王子とこじき 14

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.3) 3337打 長文
作者 マーク・トウェイン

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(こくおうへいかがおなくなりになった!) 国王陛下がお亡くなりになった! (このおおきなしらせに、さすがのやじうまもいしをなげるてをとめて) この大きな知らせに、さすがの野次馬も石を投げる手を止めて (ぼんやり、つったったままになった。) ぼんやり、つっ立ったままになった。 (そのすきをねらっておおおとこのきぞくは、えどわーどのてをにぎってはしりだした。) その隙を狙って大男の貴族は、エドワードの手を握って走り出した。 ((よし。わたしのげしゅくべやへつれていこう。ろんどんばしをわたるんだ・・・。) (よし。私の下宿部屋へ連れて行こう。ロンドン橋を渡るんだ・・・。 (しかし、それにしてもあのいいだしたらきかない、) しかし、それにしてもあの言い出したら聞かない、 (しかも、せいじをひとりぎめでおこなっていたへんりーはっせいへいかがなくなろうとは・・・) しかも、政治を独り決めで行っていたヘンリー八世陛下が亡くなろうとは・・・ (あとつぎのかたは、どんなせいかくだろうか。よいこくおうであればいいが)) 跡継ぎのかたは、どんな性格だろうか。よい国王であればいいが) (あせをかいてはしりながら、きぞくはこころのなかでおもった。) 汗をかいて走りながら、貴族は心の中で思った。 (ところが、そのきぞくのうでにひっぱられながら、) ところが、その貴族の腕に引っ張られながら、
(やはりいきせききってはしるおとこのこ、えどわーどは) やはり息せききって走る男の子、エドワードは ((ちちうえがなくなられた?あのきびしいがあたたかいこころをおもちのちちうえが。) (父上が亡くなられた?あの厳しいが温かい心をお持ちの父上が。 (まて。すると、わたしがこくおうではないか。わたしはいまからこくおうなのだ)) 待て。すると、私が国王ではないか。私は今から国王なのだ) (こうおもっていたのだ。) こう思っていたのだ。 (ふたりはひとびとをかきわけて、ろんどんばしをわたった。) 二人は人々をかき分けて、ロンドン橋を渡った。 (たくさんのひとがざわめいていた。そして、どこからともなく) たくさんの人がざわめいていた。そして、どこからともなく (「あたらしい、えどわーどろくせいへいか」というこえがきこえた。) 「新しい、エドワード六世陛下」という声が聞こえた。 (このえどわーどろくせいへいかこそ、めのまえを ) このエドワード六世陛下こそ、目の前を (いま、ひとをかきわけながらにげていくそのひとだったのだ。) 今、人をかき分けながら逃げていくその人だったのだ。 (「ところで・・・きかせてもらいたい。そなたはなんというなまえのどこのものだ」) 「ところで・・・聞かせてもらいたい。そなたはなんという名前のどこの者だ」
など
(はしるはやさがゆるむと、えどわーどはまえにたっていくきぞくにむかってたずねた。) 走る早さが緩むと、エドワードは前に立って行く貴族に向かって尋ねた。 (「なまえは、まいるすへんどん。わるかったな、なのるのをすっかりわすれていて。) 「名前は、マイルス・ヘンドン。悪かったな、名乗るのをすっかり忘れていて。 (くわしいみのうえは、いずれはなしてやるさ。このろんどんですんでいるところは・・・) 詳しい身の上は、いずれ話してやるさ。このロンドンで住んでいる所は・・・ (そら、もうじきだ。しっかりはしれ」) そら、もうじきだ。しっかり走れ」 (まいるすへんどん。) マイルス・ヘンドン。 (このひとこそ、のちのちまでえどわーどのしもべとして) この人こそ、のちのちまでエドワードのしもべとして (こころからつかえるひとだったのである。ところが、ろんどんばしをわたって) 心から仕える人だったのである。ところが、ロンドン橋を渡って (へんどんのげしゅくへついたとたんだった。) ヘンドンの下宿へ着いたとたんだった。 (とぐちのくらやみのなかから、ぬうっとすがたをあらわした、きたならしいおとこ。) 戸口の暗闇の中から、ぬうっと姿を現した、きたならしい男。 (「まってたぜ。どうやらこのへんへあらわれるらしいってことが) 「待ってたぜ。どうやらこのへんへ現れるらしいってことが (やっとわかったんでな」) やっとわかったんでな」 (いったい、どこでどうかぎつけたのだろう。) いったい、どこでどう嗅ぎつけたのだろう。 (わるものには、とくべつのかぎつけるはながあるらしい。) 悪者には、特別の嗅ぎつける鼻があるらしい。 (じょんきゃんてぃ、とむのちちおやがおそろしいかおつきでまちかまえていた。) ジョン・キャンティ、トムの父親が恐ろしい顔つきで待ち構えていた。 (「もうにがしゃしねえぞ。きな。おい、とむ。) 「もう逃がしゃしねえぞ。来な。おい、トム。 (こっちへこいといってるのに、きこえねえか」) こっちへ来いと言ってるのに、聞こえねえか」 (むんずとえりくびをつかんだ。へんどんがだまっているはずはない。) むんずと襟首を掴んだ。ヘンドンが黙っているはずはない。 (「まて。なにもらんぼうするにはおよばんだろう。) 「待て。なにも乱暴するには及ばんだろう。 (このこはいったいおまえのなににあたるのだ」) この子はいったいお前の何にあたるのだ」 (「おれのこどもよ。かせぎのあいぼうよ」) 「俺の子供よ。稼ぎの相棒よ」 (「なにをもうす。そちなど、わたしのちちではない!」) 「何を申す。そちなど、私の父ではない!」 (えどわーどのはっきりいうこえがやみのなかでひびいた。) エドワードのはっきり言う声が闇の中で響いた。 (へんどんはもちろん、そのこえをしんじた。) ヘンドンはもちろん、その声を信じた。 (「そうか。わかった。どうやらこのおとこは、おまえをりようしたいか、) 「そうか。わかった。どうやらこの男は、お前を利用したいか、 (それとも、にせのちちおやか」) それとも、偽の父親か」 (「うるせえ、こうなりゃちからずくでも」) 「うるせえ、こうなりゃ力ずくでも」 (と、かっぱらいのおやぶんはうえからてをのばして) と、かっぱらいの親分は上から手を伸ばして (えどわーどをわしづかみにしようとした。) エドワードをわしづかみにしようとした。 (「やめろ!」へんどんは、じょんをつきとばしておいて) 「やめろ!」ヘンドンは、ジョンを突き飛ばしておいて (かたなのつかにてをかけた。) 刀のつかに手を掛けた。 (「このこにゆびいっぽんでもふれてみろ。きさまのいのちはないぞ」) 「この子に指一本でも触れてみろ。貴様の命はないぞ」 (このけんまくには、さすがのじょんきゃんてぃもびっくりして) この剣幕には、さすがのジョン・キャンティもびっくりして (ねこのようにまるまったが「・・・こいつ。よくもおれからかせぎのもとを) 猫のように丸まったが「・・・こいつ。よくも俺から稼ぎの元を (とりあげやがったな。そのままにゃしておかねえぞ。ぺっ」) 取り上げやがったな。そのままにゃしておかねえぞ。ぺっ」 (つばをはきかけると、くらやみのなかへきえていったのである。) つばを吐きかけると、暗闇の中へ消えていったのである。 (へんどんは、げしゅくやのしたでしょくじをすぐにもってくるようにたのんでから) ヘンドンは、下宿屋の下で食事をすぐに持ってくるように頼んでから (さんがいのじぶんのへやへえどわーどをあんないした。) 三階の自分の部屋へエドワードを案内した。 (ここは、みすぼらしいへやで、ふるぼけたべっどがたったひとつと) ここは、みすぼらしい部屋で、古ぼけたベッドがたった一つと (こわれかけたどうぐがちらばっているのが、にほんのろうそくにてらしだされただけだった) 壊れかけた道具が散らばっているのが、二本の蝋燭に照らしだされただけだった (しかし、えどわーどはつかれはてていた。) しかし、エドワードは疲れ果てていた。 (「しょくじがきたらばおこしてくれ」そういって、) 「食事が来たらば起こしてくれ」そう言って、 (きたないべっどにたおれこんでしまった。) 汚いベッドに倒れこんでしまった。 (へんどんはふきだしてしまった。そしてさむいので、もっとうえへかけて) ヘンドンは吹き出してしまった。そして寒いので、もっと上へ掛けて (やりたかったが、なにもないのでじぶんのうわぎをぬいでかけながら) やりたかったが、何もないので自分の上着を脱いで掛けながら ((ふふふふ。このちっぽけなこじきのたいしょうは、ひとさまのべっどをかりるというのに) (ふふふふ。このちっぽけな乞食の大将は、人様のベッドを借りるというのに (たいしたくちをきくもんだな。なにをいうにもめいれいするくちょうだ。) 大した口をきくもんだな。何を言うにも命令する口調だ。 (そいつがまた、ちびっこのくせにいうもんだから、ままごとでもしてるみたいで) そいつがまた、ちびっこのくせに言うもんだから、ままごとでもしてるみたいで (まったくのところ、かわいいくらいのものさ。そういや、このこのかおは) 全くのところ、可愛いくらいのものさ。そういや、この子の顔は (なかなかととのっていて、りっぱなもんだぞ。これであたまさえおかしくなけりゃなあ)) なかなか整っていて、立派なもんだぞ。これで頭さえおかしくなけりゃなあ)
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