

正面衝突　正反対も解いては結んで

(ろんきゅうろんけついくせいそうにちらばることばをあつめてひろうよ)

論及　論決　幾星霜に散らばる言葉を集めて拾うよ

(しおかぜかおりゆくはまべにうかべたつながりはひとつに)

潮風薫りゆく　浜辺に浮かべた繋がりは一つに