未 本編 -32-

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師匠シリーズ
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1 berry 7807 7.9 98.3% 379.4 3014 52 61 2025/11/15
2 Jyo 5648 A 5.8 96.5% 515.0 3017 108 61 2025/11/15

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問題文

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(どうやらきっさてんではいもうとのみどりとのくちうらあわせのさくせんかいぎに)

どうやら喫茶店では妹の翠との口裏合わせの作戦会議に

(でくわしてしまったらしい。)

出くわしてしまったらしい。

(いもうとをだしにしてでーとのこうじつをつくるとは、なりふりかまわないというより、)

妹をダシにしてデートの口実を作るとは、なりふり構わないというより、

(そのきまじめさがかいまみえたきがしてほほえましかった。)

その生真面目さが垣間見えた気がして微笑ましかった。

(「そんなあれこれりゆうつけなくても、もっとごういんでいいんじゃないかなあ」)

「そんなあれこれ理由つけなくても、もっと強引で良いんじゃないかなあ」

(きのうのよるのことをおもいだしてそうつぶやいたが、ししょうはきょうみをうしなったようすで)

昨日の夜のことを思い出してそう呟いたが、師匠は興味を失った様子で

(「さあ、いこう。はやくあせをながしたい」とせかしはじめた。)

「さあ、行こう。早く汗を流したい」と急かし始めた。

(たしかにはいぺーすでじてんしゃをこぎつづけていたのであせをかいたし、)

確かにハイペースで自転車をこぎ続けていたので汗をかいたし、

(しばらくからだをうごかさないでいると、さむさできゅうにふくにしみこんだすいぶんが)

しばらく身体を動かさないでいると、寒さで急に服に染み込んだ水分が

(つめたくなっていく。)

冷たくなっていく。

(「いいですねえ」)

「いいですねえ」

(ぼくはほんしんからそういった。)

僕は本心からそう言った。

(それからぼくらはふたりでおんせんりょかん「たなかや」をかわきりに、)

それから僕らは二人で温泉旅館「田中屋」を皮切りに、

(そのちかくにあったほかのおんせんをいくつかはしごした。)

その近くにあった他の温泉をいくつかハシゴした。

(どのおんせんもにゅうよくのみのきゃくでもokだった。にゅうりょくりょうをはらってあせをながし、)

どの温泉も入浴のみの客でもOKだった。入力料を払って汗を流し、

(あたらしいふくにきがえてからりょかんのひとをつかまえてそれとなく)

新しい服に着替えてから旅館の人をつかまえてそれとなく

(「とかの」のうわさをききこんだ。)

「とかの」の噂を訊き込んだ。

(さいしょはあたりさわりのないことをいっていたこさんぽいじゅうぎょういんも、)

最初はあたりさわりのないことを言っていた古参ぽい従業員も、

(しつこくはなけているとまんざらでもないらしく、だんだんとくだけてきて、)

しつこく話けていると満更でもないらしく、だんだんとくだけてきて、

(こえをひそめながら、「とかの」にかんするごしっぷをたれながしはじめた。)

声をひそめながら、「とかの」に関するゴシップを垂れ流しはじめた。

など

(やはりりょかんどうしのなかはそうとうにわるいようだ。)

やはり旅館同士の仲は相当に悪いようだ。

(そのなかにれいのゆうれいさわぎにかんするものもあった。)

その中に例の幽霊騒ぎに関するものもあった。

(「のろわれてるってはなしですよ」)

「呪われてるって話ですよ」

(にけんめの「まつのきおんせんりょかん」では、おかみらしいひとがそうみみうちしてくれた。)

二件目の「松ノ木温泉旅館」では、女将らしい人がそう耳打ちしてくれた。

(なんでも「とかの」しょだいおーなーがあのとちをかうときに、)

なんでも「とかの」初代オーナーがあの土地を買うときに、

(そこにふるくからあったほこらをこわしてしまったらしい。そのたたりだというのだ。)

そこに古くからあった祠を壊してしまったらしい。その祟りだと言うのだ。

(しかし、どうしてかんぬしが?そうおもってききかえすと、「そりゃ・・・・・」と)

しかし、どうして神主が?そう思って訊き返すと、「そりゃ・・・・・」と

(いいかけたあと、かんがえてもみなかったのか「まあ、ここからでてゆけって)

言いかけた後、考えてもみなかったのか「まあ、ここから出て行けって

(ことですわね」とてきとうにひとりでしまいをつけてしまった。)

