サガン

(しぬまでわたしはかきます、ほんがうれなかったとしてもかいていたでしょう)

死ぬまでわたしは書きます、本が売れなかったとしても書いていたでしょう

(かきはじめるときはまずいっきょにおもうままにかきます。ぶんしょうはあとでねるのです)

書き始めるときはまず一挙に思うままに書きます。文章はあとで練るのです

(そのおもいつきはかんがえていたものとはまったくずれているのですがただしいのです)

その思いつきは考えていたものとはまったくずれているのですが正しいのです

(かくことはものがたりとどうじにじぶんをかたるというにじゅうのよろこびをもつものです)

書く事は物語と同時に自分を語るという二重の喜びをもつものです

(じぶんのかきたいようにかけないときはくつじょくてきでもあります。)

自分の書きたいように書けないときは屈辱的でもあります。

(じぶんをはじにおもい、かいているものもはじにおもい、ろくなにんげんじゃないとおもうわけです)

自分を恥に思い、書いている物も恥に思い、ろくな人間じゃないと思うわけです

(じしんをなくすことのないにんげんっているかしら。わたしはじしんをもつときがありません。)

自信をなくすことのない人間っているかしら。私は自信を持つ時がありません。

(さっかというのはきのくるったうそつき、じぶんのそうぞうのひがいしゃ、くうわしょうかんじゃ、きょうじんです)

作家というのは気の狂った嘘つき、自分の想像の被害者、空話症患者、狂人です

(はっぴーえんどでおわるいだいなしょうせつはありません。)

ハッピーエンドで終わる偉大な小説はありません。

(ひとのこどくと、そこからどうしていひとはにげだすかということがいちばんだいじなことです)

人の孤独と、そこからどうして人は逃げ出すかということが一番大事なことです

(じがはふへんで、ひかくてきこりつしていてどうじに、ひとにつたえることができない。)

自我は不変で、比較的孤立していて同時に、人に伝えることができない。

(にんげんはひとりでうまれ、ひとりでしぬというわけです。)

人間は一人で生まれ、一人で死ぬというわけです。

(ゆーもあをもつためのだいいちだんかいはじぶんじしんをあざわらうことだとおもいます。)

ユーモアを持つための第一段階は自分自身を嘲笑うことだと思います。

(にんげんはだれでもすばらしいなにかをもっています。)

人間は誰でも素晴らしい何かを持っています。

(かんようでないひと、しんじつをにぎっているようなかおをしているひと、ばかなひととはたいくつします)

寛容でない人、真実を握っている様な顔をしている人、ばかな人とは退屈します

(てれびはがまんできないほどきらい。それに、けち、ねたみ、かんようのなさがだいきらい。)

テレビは我慢できないほど嫌い。それに、ケチ、妬み、寛容のなさが大嫌い。

(にんげんはみな、おなじなやみ、おなじもんだい、せいやしにたいしておなじきょうふをもっているのです。)

人間は皆、同じ悩み、同じ問題、生や死に対して同じ恐怖を持っているのです。

(なにもしないでただじかんがすぎるのをまっているのがすきです。これがじゆうです。)

何もしないでただ時間が過ぎるのを待っているのが好きです。これが自由です。

(かんじんなのはじかんというものをさいげんなくくりかえされるおくりものとしてうけとることです)

肝心なのは時間というものを際限なく繰り返される贈り物として受け取る事です

(たいくつしているひとはじんせいをどういきていいかさとらなかったひとなのです。)

退屈している人は人生をどう生きていいか悟らなかった人なのです。