本 -2-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | subaru | 8170 | 神 | 8.4 | 96.5% | 319.3 | 2705 | 96 | 62 | 2026/05/20 |
| 2 | berry | 8084 | 神 | 8.1 | 99.0% | 328.4 | 2682 | 27 | 62 | 2026/05/20 |
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問題文
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(かいぶつのうまれたよるにあつまったひとたちはもうぜんいんいなくなってしまった。)
怪物の生まれた夜に集まった人たちはもう全員いなくなってしまった。
(それだけではない。やくざも。とおりまも。あのきゅうけつきでさえ。)
それだけではない。ヤクザも。通り魔も。あの吸血鬼でさえ。
(ひとり、ひとりと、じゅんばんに。ときに、まったくむかんけいであるかのよに、ひっそりと。)
一人、一人と、順番に。時に、まったく無関係であるかのよに、ひっそりと。
(だが、かくじつにそのみえざるあくいは、)
だが、確実にその見えざる悪意は、
(てきたいしたすべてのそんざいをこのまちからけしていった。)
敵対したすべての存在をこの街から消していった。
(そのだれもがおれなんかよりずっとすごいひとたちだった。なのに。なのにだ。)
その誰もが俺なんかよりずっと凄い人たちだった。なのに。なのにだ。
(おもわずおぞけでからだがふるえる。)
思わず怖気で身体が震える。
(そんなおそろしいあいてから、さいごのひょうてきであるるりというなまえのそのしょうじょを、)
そんな恐ろしい相手から、最後の標的である瑠璃という名前のその少女を、
(おれとおんきょうのふたりだけでししゅするはめになったのだ。)
俺と音響の二人だけで死守する羽目になったのだ。
(いまにしておもってもかんがえられないじたいだ。)
今にして思っても考えられない事態だ。
(たのみのつなであるおれのししょうさえ、)
頼みの綱である俺の師匠さえ、
(そのじてんですでにつかいものにならないじょうたいだったのだから。)
その時点ですでに使い物にならない状態だったのだから。
(じっとりとてのひらがあせばんでいる。おもいだすだけでこれだ。)
じっとりと手のひらが汗ばんでいる。思い出すだけでこれだ。
(「そつぎょうって、どうなったの」)
「卒業って、どうなったの」
(おんきょうがすぷーんをおいてとつぜんそうきいてきた。)
音響がスプーンを置いて突然そう訊いて来た。
(きゅうにげんじつにひきもどされる。)
急に現実に引き戻される。
(そう。どこにでもいる、りゅうねんぐみのだいがくせいのじぶんに。)
そう。どこにでもいる、留年組の大学生の自分に。
(「あとにねんはかかるな」とこたえると、「だっさ」といわれた。)
「あと二年はかかるな」と答えると、「ダッサ」と言われた。
(おかえしに「おまえはどうなんだ」ときいた。)
お返しに「お前はどうなんだ」と訊いた。
(「ことしじゅけんだろ。こんなところであぶらうってるひまがあるのか」)
「今年受験だろ。こんなところで油売ってる暇があるのか」
など
(「いいの。よゆうだから」)
「いいの。余裕だから」
(「どこうけるんだ」)
「どこ受けるんだ」
(「ししょうんとこのだいがく」)
「師匠んとこの大学」
(「ししょうっていうな」)
「師匠って言うな」
(このこむすめは、このところいやがらせでおれのことをししょうとよぶのだ。)
この小娘は、このところ嫌がらせで俺のことを師匠と呼ぶのだ。
(もちろんぜんぶしったうえでのことなので、しまつがわるい。)
もちろん全部知った上でのことなので、始末が悪い。
(あきらかににゅあんすてきにそんけいのせいぶんはぜろだ。)
明らかにニュアンス的に尊敬の成分はゼロだ。
(おれがそうよんでいたときいじょうにひどい。)
俺がそう呼んでいた時以上に酷い。
