孤独と人生（3）

(ごくへいぼんなちりょくしかないため、せいしんてきよっきゅうをもたないひとをぺりしてじんという)

ごく平凡な知力しかないため、精神的欲求をもたない人をペリシテ人と言う

(ぺりしてじんにとってたのしみとはかんかくてきたのしみだけである)

ペリシテ人にとって楽しみとは感覚的楽しみだけである

(そのためほんとうはむかちなものである、いわゆるげんじつにおおまじめにとりくんでいる)

そのため本当は無価値なものである、いわゆる現実に大まじめに取り組んでいる

(せいしんてきよっきゅうがないため、どんじゅうかつむみかんそうなまじめさをとくちょうとし)

精神的欲求がないため、鈍重かつ無味乾燥なまじめさを特徴とし

(にくたいのここちよさにやくだつものすべてをとりそろえることをせいかつもくてきとする)

肉体の心地よさに役立つもの全てをとりそろえることを生活目的とする

(りそうはかれらになんのたのしみもほしょうせず、そのためつねにげんじつをひつようとする)

理想は彼らに何の楽しみも保証せず、そのため常に現実を必要とする

(ところがげんじつはじきにたねがつき、かんかくてきたのしみはきえさり、たいくつがやってくる)

ところが現実はじきに種がつき、感覚的楽しみは消えさり、退屈がやってくる

(そうしてとみ、えいきょうりょく、けんりょくなどのてんでたにんをしのぎうやまわれることをたのしみとする)

そうして富、影響力、権力などの点で他人をしのぎ敬われることを楽しみとする

(ぺりしてじんがせいしんてきのうりょくをもつひとをもとめることはすくない)

ペリシテ人が精神的能力を持つ人を求めることは少ない

(せいしんてきよっきゅうをもたないため、にくたいてきよっきゅうをじゅうそくさせているひとをもとめる)

精神的欲求を持たないため、肉体的欲求を充足させている人を求める

(たくえつしたせいしんてきのうりょくのもちぬしにそうぐうするとむしろしっとやれっとうかんからはんかんをいだく)

卓越した精神的能力の持ち主に遭遇するとむしろ嫉妬や劣等感から反感を抱く

(ぺりしてじんのひょうかきじゅんは、とみ、けんりょく、えいきょうりょくといったものだけにげんていされている)

ペリシテ人の評価基準は、富、権力、影響力といったものだけに限定されている

(せいしんてきとくせいをきじゅんに、そんけいしたりひょうかしたりするのはおもいもよらないことである)

精神的特性を基準に、尊敬したり評価したりするのは思いもよらないことである