王子とこじき 25
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問題文
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(ここまできいたえどわーどは、おもわずからだをのりだした。)
ここまで聞いたエドワードは、思わず体を乗り出した。
(そのおとこは、がくっとかたをおとして、)
その男は、がくっと肩を落として、
(「かみさまもなにもあるものか。おふくろは、そのいぎりすのほうりつどおりに)
「神様も何もあるものか。おふくろは、そのイギリスの法律通りに
(おいらのめのまえでやきころされたよ。そこで、おいらのかぞくはにょうぼうとこどもだ。)
おいらの目の前で焼き殺されたよ。そこで、おいらの家族は女房と子供だ。
(もうどこからもかねがはいらねえから、せめてこじきでもしてあるかなけりゃ)
もうどこからも金が入らねえから、せめて乞食でもして歩かなけりゃ
(はらがへってたまらねえ。ところが、このいぎりすじゃはらをへらすのも)
腹が減ってたまらねえ。ところが、このイギリスじゃ腹を減らすのも
(りっぱなつみだった。なあ、おやぶん」)
立派な罪だった。なあ、親分」
(おとこは、またさけをねだると、ぐいとひといきにあおってつづけた。)
男は、また酒をねだると、ぐいとひと息にあおって続けた。
(「おいらたちが、こじきをしたのがわるいってことでよ、みっつのまちを)
「おいらたちが、乞食をしたのが悪いってことでよ、三つの町を
(ひきずりまわされたうえ、むちできがとおくなるほどなぐられた。)
引きずりまわされたうえ、鞭で気が遠くなるほど殴られた。
(いんや、にょうぼうはおいらのはんぶんもなぐられねえうちに、おっちんじまった。)
いんや、女房はおいらの半分も殴られねえうちに、おっちんじまった。
(そして、おいらのかわいいがきたちはなあ、おいらふうふがみっつのまちを)
そして、おいらの可愛いがき達はなあ、おいら夫婦が三つの町を
(ひきずりまわされているあいだに、だれがめしをくわしたかね。だあれもくわさなかった。)
引きずり回されている間に、誰が飯を食わしたかね。だあれも食わさなかった。
(ぱんのひときれもくれなかった。それでしんじまった。)
パンの一切れもくれなかった。それで死んじまった。
(このかたのやきいんは、それからあとおいらがどれいにうられたときつけられたしるしだ」)
この肩の焼き印は、それから後おいらが奴隷に売られた時つけられた印だ」
(おとこはかたのもじを、たきびにてらしてみせた。)
男は肩の文字を、たき火に照らしてみせた。
(「いぎりすにゃ、どれいにしちまうほうりつだってあるんだ。)
「イギリスにゃ、奴隷にしちまう法律だってあるんだ。
(おいらはしゅじんからにげたが、こんどつかまりゃ、またまたほうりつでしばりくびですぜ」)
おいらは主人から逃げたが、今度つかまりゃ、またまた法律でしばり首ですぜ」
(ここまでおとこがはなしたとき、すきとおったこえとどうじに)
ここまで男が話した時、透き通った声と同時に
(ふしぎなしょうねんがかこみのまんなかへとびだしたのだ。)
不思議な少年が囲みのまんなかへ飛び出したのだ。
など
(「そのほうは、たとえみつかったとしてもしばりくびにはならぬ。)
「そのほうは、たとえ見つかったとしてもしばり首にはならぬ。
(わたしがけっしてさせぬぞ。そなたのくるしかったいままでのくらしをきいて)
私が決してさせぬぞ。そなたの苦しかった今までの暮らしを聞いて
(わたしはなみだがでた。きょうかぎり、そんないぎりすのほうりつはなくすことにするぞ」)
私は涙が出た。今日限り、そんなイギリスの法律はなくすことにするぞ」
(もちろん、えどわーどであった。)
もちろん、エドワードであった。
(こじきたちは、あっけにとられてしばらくしーんとしていたが)
乞食たちは、呆気に取られてしばらくしーんとしていたが
