なぞなぞ -5-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(「おじさん、おじさん、まつのきのしたではおしゃべりしたかったのに、)

「おじさん、おじさん、松の木の下ではお喋りしたかったのに、

(さくらのきのしたまであるいたらあやとりをしたくなりました。な~ぜだ?」)

桜の木下まで歩いたら綾取りをしたくなりました。な〜ぜだ?」

(・・・・・へんじはない。こんなばかなことをしているのが)

・・・・・返事はない。こんな馬鹿なことをしているのが

(はずかしくなってろうかをきょろきょろしてしまう。)

恥ずかしくなって廊下をキョロキョロしてしまう。

(こどもたちはこれのどこをおもしろがっているんだろうとおもいながら)

子どもたちはこれのどこを面白がっているんだろうと思いながら

(どあをひらけてへやにはいる。)

ドアを開けて部屋に入る。

(なかにだれかいたらいやだなとおもったけど、もちろんだれもいない。)

中に誰かいたら嫌だなと思ったけど、もちろん誰もいない。

(ほっとしてこんびにでかったものをふくろからだしてれいぞうこにしまっていると、)

ホッとしてコンビニで買ったものを袋から出して冷蔵庫にしまっていると、

(げんかんのどあをのっくするおとがきこえる。)

玄関のドアをノックする音が聞こえる。

(はあい、とへんじをしてれいぞうこをうしろあしでしめ、はい、はい、)

はあい、と返事をして冷蔵庫を後ろ足で閉め、はい、はい、

(といいながらげんかんにいき、さんだるをひっかけてどあのかぎを)

と言いながら玄関に行き、サンダルを引っ掛けてドアの鍵を

(はずそうとてをのばす。)

外そうと手を伸ばす。

(するとしせんのした、ゆうびんうけがかたりとなる。)

すると視線の下、郵便受けがカタリと鳴る。

(そとのおとがほんのすこしながれこんでくる。ざわざわざわざわ・・・・・)

外の音がほんの少し流れ込んでくる。ざわざわざわざわ・・・・・

(あ、これは、とおもったしゅんかん、こえがきこえる。)

あ、これは、と思った瞬間、声が聞こえる。

(「おじさん、おじさん、まつのきではおしゃべりしたかったのに、)

「おじさん、おじさん、松の木ではお喋りしたかったのに、

(さくらのきのしたまであるいたらあやとりをしたくなりました。な~ぜだ?」)

桜の木の下まで歩いたら綾取りをしたくなりました。な〜ぜだ?」

(だれのこえだ。かぎをはずそうとしたてがくうちゅうでとまる。)

誰の声だ。鍵を外そうとした手が空中で止まる。

(あれ?いつのまによるになったんだろう。くらい。)

あれ?いつの間に夜になったんだろう。暗い。

(げんかんがくらい。でんき。でんきをつけないと。)

玄関が暗い。電気。電気をつけないと。

など

(こえはつづける。)

声は続ける。

(「こたえはね・・・・・」)

「答えはね・・・・・」

(きがかわったから。こたえはき(き)がかわったからだ。)

木が変わったから。答えは気(木)が変わったからだ。

(しんぞうがはげしくうごいている。そのどこかできいたことのあるような、)

心臓が激しく動いている。そのどこかで聞いたことのあるような、

(ひくい、おとこのこえがささやくようにいう。)

低い、男の声がささやくように言う。

(「こたえはね、さくらのきのしたには、したいがうまっているから」)

「答えはね、桜の木の下には、死体が埋まっているから」

(・・・・・どかん、とどあをけった。こえはだまる。)

・・・・・ドカン、とドアを蹴った。声は黙る。

(すぐにどあのかぎをはずし、あけはなつ。ひかりがあふれる。)

すぐにドアの鍵を外し、開け放つ。光が溢れる。

(さっきまでまるでしんやのようにくらかったのがうそみたいに。)

さっきまでまるで深夜のように暗かったのが嘘みたいに。

(そとにはだれもいない。だれかがはしりさるけはいもない。)

外には誰もいない。誰かが走り去る気配もない。

(なんだいまのは?あしががくがくする。じぶんのこえのようだった。)

なんだ今のは?足がガクガクする。自分の声のようだった。

(さっきまでどあのむこうにじぶんがたっていたのか?)

さっきまでドアの向こうに自分が立っていたのか?

(なにがなんだかわからなくて、ひたすらふるえていた。)

なにがなんだか分からなくて、ひたすら震えていた。

(って、いうはなし。)

って、いう話。

(とおどけてみせるのを、おれはひさしぶりにぞくぞくしたきもちをみつめていた。)

とおどけてみせるのを、俺は久しぶりにゾクゾクした気持ちを見つめていた。

(「こわいですね」)

「怖いですね」

(かんぜんにかいだんだ。なぞなぞおじさんというななふしぎにでてくるそんざいが、)

完全に怪談だ。なぞなぞおじさんという七不思議に出てくる存在が、

(じぶんじしんとはべっこのもののようにたちあらわれている。まるで・・・・・)

自分自身とは別個のもののように立ち現れている。まるで・・・・・

(そこまでかんがえたとき、はっとしてよこにすわるひとのかおをみた。)

そこまで考えたとき、ハッとして横に座る人の顔を見た。

(このひとのしゅういには、「それ」がおおすぎる。)

この人の周囲には、「それ」が多すぎる。

(かつてのじぶんのたいけんをきおくのそこからよびさまそうとして、)

かつての自分の体験を記憶の底から呼び覚まそうとして、

(いっしゅんいしきがこのばしょからはなれた。)

一瞬意識がこの場所から離れた。

(そのときだ。)

その時だ。

(おれのみみはこどものこえをひろった。ぐずるようなこえ。ちかい。)

俺の耳は子どもの声を拾った。ぐずるような声。近い。

(ぞくりとしてじゃんぐるじむにしせんをやる。そのなかにさっきまで)

ゾクリとしてジャングルジムに視線をやる。その中にさっきまで

(いなかったはずのこどものすがたをみてしまうきがしてかおがこわばる。)

いなかったはずの子どもの姿を見てしまう気がして顔が強張る。

(いちびょう、にびょう、さんびょう・・・・・)

一秒、二秒、三秒・・・・・

(おれのそのようすをみてそのひともきんちょうしたようだったが、)

俺のその様子を見てその人も緊張したようだったが、

(やがておれがなにをかんがえたかわかったようでくしょうする。)

やがて俺がなにを考えたか分かったようで苦笑する。

(ああ、そうか。)

ああ、そうか。

(おれはあえてみえないふりをしていたのだ。)

俺はあえて見えない振りをしていたのだ。

(れいせいになれば、なにもかいだんばなしなどではないのに。)

冷静になれば、なにも怪談話などではないのに。

(てれくさくなり、「ちょっとといれに」といってたちあがる。)

照れくさくなり、「ちょっとトイレに」と言って立ち上がる。

(「あっちにある」)

「あっちにある」

(ゆびでしめされたほうへあるくことしばし。こぎれいなこうしゅうといれをみつけて)

指で示された方へ歩くことしばし。小ぎれいな公衆トイレを見つけて

(ようをたし、おれはそのばでかんがえた。)

用を足し、俺はその場で考えた。

(いってみるか。)

行ってみるか。

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