孤独と人生(2)

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プレイ回数3651難易度(4.2) 2018打 長文 かな
自身にそなわっているものこそ幸福にとってもっとも本質的である。
ショーペンハウアー「孤独と人生」からの抜粋(02)。

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問題文

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(もくてきのないあそびをかんさつするとみっつのせいりがくてきなこんげんりょくにちゃくもくすることができる)

目的のない遊びを観察すると三つの生理学的な根源力に着目することができる

(だいいちに、しょくじ、しょうか、きゅうそく、すいみんのなかにうかがわれるさいせいりょくのたのしみ)

第一に、食事、消化、休息、睡眠の中にうかがわれる再生力の楽しみ

(だいにに、ほうろう、かくとう、ぶよう、すぽーつ、せんそうなどにそんざいするしげきをうけるたのしみ)

第二に、放浪、格闘、舞踊、スポーツ、戦争などに存在する刺激をうける楽しみ

(だいさんに、しこう、しさく、おんがくえんそう、はつめい、てつがくなどのなかにあるかんじゅせいのたのしみ)

第三に、思考、詩作、音楽演奏、発明、哲学などのなかにある感受性の楽しみ

(かんじゅせいいがいのふたつはにんげんいがいのどうぶつにもそなわっている。)

感受性以外の二つは人間以外の動物にも備わっている。

(かんじゅせいがたくえつしてすぐれていればいるほど、せいしんのたのしみはますますおおきくなる。)

感受性が卓越して優れていればいるほど、精神の楽しみはますます大きくなる。

(せいしんてきなかつどうにかけたかんかはしであり、いきながらはかにうめられることである。)

精神的な活動に欠けた閑暇は死であり、生きながら墓に埋められることである。

(せいしんりょくゆたかなひとは、ほかのひとにはこばまれているたのしみにめぐまれる。)

精神力豊かな人は、他の人には拒まれている楽しみに恵まれる。

(たとえばしぜんのうつくしさ、げいじゅつのうつくしさ、あらゆるしゅるいのせいしんのしょさんがこれにあたる)

例えば自然の美しさ、芸術の美しさ、あらゆる種類の精神の所産がこれに当たる

(じつようてきなおのれのこうふくだけをしゅがんとするせいかつはじかんがかかってもふかみをまさない。)

実用的な己の幸福だけを主眼とする生活は時間がかかっても深みを増さない。

(そのうちいきるしゅだんのはずのものがほんらいのもくてきとしてはばをきかせるようになる。)

そのうち生きる手段のはずのものが本来の目的としてはばをきかせる様になる。

(そのため、そうしたものをなくしたりげんめつするとせいかつのこうふくもいっぺんにうしなわれる。)

そのため、そうしたものをなくしたり幻滅すると生活の幸福も一変に失われる。

(そとからのまんぞくをもとめるものは、いっぱんにおおがかりなぜいたくをしようとする。)

外からの満足を求めるものは、一般に大掛かりな贅沢をしようとする。

(それはからだのよわったひとがやくひんによってけんこうやつよさをのぞむのとおなじじじょうになる。)

それは体の弱った人が薬品によって健康や強さを望むのと同じ事情になる。

(しかし、それらのほんらいのげんせんはおのれのせいめいりょくのなかにある。)

しかし、それらの本来の源泉は己の生命力のなかにある。

(まことのとみはただたましいのうちなるとみだけ。ほかのものはすべてりえきよりもこんなんをもたらす)

まことの富はただ魂のうちなる富だけ。他の物は全て利益よりも困難をもたらす

(かんじゅせいをのばし、おのれのちょうしょをさまたげられることなくはっきできるのがほんらいのこうふく。)

感受性をのばし、己の長所を妨げられることなく発揮できるのが本来の幸福。

(こうふくはかんかのなかにある。)

幸福は閑暇のなかにある。

(おのれとおのれのかぞくのせいぞんにとってひつようなものをちょうたつするだけでじかんをすごしてしまうと)

己と己の家族の生存にとって必要な物を調達するだけで時間を過ごしてしまうと

(じゆうなかんかはすぐにおもにになり、ついにはくつうになる。)

自由な閑暇はすぐに重荷になり、ついには苦痛になる。

など

(じゆうなかんかとたくえつしたちせいがけつごうすると、そこにおおきなこうふくがうまれる。)

自由な閑暇と卓越した知性が結合すると、そこに大きな幸福が生まれる。

(いきることにあくせくすることからもかんかにたえられないということからもじゆうになる)

生きる事にあくせくする事からも閑暇に耐えられないという事からも自由になる

(せいしんのはたらきがかっぱつなひとはくつうにたいするかんじゅせいもたかい。)

精神の働きが活発な人は苦痛に対する感受性も高い。

(せいしんてきにかぎられたのうりょくしかないひとはこんぽんてきにはもっともこうふくなじんぶつだ。)

精神的に限られた能力しかない人は根本的には最も幸福な人物だ。

(そうさいのほうそく。)

相殺の法則。

(しこうはこうふくのしゅようぶぶんである。いっぽうでかしこさのおおいところにはくのうもおおい。)

思考は幸福の主要部分である。一方で賢さの多いところには苦悩も多い。

(しこうのなかにはあまいせいかつはない。いっぽうでぐしゃのせいかつはしよりもくるしい。)

思考の中には甘い生活はない。一方で愚者の生活は死よりも苦しい。

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