落語「たらちね」

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(みずからことのせいめいは、)

自らことの姓名は、

(ちちはもときょうのさんにして)

父は元京の産にして

(せいはあんどう、なはけいぞう、あざなをごこう。)

姓は安藤、名は慶三、字を五光。

(はははちよじょともうせしが、)

母は千代女と申せしが、

(わがははさんじゅうさんさいのおり、)

わが母三十三歳の折、

(あるよたんちょうのつるをゆめみてわらわをはらめるがゆえ、)

ある夜丹頂の鶴を夢見てわらわを孕めるが故、

(たらちねのたいないをいでしときは)

垂乳根の胎内を出でしときは

(つるじょつるじょともうせしが、それはようめい、)

鶴女鶴女と申せしが、それは幼名、

(せいちょうののちこれをあらため、)

成長の後これを改め、

(きよじょともうしはべるなり)

清女と申し侍るなり