注文の多い料理店4
「注文の多い料理店」の続きです。
はじめは「大歓迎なのかな」と大喜びの二人ですが、店からの要求がだんだんうるさくなり…
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問題文
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(「うん、これはきっとちゅうもんがあまりおおくてしたくが)
「うん、これはきっと注文があまり多くて支度が
(てまどるけれどもごめんくださいとこういうことだ。」)
手間取るけれどもごめん下さいとこういうことだ。」
(「そうだろう。はやくどこかべやのなかにはいりたいもんだな。」)
「そうだろう。早くどこか部屋の中にはいりたいもんだな。」
(「そしててーぶるにすわりたいもんだな。」)
「そしてテーブルに座りたいもんだな。」
(ところがどうもうるさいことは、またとびらがひとつありました。)
ところがどうもうるさいことは、また扉が一つありました。
(そしてそのわきにかがみがかかって、そのしたにはながいえの)
そしてそのわきに鏡がかかって、その下には長い柄の
(ついたぶらしがおいてあったのです。)
ついたブラシが置いてあったのです。
(とびらにはあかいじで、)
扉には赤い字で、
(「おきゃくさまがた、ここでかみをきちんとして、)
「お客さまがた、ここで髪をきちんとして、
(それからはきもののどろをおとしてください。」)
それからはきものの泥を落してください。」
(とかいてありました。)
と書いてありました。
(「これはどうももっともだ。ぼくもさっきげんかんで、)
「これはどうももっともだ。僕もさっき玄関で、
(やまのなかだとおもってみくびったんだよ」)
山のなかだとおもって見くびったんだよ」
(「さほうのきびしいいえだ。きっとよほどえらいひとたちが)
「作法の厳しい家だ。きっとよほど偉い人たちが
(たびたびくるんだ。」)
たびたび来るんだ。」
(そこでふたりは、きれいにかみをけずって、)
そこで二人は、きれいに髪をけずって、
(くつのどろをおとしました。)
靴の泥を落しました。
(そしたら、どうです。)
そしたら、どうです。
(ぶらしをいたのうえにおくやいなや、そいつがぼうっと)
ブラシを板の上に置くや否や、そいつがぼうっと
(かすんでなくなって、かぜがどうっとむろのなかに)
かすんで無くなって、風がどうっと室の中に
など
(とびらをがたんとあけて、つぎのむろへはいっていきました。)
扉をがたんと開けて、次の室へ入って行きました。
(もうとほうもないことになってしまうと、ふたりともおもったのでした。)
もう途方もないことになってしまうと、二人とも思ったのでした。
(はいってきました。)
入ってきました。
(はやくなにかあたたかいものでもたべて、げんきをつけておかないと、)
早く何か暖いものでもたべて、元気をつけて置かないと、
(ふたりはびっくりして、たがいによりそって、)
二人はびっくりして、互いによりそって、
(とびらのうちがわに、またへんなことがかいてありました。)
扉の内側に、また変なことが書いてありました。
(「てっぽうとだんがんをここへおいてください。」)
「鉄砲と弾丸をここへ置いてください。」
(みるとすぐよこにくろいだいがありました。)
見るとすぐ横に黒い台がありました。
(「なるほど、てっぽうをもってものをくうというほうはない。」)
「なるほど、鉄砲を持ってものを食うという法はない。」
(「いや、よほどえらいひとがしじゅうこているんだ。」)
「いや、よほど偉いひとが始終来ているんだ。」
(ふたりはてっぽうをはずし、おびかわをといて、それをだいのうえにおきました。)
二人は鉄砲をはずし、帯皮を解いて、それを台の上に置きました。
(またくろいとびらがありました。)
また黒い扉がありました。
(「どうかぼうしとがいとうとくつをおとりください。」)
「どうか帽子と外套と靴をおとり下さい。」
(「どうだ、とるか。」)
「どうだ、とるか。」
(「しかたない、とろう。たしかによっぽどえらいひとなんだ。おくにきているのは」)
「仕方ない、とろう。たしかによっぽどえらいひとなんだ。奥に来ているのは」
(ふたりはぼうしとおーばーこーとをくぎにかけ、くつをぬいでぺたぺたあるいて)
二人は帽子とオーバーコートを釘にかけ、靴をぬいでぺたぺたあるいて
(とびらのなかにはいりました。とびらのうらがわには、)
扉の中にはいりました。扉の裏側には、
(「ねくたいぴん、かふすぼたん、めがね、さいふ、そのたかなものるい、)
「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、
(ことにとがったものは、みんなここにおいてください」)
ことに尖ったものは、みんなここに置いてください」