あやとり

(なくしたものをひろいあつめて)

失くしたものを　拾い集めて

(こどものきえたすなばをあるく)

子供の消えた砂場を歩く

(これからきっとあめがふるだろう)

これからきっと雨が降るだろう

(すずによくにたこえをふるわす)

鈴によく似た声を震わす

(てをのばしたくらいじゃ)

手を伸ばしたくらいじゃ

(とどかないようなきょりで)

届かないような距離で

(もうすこしよりみちをしていこう)

もう少し　寄り道をしていこう?

(かさのないふりしてはなしたひのように)

傘の無いフリして　話した日のように

(こころのいとをたぐりよせ)

心の糸を手繰り寄せ

(いつかむすびめにきづくのなら)

いつか　結び目に気付くのなら

(これからきみとあまやどり)

これから君と雨宿り

(ぬれたまぶたのなかにかさをさす)

濡れた瞼の中に　傘を差す

(おもいかえせばえいがみたいな)

思い返せば　映画みたいな

(こいをするほどしあわせでした)

恋をするほど　幸せでした

(それでもぼくはわかっていたんだ)

それでも僕は　わかっていたんだ

(このよはやがておわっていくんだ)

この世はやがて　終わっていくんだ

(てをのばしたくらいじゃ)

手を伸ばしたくらいじゃ

(とどかないようなきょりで)

届かないような距離で

(せかいがなきやむまでまとう)

世界が泣き止むまで待とう？

(あのひのきもちがあめにとけるまで)

あの日の気持ちが雨に溶けるまで

(とけたいとはゆわいても)

溶けた糸は結わいても

(けっしてむすびめがきえないように)

決して結び目が消えないように

(これからきみとあまやどり)

これから君と雨宿り

(やまないなみだをぬぐう)

止まない涙を拭う

(ひとつひとつのおもいでが)

ひとつひとつの思い出が

(もしもまちがいといわれるなら)

もしも　間違いと言われるなら

(これからきみとあまやどり)

これから君と雨宿り

(ぬれたまぶたのなかにかさをさす)

濡れた瞼の中に　傘を差す

(かおをかくさずないている)

顔を隠さず泣いている

(あいしてのすずがひびく)

愛しての鈴が響く

(せかいがふたりだけみたい)

世界がふたりだけみたい

(でも)

でも

(おもいおもわれこいこがれ)

想い想われ　恋焦がれ

(そらをためいきのくもでつつむ)

空をため息の雲で包む

(これからきみとあまやどり)

これから君と雨宿り

(やまないなみだをぬぐう)

止まない涙を拭う

(こころのいとをたぐりよせ)

心の糸を手繰り寄せ

(いつかそのさきにきづくのなら)

いつか　その先に気付くのなら

(ぼくをわすれてくれますか)

「僕を忘れてくれますか」

(きみにきらわれるようにつぶやいた)

君に嫌われるように　つぶやいた