テレビ -5-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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1 berry 8011 8.1 98.6% 350.6 2849 40 57 2026/06/24
2 Jyo 6515 S+ 6.6 98.2% 429.9 2853 52 57 2026/06/24

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問題文

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(「しかいじたいはかさのようにひろがってるけど、) 「視界自体は傘のように広がってるけど、 (めがあうというじょうきょうはしかいのしょうめんでなくてはならない。つまりせんだ」) 目が合うという状況は視界の正面でなくてはならない。つまり線だ」 (このせんのうえにたまたまほかのひとのめがあったわけだが、) この線の上にたまたま他の人の目があったわけだが、 (ひともまばらなほーむで、くびがちゅうをとんだいっしゅんにしせんとしせんがあうという) 人もまばらなホームで、首が宙を飛んだ一瞬に視線と視線が合うという (ぐうぜんじたいがなかなかおこりえないことだ。) 偶然自体がなかなか起こりえないことだ。 (いてひとりだね。) いて一人だね。 (ほーむでよこにずらっときゃくがならんでたらべつだが、) ホームで横にずらっと客が並んでたら別だが、 (もちろんそんなことはない。ということは、どういうことだ?」) もちろんそんなことはない。ということは、どういうことだ?」 (はなしをふられて、ぼくとりんじんはかおをみあわせる。) 話を振られて、僕と隣人は顔を見合わせる。 (「だから、そのうんのわるいひとりとめがあったんでしょ」) 「だから、その運の悪い一人と目があったんでしょ」 (「そうだ。そしてなまくびとめがあったひとは、そのよるにかいきげんしょうにおそわれる。) 「そうだ。そして生首と目があった人は、その夜に怪奇現象に襲われる。 (それがつづくすとれすでのいろーぜになってしまう。) それが続くストレスでノイローゼになってしまう。 (だけど、そのかいきげんしょうじたいが、そもそもじんしんじこをもくげきするという) だけど、その怪奇現象自体が、そもそも人身事故を目撃するという (しょっきんぐなたいけんをしてしまったことによる、) ショッキングな体験をしてしまったことによる、 (すとれすがひきおこしたともかんがえられる。) ストレスが引き起こしたとも考えられる。 (ありえるはなしだろう。おかしなことじゃない。) ありえる話だろう。おかしなことじゃない。 (おかしいのは、そのなまくびとめがあってしまったじんぶつが、) おかしいのは、その生首と目が合ってしまった人物が、 (おおしまのしりあいのともだちであり、だいがくのかわむらくんのともだちであり、) 大島の知り合いの友だちであり、大学の川村君の友だちであり、 (しょうがくせいのみゆきちゃんのともだちであり、しゅふのあさこさんのともだちであり、) 小学生のみゆきちゃんの友だちであり、主婦の麻子さんの友だちであり、 (げーとぼーるのあいこうかいのまさよしじいさんのともだちであり、) ゲートボールの愛好会の政吉じいさんの友だちであり、
など
(あふりかからのりゅうがくせいのばらくくんのともだちであるということだ」) アフリカからの留学生のバラク君の友だちであるということだ」 (なぜか、ぞくりとした。) なぜか、ぞくりとした。 (いまでたなまえはすべてししょうがしゅうしゅうしたうわさばなしのはなしてなのだろう。) 今出た名前はすべて師匠が蒐集した噂話の話し手なのだろう。 (なんだかほのぼのとしたかおばかりうかぶが、) なんだかほのぼのとした顔ばかり浮かぶが、 (そのぶんよけいにきみがわるいようなきがした。) その分余計に気味が悪いような気がした。 (「ねんれいは、ぞくしているしゃかいにもまったくせってんのないふとくていたすうのひとびとと、) 「年齢は、属している社会にもまったく接点のない不特定多数の人々と、 (きょうつうのゆうじんであるそのだれかは、じぶんじしんにはなまえがない。) 