ことですわね」と適当に一人で仕舞いをつけてしまった。

(まゆつばもののはなしではあったが、たしかにりょかんをたてるまえのことはあまり)

眉唾物の話ではあったが、確かに旅館を立てる前のことはあまり

(かくにんしていなかったことにきづいた。そこになにかいわくがあるのだろうか。)

確認していなかったことに気づいた。そこになにか曰くがあるのだろうか。

(ししょうはそんなはなしをおもしろそうにきいている。)

師匠はそんな話を面白そうに聞いている。

(おんせんにつかりすぎてしんたいがふやけはじめたころ、さんけんめのりょかんをでてから)

温泉に浸かり過ぎて身体がふやけ始めたころ、三件めの旅館を出てから

(ししょうがいった。)

師匠が言った。

(「よし。もうもどろう」)

「よし。もう戻ろう」

(「いいんですか。このさきにあといっけんあるみたいなんですけど」)

「いいんですか。この先にあと一軒あるみたいなんですけど」

(「わたしはもういいよ。まだはいりたいなら、さきかえっとく」)

「わたしはもういいよ。まだ入りたいなら、先帰っとく」

(「いや、ぼくもかえりますよ」)

「いや、僕も帰りますよ」

(どのおんせんりょかんも「とかの」をよくおもっていないのはまちがいないようだ。)

どの温泉旅館も「とかの」をよく思っていないのは間違いないようだ。

(ゆうれいさわぎについてもうわさにおひれをつけようとしているのがかいまみえた。)

幽霊騒ぎについても噂に尾ひれをつけようとしているのが垣間見えた。

(しかし、ざんねんながらそのゆうれいのなぞについてかくしんにせまるようなしょうげんは)

しかし、残念ながらその幽霊の謎について核心に迫るような証言は

(えられなかった。)

得られなかった。

(ししょうはそれをざんねんがるようすもなく、ほんのりあかくなったかおで)

師匠はそれを残念がる様子もなく、ほんのり赤くなった顔で

(くちぶえをふきながらきさくにとまりきゃくにあいさつなどしている。)

口笛を吹きながら気さくに泊まり客に挨拶などしている。

(ぼくらがりょかんのまえにとめてあったじてんしゃにのろうとすると、)

僕らが旅館の前に止めてあった自転車に乗ろうとすると、

(ぽつりとほおにすいてきがおちた。)

ぽつりと頬に水滴が落ちた。

(いつのまにかそらはくもっている。「ふりそうだな。いそごう」)

いつの間にか空は曇っている。「降りそうだな。急ごう」

(ししょうがそらをみあげながらてのひらをむねのまえですくうようにひろげてそういう。)

師匠が空を見上げながら手のひらを胸の前で掬うように広げてそう言う。

(それからふたりしてきたみちをぜんりょくでとばしたが、だんだんとあめのつぶがおおきくなり、)

それから二人してきた道を全力で飛ばしたが、だんだんと雨の粒が大きくなり、

(「とかの」にかえりついたときにはちゃんとしたこさめになっていた。)

「とかの」に帰りついたときにはちゃんとした小雨になっていた。

(「あー、もう」)

「あー、もう」

(じてんしゃをちゅうしゃじょうにもどり、ししょうがぬれたかみのけをかきあげながらあくたいをつく。)

自転車を駐車場に戻り、師匠が濡れた髪の毛をかき上げながら悪態をつく。

(せっかくおんせんにはいってあたたまってきたところだというのに、)

せっかく温泉に入って温まって来たところだというのに、

(もうふゆのひさめのせんれいをうけてしまった。)

もう冬の氷雨の洗礼を受けてしまった。

(そでぐちからすいてきのしたたるふたりでならんであるいていると、それでもなんだかたのしい。)

袖口から水滴の滴る二人で並んで歩いていると、それでもなんだか楽しい。

(「いまなんじ?よんじすぎか。まだすこしじかんがあるな」)

「いま何時?四時過ぎか。まだ少し時間があるな」

(ししょうはそういいながらげんかんろびーにむかう。)

師匠はそう言いながら玄関ロビーに向かう。

(「じかんって、なんのです?」)

「時間って、なんのです?」

(「きまってるだろ。くれむっつだよ」)

「決まってるだろ。暮れ六つだよ」

(おたのしみにたいけつのじかんだ。)

お楽しみに対決の時間だ。

(ししょうはそういってほくそえむ。)

師匠はそう言ってほくそ笑む。

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