空を歩く男 -2-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(「しってるやつがいたよ」とおしえてくれたのは、さーくるのせんぱいだった。)
「知ってるやつがいたよ」と教えてくれたのは、サークルの先輩だった。
(おなじけんきゅうしつに、たまたまそのはなしをしっているこうはいがいたらしい。)
同じ研究室に、たまたまその話を知っている後輩がいたらしい。
(さっそくいきおいこんでけんきゅうしつにのりこんだ。)
さっそく勢いこんで研究室に乗り込んだ。
(「ああ、そらをあるくおとこですよね」)
「ああ、空を歩く男ですよね」
(「しってるしってる」)
「知ってる知ってる」
(ぼくとおなじいっかいなまのおんなのこだった。それもふたりも。)
僕と同じ一回生の女の子だった。それも二人も。
(どちらもじもとしゅっしんで、しかもしないのじっかにいまもすんでいるらしい。)
どちらも地元出身で、しかも市内の実家に今も住んでいるらしい。
(ゆうしゅうなのだろう。うちのだいがくのがくせいで、じもとしゅっしんのじょせいはたいていあたまがいい)
優秀なのだろう。うちの大学の学生で、地元出身の女性はたいてい頭がいい
(とそうばがきまっている。)
と相場が決まっている。
(おんなのこだと、おやがあまりとおくにやりたいくないと、)
女の子だと、親があまり遠くにやりたいくないと、
(ちかばのだいがくをうけさせるけいこうがある。)
近場の大学を受けさせる傾向がある。
(そのばあい、ほんらいもうすこしたかいへんさちのだいがくをねらえても、)
その場合、本来もう少し高い偏差値の大学を狙えても、
(じもとをゆうせんするというぱたーんがおおい。)
地元を優先するというパターンが多い。
(そんなこばかりがきているのだ。)
そんな子ばかりが来ているのだ。
(つまりわんらんくじょうのへんさちのあたまをもっているこがおおいということになる。)
つまりワンランク上の偏差値の頭を持っている子が多いということになる。
(「なんだっけ。さいわいちょうのほうだったよね」)
「なんだっけ。幸町の方だったよね」
(「そうそう。うちのこうこう、みたってこがいた」)
「そうそう。うちの高校、見たって子がいた」
(「こうこうにでるんですか」)
「高校に出るんですか」
(「ちがうちがう。さいわいちょうだって。こうこうのどうきゅうせいがそのあたりでみたの」)
「違う違う。幸町だって。高校の同級生がそのあたりで見たの」
(ばかをみるめでみられた。せつめいのしかたにももんだいがあるきがするのだが。)
バカを見る眼で見られた。説明の仕方にも問題がある気がするのだが。
など
(とにかくきいたはなしをそうごうすると、このようになる。)
とにかく聞いた話を総合すると、このようになる。
(「そらをあるくおとこ」はとあるはんかがいでよるにだけみられる。)
「空を歩く男」はとある繁華街で夜にだけ見られる。
(なにげなくよぞらをみあげていると、)
なにげなく夜空を見上げていると、
(びるにかこまれたせまいそらのうえにひとかげがみえるのだ。)
ビルに囲まれた狭い空の上に人影が見えるのだ。
(おや、とめをこらすとどうやらそのひとかげはうごいている。)
おや、と目を凝らすとどうやらその人影は動いている。
(しょうてんのあどばるーんなどではない。ちゃんと、あしをうごかしてあるいているのだ。)
商店のアドバルーンなどではない。ちゃんと、足を動かして歩いているのだ。
(しかしそのひとかげのいるいちはしゅういのびるよりさらにたかい。)
しかしその人影のいる位置は周囲のビルよりさらに高い。
(びるのあいだにはられたろーぷでつなわたりをしているわけでもなさそうだった。)
ビルの間に張られたロープで綱渡りをしているわけでもなさそうだった。
(やがてそのひとかげはゆっくりとこくうをすすみつづけ、びるのうえにきえて)
やがてその人影はゆっくりと虚空を進み続け、ビルの上に消えて
(みえなくなってしまった。あきらかにこのよのものではない。)
見えなくなってしまった。明らかにこの世のものではない。
(そのそらをあるくおとこをみてしまったひとにはのろいがかかり、そのあと、)
その空を歩く男を見てしまった人には呪いがかかり、その後、
(たかいところからおちてけがをしたり、もしくはたかいところから)