共通の友人であるその誰かは、自分自身には名前がない。 (ただかれらのしりあい、ともだちである、というぱーそなりてぃしかない。) ただ彼らの知り合い、友だちである、というパーソナリティしかない。 (そしてかもつしゃにはねられ、そくししたはずのひとのなまくびと、めがあったという。) そして貨物車に跳ねられ、即死したはずの人の生首と、目が合ったという。 (そのだれかのほうが、よほどようかいてきななにかだとおもうね」) その誰かの方が、よほど妖怪的ななにかだと思うね」 (ししょうはなべからそうめんのおかわりをうつわにとりわけながら、そういった。) 師匠は鍋からそうめんのおかわりを器に取り分けながら、そう言った。 (「きもちがわるいですね」) 「気持ちが悪いですね」 (ぼくがそういうと、りんじんもうなずいている。) 僕がそういうと、隣人も頷いている。 (それからさらにししょうはじんしんじこにまつわるかいだんばなしをいくつかひろうして、) それからさらに師匠は人身事故にまつわる怪談話をいくつか披露して、 (そのあいまあいまにそうめんをたべつづけた。) そのあい間あい間にそうめんを食べ続けた。 (てれびはにゅーすのあとしちょうりつのひくそうなじょうほうばんぐみにかわり、) テレビはニュースのあと視聴率の低そうな情報番組に変わり、 (ぼくらはそれをだせいをみていた。) 僕らはそれを惰性を見ていた。 (しゅふのたいけんだんをさいげんしたvtrがだらだらとながれていて、) 主婦の体験談を再現したVTRがだらだらと流れていて、 (そのなかでおっとのうわきげんばをもくげきしてしまったというしーんがうつしだされたときに、) その中で夫の浮気現場を目撃してしまったというシーンが映し出された時に、 (ししょうが「あ」といった。) 師匠が「あ」と言った。 (じたくのいっしつのふすまをしゅふがあけようとするばめんだ。) 自宅の一室の襖を主婦が開けようとする場面だ。 (そのなかではおっととうわきあいてがたいへんなことになっていた、というはなしだが、) その中では夫と浮気相手が大変なことになっていた、という話だが、 (ししょうはそのふすまをあけるところにはんのうしていた。) 師匠はその襖を開けるところに反応していた。 (「さいきんかんがえたんだけど、ふすまってさ、) 「最近考えたんだけど、襖ってさ、 (りょうびらきだとこうりょうてのゆびをさしいれてさゆうにひくよな」) 両開きだとこう両手の指をさし入れて左右に引くよな」 (ししょうはおきあがってめのまえにりょうてをだし、それをうごきでしめす。) 師匠は起き上がって目の前に両手を出し、それを動きで示す。 (りょうひじをはって、ちょうどめのたかさにてのひらがかぎをつくっている。) 両肘を張って、丁度目の高さに手のひらが鉤を作っている。 (「ふつうはもっとひくいいちでしょ、ひざのあたりでひらかないですか。) 「普通はもっと低い位置でしょ、膝のあたりで開かないですか。 (そんなちからのはいったいちだとまるでほらーですよ」) そんな力の入った位置だとまるでホラーですよ」 (「そのほらーのはなしをしてるんだよ」) 「そのホラーの話をしてるんだよ」 (ああ。それならよくそんなしーんをみるきがする。) ああ。それならよくそんなシーンを見る気がする。 (とじていたふすまがすこしひらいて、そのおくからぎょろりとしためがのぞく、) 閉じていた襖が少し開いて、その奥からギョロリとした目が覗く、 (というやつだ。) というやつだ。 (べただが、にほんかおくのもつどくとくのくらさとふんいきをさいげんできていれば、) ベタだが、日本家屋の持つ独特の暗さと雰囲気を再現できていれば、 (なかなかこわくなるばめんだ。) なかなか怖くなる場面だ。 (「それをもっとこわくできないかとおもってな。いろいろかんがえたんだ。まずこれ」) 「それをもっと怖くできないかと思ってな。色々考えたんだ。まずこれ」 (ししょうはさっきとおなじりょうひじをはったぽーずをとる。) 師匠はさっきと同じ両肘を張ったポーズをとる。
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