風の行方 -14-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(そのめんはただごとではない。じぶんじしんがそれをみたしゅんかんに)
その面はただごとではない。自分自身がそれを見た瞬間に
(「さいがいのようなもの」とちょっかんしたことをおもいだした。)
「災害のようなもの」と直感したことを思い出した。
(そしてつぎに、ししょうがそのめんのうらにはりついたにくからぬきとったかみのけを、)
そして次に、師匠がその面の裏に張り付いた肉から抜き取った髪の毛を、
(かぜのなかにときはなったときのこうけいがのうりによみがえる。そのときの、かぜのうなりごえも。)
風の中に解き放ったときの光景が脳裏に蘇る。そのときの、風の唸り声も。
(ぞくぞくとさむけのするそうぞうがあたまのなかをかけめぐる。)
ゾクゾクと寒気のする想像が頭の中を駆け巡る。
(かみのけはかぜにのってちゅうをまい、まちじゅうをとびつづける。)
髪の毛は風に乗って宙を舞い、街中を飛び続ける。
(まるできょだいななにかがふかくすういきに、たぐりよせられるように。)
まるで巨大ななにかが深く吸う息に、手繰り寄せられるように。
(やがてかみのけはだれかのてもとにたどりつく。)
やがて髪の毛は誰かの手元にたどり着く。
(そしてにんげんをもしたひとがたのおくふかくにうめられる。)
そして人間を模したヒトガタの奥深くに埋められる。
(それをがいすることで、そのかみのもちぬしをがいしようとする、くらいいしがもれだす。)
それを害することで、その髪の持ち主を害しようとする、昏い意思が漏れ出す。
(そして・・・・・)
そして・・・・・
(にじゅっぷんか、さんじゅっぷんか、ちんもくのうちにじかんがたった。)
二十分か、三十分か、沈黙のうちに時間が経った。
(しんやらじおのおとと、ごうごうというかぜのおとだけがひびくこうそうびるのおくじょうで、)
深夜ラジオの音と、轟々という風の音だけが響く高層ビルの屋上で、
(ぼくはふいにそのさけびをきいた。)
僕はふいにその叫びを聞いた。
(h-----・・・・・・・・・・)
h-----・・・・・・・・・・
(こえにならないこえが、やけいのなかにじゅうまんして、そしてはじけた。)
声にならない声が、夜景の中に充満して、そして弾けた。
(だんまつまのさけびのようだった。)
断末魔の叫びのようだった。
(そのよいんがきえさったころ、おそるおそるまちをみおろすと、)
その余韻が消え去ったころ、恐る恐る街を見下ろすと、
(はるかちじょうではなにごともなかったかのようにくるまのへっどらいとが、)
遙か地上ではなにごともなかったかのように車のヘッドライトが、
(つらなるいととなってながれていた。)
連なる糸となって流れていた。
など
(きっとあのさけびごえが、ひめいが、きこえたのはこのまちでも)
きっとあの叫び声が、悲鳴が、聞こえたのはこの街でも
(ごくひとにぎりのにんげんたちだろう。そのにんげんたちはひるまのたいようのしたよりも、)
ごくひと握りの人間たちだろう。その人間たちは昼間の太陽の下よりも、
(くらいよるのなかにこそすむいきものなのだ。)
暗い夜の中にこそ棲む生き物なのだ。
(じぶんと、ししょうのように。)
自分と、師匠のように。
(「けっきょく、そがなんとかだったのか、べつのだれかだったのかわからなかったな。)
「結局、曽我ナントカだったのか、別の誰かだったのか分からなかったな。
(くろまじゅつだか、いんようどうだか、じゅごんどうだかしらないが、たいしたやつだよ」)
黒魔術だか、陰陽道だか、呪禁道だか知らないが、たいしたやつだよ」
(そのよるのがわから、ししょうがことばをつむぐ。)
その夜の側から、師匠が言葉を紡ぐ。
(「だけど」)
「だけど」
(あいてがわるかったな。なにしろこくほうきゅうにたたりがみすぎるやつだ。)
相手が悪かったな。なにしろ国宝級に祟り神すぎるやつだ。
(ひそひそと、だれにきかせるでもなくささやく。)
ひそひそと、誰に聞かせるでもなく囁く。
(ぼくはそのよこがおをかなあみごしにみつめていた。)
僕はその横顔を金網越しに見つめていた。
(おちたらたすからないたかさにこしをかけ、あしをぶらさげているそのひとを。)
落ちたら助からない高さに腰をかけ、足をぶら下げているその人を。
(そのひだりめのしたあたりからは、いつのまにかぽろぽろとひかりのしずくがこぼれている。)
その左目の下あたりからは、いつの間にかぽろぽろと光の雫がこぼれている。
(そしてそのしずくはたかいびるのおくじょうから、)
そしてその雫は高いビルの屋上から、
(うみのようなくらいよるのそこへとおともなくゆっくりとしずんでいく。)
海のような暗い夜の底へと音もなくゆっくりと沈んでいく。
(このよのものとはおもえないげんそうてきなうつくしさだった。)
この世のものとは思えない幻想的な美しさだった。
(われしらず、ぼくはそのこうけいにかさねあわせていた。)
われ知らず、僕はその光景に重ね合わせていた。
(みたこともないはずの、たかのなみだを。あるいはやこうせいのちょうるいのなみだ・・・・・)
見たこともないはずの、鷹の涙を。あるいは夜行性の鳥類の涙・・・・・
(たとえば、ふくろうのながすそれを。)
例えば、フクロウの流すそれを。
(きがつくと、かぜはもうやんでいた。)
気がつくと、風はもう止んでいた。