(「ていうか、うちのだいがくがよゆうかよ。くさってもこくりつだぞ」)
「ていうか、うちの大学が余裕かよ。腐っても国立だぞ」
(それにそんなよゆうならもっとうえのだいがくをうければいいじゃないか。)
それにそんな余裕ならもっと上の大学を受ければいいじゃないか。
(そういおうとしたら、さきまわりされた。)
そう言おうとしたら、先回りされた。
(「おかあさんが、じもとにしなさいって」)
「お母さんが、地元にしなさいって」
(あっそ。)
あっそ。
(じもとみんのこくりつだいなまのおんなはがくりょくてきにわんらんくじょうのほうのっとってやつか。)
地元民の国立大生の女は学力的にワンランク上の法則ってやつか。
(あほそうなみためにわすれてしまいそうになるが、)
アホそうな見た目に忘れてしまいそうになるが、
(こいつはきこくしじょでえいごぺらぺらだったな。)
こいつは帰国子女で英語ペラペラだったな。
(すんだことのあるくにのげんごをよみかきできるという、ただそれだけで、)
住んだことのある国の言語を読み書きできるという、ただそれだけで、
(てんすうはいぶんのおおいかもくでおおきなあどばんてーじになるというのは、)
点数配分の多い課目で大きなアドバンテージになるというのは、
(ずるいきがする。)
ずるい気がする。
(「そういえば、あのすなみさんはそつぎょう?」)
「そういえば、あの角南さんは卒業?」
(「ああ」)
「ああ」
(ふてくされてうなずく。)
不貞腐れて頷く。
(ふつうのだいがくせいはよんねんたったらそつぎょうするの!)
普通の大学生は四年経ったら卒業するの!
(そういって、きつめのすぱいすにいためつけられたのどにみずをながしこむ。)
そう言って、きつめのスパイスに痛めつけられた喉に水を流し込む。
(「で、ようけんはなんだ。このあとでーとでもしようかってか」)
「で、用件はなんだ。このあとデートでもしようかってか」
(このこむすめによびだされるときは、)
この小娘に呼び出される時は、
(そのきゅうわりがたえなことにくびをつっこんだあげくのしりぬぐいのおねがいだった。)
その九割が妙なことに首を突っ込んだ挙句の尻拭いのお願いだった。
(「それなんだけどね」)
「それなんだけどね」
(おんきょうはそういってたいらげたかれーのさらをてーぶるのすみにおしやる。)
音響はそう言って平らげたカレーの皿をテーブルの隅に押しやる。
(そしてくろいふわふわしたばっぐからいっさつのほんをとりだしてめのまえにおいた。)
そして黒いふわふわしたバッグから一冊の本を取り出して目の前に置いた。
(やはりのこりのいちわりではないらしい。)
やはり残りの一割ではないらしい。
(しかしだされたそのほんをみて、おや、とおもった。みおぼえがあるのだ。)
しかし出されたその本を見て、おや、と思った。見覚えがあるのだ。
(「「それまんのくうかんてい」じゃないか」)
「「ソレマンの空間艇」じゃないか」
(こどものころによんだじゅぶないるのsfしょうせつだ。)
子どもの頃に読んだジュブナイルのSF小説だ。
(たいとるがいんしょうてきだったからおぼえていたが、)
タイトルが印象的だったから覚えていたが、
(ないようはすぐにはうかんでこなかった。)
内容はすぐには浮かんでこなかった。
(にほんじんのこどもがうちゅうふねにのりこんでだいぼうけんをするはなしだったような・・・・・)
日本人の子どもが宇宙船に乗り込んで大冒険をする話だったような・・・・・
(「へえ、そうなんだ」)
「へえ、そうなんだ」
(なんとかおもいだそうとしているおれを、まったくきょうみなさげにおんきょうはきってすてた。)
なんとか思い出そうとしている俺を、全く興味なさげに音響は切って捨てた。
(「じぶんでもってきたんだろ」)
「自分で持って来たんだろ」
(むかっとしたのでそういいかえすと、おんきょうはふしぎなことをくちにした。)
ムカッとしたのでそう言い返すと、音響は不思議なことを口にした。
(「このほんのないようのことなんだけど、このほんのことじゃないの」)
「この本の内容のことなんだけど、この本のことじゃないの」