高いところから落ちて怪我をしたり、もしくは高いところから
(おちてきたものがあたまにあたったりしてけがをするのだという。)
落ちてきたものが頭に当たったりして怪我をするのだという。
(「そのみたっていうどうきゅうせいもけがをした?」)
「その見たっていう同級生も怪我をした?」
(「さあ。どうだったかなあ」)
「さあ。どうだったかなあ」
(くびをひねっている。)
首を捻っている。
(どうやらさいごののろいうんぬんはかいだんにつきもののおまけのようなものか。)
どうやら最後の呪い云々は怪談につきもののオマケのようなものか。
(つたえきいたひとがだれかにはなすとき、そういうかいいがあるということだけでは)
伝え聞いた人が誰かに話すとき、そういう怪異があるということだけでは
(ものたりないとおもえば、たいしたりょうしんのかしゃくもなく、)
もの足りないと思えば、大した良心の呵責もなく、
(ほんのさーびすせいしんでそんなぶぶんをつけたしてしまうものだ。)
ほんのサービス精神でそんな部分を付け足してしまうものだ。
(つたんかーめんおうのはかをあばいたちょうさたいのめんばーがつぎつぎと)
ツタンカーメン王の墓を暴いた調査隊のメンバーが次々と
(かいしをとげたという「ふぁらおののろい」はゆうめいだが、じっさいにはちょうさたいいんの)
怪死を遂げたという「ファラオの呪い」は有名だが、実際には調査隊員の
(しいんのみならず、しんだということさえかくうのはなしである。)
死因のみならず、死んだということさえ架空の話である。
(その「のろい」はただのつけたされたそうさくなのだ。)
その「呪い」はただの付け足された創作なのだ。
(はっくつちょうさにかかわったにじゅうさんにんのそのあとのせいしをちょうさしたぐるーぷのけんきゅうでは、)
発掘調査に関わった二十三人のその後の生死を調査したグループの研究では、
(はっくつごのへいきんじゅみょうにじゅうよんねん、)
発掘後の平均寿命二十四年、
(しぼうじのへいきんねんれいななじゅうさんさいというけっかがでている。)
死亡時の平均年齢七十三歳という結果が出ている。
(なにもおもしろいことのないすうじだ。)
なにも面白いことのない数字だ。
(しかし、そんなかいいたんをもりあげるためのこちょうやでたらめはあったとしても、)
しかし、そんな怪異譚を盛り上げるための誇張やデタラメはあったとしても、
(はわーど・かーたーをちゅうしんにかれらがはっくつしたつたんかーめんおうのはかだけは)
ハワード・カーターを中心に彼らが発掘したツタンカーメン王の墓だけは
(じじつである。)
事実である。
(そらをあるくおとこはどうだろうか。)
そらをあるくおとこはどうだろうか。
(そんなひとかげをみた、ということじたいはじゅうぶんにかいだんてきだけれども、)
そんな人影を見た、ということ自体は十分に怪談的だけれども、
(どこかみょうなかんじがする。)
どこか妙な感じがする。
(いんねんばなしもからまず、きょうくんめいたはなしのつくりでもない。)
因縁話も絡まず、教訓めいた話の作りでもない。
(そこからかんじられるおそろしさは、そのあとのとってつけたような)
そこから感じられる恐ろしさは、その後の取ってつけたような
(けがにまつわるごじつだんからくるものではないだろうか。)
怪我にまつわる後日談からくるものではないだろうか。
(なんだかほんまつてんとうだ。)
なんだか本末転倒だ。
(つまりかんじんのぜんはんぶぶんが、そうさくされるひつぜんせいがないのである。)
つまり肝心の前半部分が、創作される必然性がないのである。
(すべてのようそが、こうつげている。)
すべての要素が、こう告げている。
(「そらをあるくおとこは、じっさいにかんそくされた」と。)
「そらをあるくおとこは、実際に観測された」と。
(そのじじつからうまれたかいだんなのではないだろうか。)
その事実から生まれた怪談なのではないだろうか。
(さっかくやなにかのとりっくがそこにあるのかもしれない。)
錯覚や何かのトリックがそこにあるのかも知れない。
(はなしをきかせてくれたふたりにれいをいって、)
話を聞かせてくれた二人に礼を言って、
(ぼくはじっさいにそのばしょへいってみることにした。)
僕は実際にその場所へ行ってみることにした。