信号機 -2-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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(「あれなにしてんのかなあ」) 「あれ何してんのかなあ」 (「なにしてるんでしょうね」) 「何してるんでしょうね」 (「おい」) 「おい」 (「え」) 「え」 (かなこさんがきゅうにかおをこちらにむけた。) 加奈子さんが急に顔をこちらに向けた。 (「ちょっといって、きいてこい」) 「ちょっと言って、訊いてこい」 (「は?」) 「は?」 (すとろーからくちをはなしたかとおもうと、かっぷをもつてから) ストローから口を離したかと思うと、カップを持つ手から (ひとさしゆびだけをたててこちらにむける。) 人差し指だけを立ててこちらに向ける。 (「だから、いまからあそこいって、なにしてんのかきいてこい」) 「だから、今からあそこ行って、何してんのか訊いてこい」 (「はあ」) 「はあ」 (しぶしぶたちあがる。) しぶしぶ立ち上がる。 (かなこさんはさめかけたぽてとのかけらをゆびさきでさぐりながら) 加奈子さんは冷めかけたポテトの欠片を指先で探りながら (またまどのそとにめをやっている。ぼくはのみものやたべかけのはんばーがーを) また窓の外に目をやっている。僕は飲み物や食べかけのハンバーガーを (のこしたままひとりだけでかいだんをおり、はんばーがーしょっぷのそとにでる。) 残したまま一人だけで階段を降り、ハンバーガーショップの外に出る。 (またかいだんをのぼり、もどってきたときもかなこさんはおなじぽーずでまどのそとをみていた。) また階段を上り、戻って来た時も加奈子さんは同じポーズで窓の外を見ていた。 (せきにつくと、こころなしかぼくのばーがーがちいさくなっている。) 席に着くと、心なしか僕のバーガーが小さくなっている。 (もちあげてじっとながめていると、「どうだった」というこえ。) 持ち上げてじっと眺めていると、「どうだった」という声。 (「ええ。なんか、しんごうをまっているそうです」) 「ええ。なんか、信号を待っているそうです」 (「しんごう?なんどもあおになってるじゃん」) 「信号?何度も青になってるじゃん」
など
(「いや、それがほこうしゃようのしんごうって、にんげんがあるいてるまーくがあおで、) 「いや、それが歩行者用の信号って、人間が歩いてるマークが青で、 (まっすぐたってるまーくがあかじゃないですか」) 真っ直ぐ立ってるマークが赤じゃないですか」 (「そうだな」) 「そうだな」 (「じぶんはちがうそうです」) 「自分は違うそうです」 (「は?」) 「は?」 (「いや、ほら。あしが・・・・・」) 「いや、ほら。足が・・・・・」 (「ないからって?」) 「ないからって?」 (ししょうはあきれたようにかおをしかめる。) 師匠は呆れたように顔をしかめる。 (「はい。しんごうがすすんでいいまーくにかわらないから) 「はい。信号が進んでいいマークに変わらないから (ずっとまってるとかなんとか・・・・・」) ずっと待ってるとかなんとか・・・・・」 (「おばけようのしんごうなんてあるか!」) 「お化け用の信号なんてあるか!」 (ばかじゃないの。) バカじゃないの。 (ししょうはてーぶるをたたく。) 師匠はテーブルを叩く。 (「じゃああいつ、ずっとあそこでまってるつもりか」) 「じゃああいつ、ずっとあそこで待ってるつもりか」 (「さあ。たぶん」) 「さあ。たぶん」 (まどのむこうにめをやると、おうだんほどうのところにまだそのひとかげが) 窓の向こうに目をやると、横断歩道のところにまだその人影が (じっとしているのがみえた。あるきだすひとびとからぽつりとひとりはなれて。) じっとしているのが見えた。歩き出す人々からぽつりと一人離れて。 (「あいつしにたてなのかな」) 「あいつ死にたてなのかな」 (「さあ。たぶん」) 「さあ。たぶん」 (ぼくはちいさくなったようにみえるばーがーの、) 僕は小さくなったように見えるバーガーの、 (きつねいろのばんずのうえにのこるちいさなはがたをながめている。) キツネ色のバンズの上に残る小さな歯形を眺めている。 (かなこさんはなにかぶつぶついっていたが、やがてかおをあげてくちをひらいた。) 加奈子さんは何かぶつぶつ言っていたが、やがて顔を上げて口を開いた。 (「いくらなんでも、そんなことでこのさきやっていけるのか」) 「いくらなんでも、そんなことでこの先やっていけるのか」 (おこったようなくちょうだった。) 怒ったような口調だった。 (しりませんよ、そんなこと。) 知りませんよ、そんなこと。 (かなこさんはいきなりたちあがった。) 加奈子さんはいきなり立ち上がった。 (「せっきょうしてくる」) 「説教してくる」 (そしてぼくがとめるのもきかず、さっさとかいだんをおりていってしまった。) そして僕が止めるのも聞かず、さっさと階段を降りていってしまった。 (のこされたぼくはためいきをついてからむかいのせきのたべものをあさろうとした。) 残された僕は溜め息をついてから向かいの席の食べ物を漁ろうとした。 (しかしぽてとはかけらひとつのこってはいなかった。) しかしポテトは欠片一つ残ってはいなかった。 (もどってきたかなこさんは、すこしふきげんそうだった。) 戻ってきた加奈子さんは、少し不機嫌そうだった。 (「どうでした」) 「どうでした」 (このまどからみていたかぎりでは、おうだんほそうのまえでみぶりてぶりで) この窓から見ていた限りでは、横断舗装の前で身振り手振りで (かなこさんがなにかいっているあいだにそのひとかげはきえてしまった。) 加奈子さんが何か言っている間にその人影は消えてしまった。 (はくちゅうに、にんげんがひとりきえてしまったことよりも、だれもいないばしょに) 白昼に、人間が一人消えてしまったことよりも、誰もいない場所に (ひとりでわめいているじょせいにたいしてみちいくひとびとはきみのわるそうなしせんをむけている。) 一人で喚いている女性に対して道行く人々は君の悪そうな視線を向けている。 (もともとぼくらいがいのだれにもみえていないのだ。そのきまじめなおばけは。) 元々僕ら以外の誰にも見えていないのだ。その生真面目なお化けは。
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