花に雨を、君に歌を

(よあけにねむるひびはいつからだろう)

夜明けに眠る日々はいつからだろう

(まどのむこうふかいあめのねとまざるりずむ)

窓の向こう　深い雨の音と混ざるリズム

(きずもあやまちもしもゆめもいまも)

傷も過ちも死も夢も今も

(このみにくいじんせいもごらくとうたにしたんだ)

この醜い人生も娯楽、と詩にしたんだ

(ごせんふのうえにおとしたひびも)

五線譜の上に落とした日々も

(かきとめたことばすらもすてたんだよ)

書き留めた言葉すらも棄てたんだよ

(だけどちがう)

だけど違う

(こんなせかいはまるで)

こんな景色はまるで

(いろのないせかいだ)

色のない世界だ

(ほらはなにあめをそしてきみにうたを)

ほら花に雨を　そして君に歌を

(どうかこのままいのちがおわるまで)

どうか　このまま命が終わるまで

(なんどきずをえぐってきえぬかこをのろって)

何度　傷を抉って　消えぬ過去を呪って

(それでなにかがかわるきがしたんだ)

それで何かが変わる気がしたんだ

(おんがくでせかいをすくうなんてむりだけど)

音楽で世界を救うなんて無理だけど

(ゆめにあいにかみさまになにがすくえる)

夢に、愛に、神様になにが救える？

(いつだってうたをともせばそこにぼくがいる)

いつだって歌を灯せばそこに僕がいる

(そうだったただそれだけで)

そうだった　ただそれだけで

(ぼくはすくわれていたんだ)

僕は救われていたんだ

(いきるのこりじかんとかしょうみきげんとか)

生きる残り時間とか　賞味期限とか

(あすのよほうはくしのてがみも)

明日の予報　白紙の手紙も

(どうでもいいや)

どうでもいいや

(のーとにかきなぐるしもいつもそうだ)

ノートに書き殴る詞も　いつもそうだ

(ただしいとかわかりゃしないまま)

正しいとか　わかりゃしないまま

(うたにしたんだ)

歌にしたんだ

(まどかなつきのよにかなでしことばと)

まどかな月の夜に奏でし言葉と

(かいないしんぞうのこどうでおどろう)

甲斐無い心臓の鼓動で踊ろう

(ひとらしくいきてそうしてくたばる)

人らしく生きて　然うしてくたばる

(それでみたされるの)

それで満たされるの？

(ほらはなにあめをそしてきみにうたを)

ほら花に雨を　そして君に歌を

(どうかこのままいのちがおわるまで)

どうか　このまま命が終わるまで

(なんどいきてみたって)

何度　生きてみたって

(おなじみちをたどって)

同じ道を辿って

(ぼくはまだみぬあすにゆめみてしまうんだろう)

僕はまだ見ぬ明日に夢見てしまうんだろう

(じぶんをだましおとなになるならいっしょうぼくはこどもでいい)

自分を騙し大人になるなら一生僕は子供でいい

(でもときにはあゆみをとめてすこしないてもいいかな)

でも時には歩みを止めて少し泣いてもいいかな

(ほらはなにあめをそしてきみにうたを)

ほら花に雨を　そして君に歌を

(どうかこのままいのちがおわるまで)

どうか　このまま命が終わるまで

(なんどきずをえぐってきえぬかこをのろって)

何度　傷を抉って　消えぬ過去を呪って

(それでなにかがかわるきがしたんだ)

それで何かが変わる気がしたんだ

(いまよるにあけをそのこころにあいを)

いま夜に明けを　その心に愛を

(そうだひとはそうしていきていくんだ)

そうだ　人はそうして生きていくんだ

(つむいだことばもかなでるせんりつも)

紡いだ言葉も　奏でる旋律も

(なにもかもつたえるにはたりないよな)

何もかも伝えるには足りないよな

(おんがくでせかいをすくうなんて)

音楽で世界を救うなんて

(ばかみたいなゆめにゆめみていたのはどこのどいつだ)

馬鹿みたいな夢に夢見ていたのはどこのどいつだ

(うんめいもあすもおわりもぼくらはしらない)

運命も明日も終わりも僕らは知らない

(もういっそ)

もういっそ

(こわれるくらいいのちをかなでうたう)

壊れるくらい命を奏で唄う

(はなにあめをきみにうたを)

花に雨を　君に歌を

(あせたゆめにぼくらのいろをつけよう)

褪せた夢に僕らの色をつけよう