(なかのひとりが「で、おまえさんは、いったいだれだい?」)
中の一人が「で、お前さんは、一体誰だい?」
(「わたしはいぎりすこくおうえどわーどだ」)
「私はイギリス国王エドワードだ」
(「え、え・・・えどわーど・・・」)
「エ、エ・・・エドワード・・・」
(だれもがこしをぬかすほどびっくりするかとおもったが、そうではなかった。)
誰もが腰を抜かすほどびっくりするかと思ったが、そうではなかった。
(ほんきにするものはひとりもいない。)
本気にする者は一人もいない。
(「わっはっはっは。きいたかよ、このこぞうのいったことを。)
「わっはっはっは。聞いたかよ、この小僧の言ったことを。
(たいしたやろうだぜ」あざけったわらいがあたりにうずまいた。)
たいした野郎だぜ」あざけった笑いが辺りに渦巻いた。
(「ぶれいものめ。こくおうのめぐみにたいしてなにごとだ」)
「無礼者め。国王の恵みに対してなにごとだ」
(えどわーどはおおごえでしずめようとしたが、つうじなかった。)
エドワードは大声でしずめようとしたが、通じなかった。
(だれかがふざけて「いぎりすこくおうえどわーどへいか、ばんざーい」とさけぶと)
誰かがふざけて「イギリス国王エドワード陛下、ばんざーい」と叫ぶと
(あとからあとから、あきかんをたたきながら)
後から後から、空き缶を叩きながら
(「いいぞ、いいぞ、えどわーどへいかばんざーい」とこえがあがった。)
「いいぞ、いいぞ、エドワード陛下ばんざーい」と声が上がった。
(しかし、えどわーどはあくまでまじめだった。)
しかし、エドワードはあくまで真面目だった。
(「おお、わたしのしみんたちよ。ありがとう。うれしくおもうぞ」)
「おお、私の市民たちよ。ありがとう。うれしく思うぞ」
(「うへへへへ。うれしくおもうぞ、とおいでなすったぜ」)
「うへへへへ。うれしく思うぞ、とおいでなすったぜ」
(「ではへいか、おかんむりをおかぶりあそばして」)
「では陛下、お冠をおかぶりあそばして」
(そういって、えどわーどのあたまにせんめんきをかぶせるものがいた。)
そう言って、エドワードの頭に洗面器をかぶせる者がいた。
(「おめしものをどうぞ」と、のみだらけ、しらみだらけのぼろを)
「お召し物をどうぞ」と、のみだらけ、しらみだらけのぼろを
(かたにかけるやつもいる。)
肩にかけるやつもいる。
(「そうだ。おうさまがおすわりになるのは、いちだんとおたかいところだ。)
「そうだ。王様がお座りになるのは、一段とお高いところだ。
(そこをどけ、どけ」といいながら、こじきのひとりはえどわーどのてをとって)
そこをどけ、どけ」と言いながら、乞食のひとりはエドワードの手を取って
(ふるいたるのうえにすわらせて「さあ、おじぎをしろ。おじぎをしろ」と)
古い樽の上に座らせて「さあ、お辞儀をしろ。お辞儀をしろ」と
(おおでをひろげたのである。)
大手を広げたのである。
(「どうぞ、こくおうへいか。ぱんでできたくんしょうを、ふたつ、みっつ、)
「どうぞ、国王陛下。パンでできた勲章を、二つ、三つ、
(くださいますようおねがいいたします。はい」)
くださいますようお願いいたします。はい」
(「えどわーどへいか。このあわれなどれいを、そのとうといおみあしで)
「エドワード陛下。この哀れな奴隷を、その尊いおみ足で
(おけっとばしくださいまし」)
お蹴っ飛ばしくださいまし」
(こじきたちは、くちぐちにかってなことをいってひざまずいた。)
乞食たちは、口々に勝手なことを言ってひざまずいた。
(えどわーどは、はじめてじぶんがからかわれていることにきがついた。)
エドワードは、初めて自分がからかわれていることに気がついた。
(そしてなみだぐんだ。(わたしがどうして、こんなしうちをうけなければならない)
そして涙ぐんだ。(私がどうして、こんな仕打ちを受けなければならない
(のだろうか。わたしはこのひとたちのためにめぐみをたれようとしているのに・・・))
のだろうか。私はこの人たちのために恵みをたれようとしているのに・・・)