心霊写真 -4-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 7839 | 神 | 7.9 | 98.2% | 324.9 | 2592 | 45 | 60 | 2026/07/01 |
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問題文
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(「あのひとはすごいたんていだ。あのひとと、あにきのこんびにはだれもかなわなかった。)
「あの人は凄い探偵だ。あの人と、兄貴のコンビには誰もかなわなかった。
(ほんとうに。いつだってかっこよかった。)
本当に。いつだってかっこよかった。
(たかやさんのおじょうさんが、あんなことになるまでは・・・・・」)
高谷さんのお嬢さんが、あんなことになるまでは・・・・・」
(おとこのことばはとちゅうからうわごとのようになり、)
男の言葉は途中からうわ言のようになり、
(だんだんとなにをいっているのかわからなくなった。)
だんだんと何を言っているのか分からなくなった。
(ぎしり。)
ギシリ。
(ぼくがですくのいすにこしかけたしゅんかん、おとこのめがあいた。)
僕がデスクの椅子に腰掛けた瞬間、男の目が開いた。
(「もうひとりは?」)
「もう一人は?」
(そういいながらみをおこす。いっしゅん、いたそうなそぶり。)
そう言いながら身を起こす。一瞬、痛そうなそぶり。
(「もうひとりのおとこは?」)
「もう一人の男は?」
(くりかえしてきかれ、ししょうははっとりさんのいなくなったですくにめをやる。)
繰り返して訊かれ、師匠は服部さんのいなくなったデスクに目をやる。
(「めんどうごとのにおいをかぎつけて、さっさとかえったよ」)
「面倒ごとの匂いを嗅ぎつけて、さっさと帰ったよ」
(ですくのうえには、かんせいしたほうこくしょのつかがあった。)
デスクの上には、完成した報告書の束があった。
(「たれこむきか」)
「タレ込む気か」
(おとこなうなるようなこえをだしてそふぁからたちあがった。)
男な唸るような声を出してソファから立ち上がった。
(「おい。おちつけよ。そんなわけないから」というししょうのこえにもみみをかさずに、)
「おい。落ち着けよ。そんなわけないから」と言う師匠の声にも耳を貸さずに、
(おとこはわめく。)
男は喚く。
(「かんごふはいい。だが、あのおとこはだめだ」)
「看護婦はいい。だが、あの男はだめだ」
(「きゅうきゅうしゃのつぎくらいにか」)
「救急車の次くらいにか」
(ししょうのかるくちにしたうちをして、おとこはかべにかけておいたこーとにてをのばす。)
師匠の軽口に舌打ちをして、男は壁にかけておいたコートに手を伸ばす。
など
(「こうしんじょのにんげんはしんようできん」)
「興信所の人間は信用できん」
(「こちら、よくわかってらっしゃる」)
「こちら、良く分かってらっしゃる」
(おほほ、とくちもとにてをやってわらうししょうをにらみつけると、)
おほほ、と口元に手をやって笑う師匠を睨みつけると、
(おとこはてばやくこーどをみにつけ、はんちんぐぼうをまぶかにかぶった。)
男は手早くコードを身につけ、ハンチング帽を目深にかぶった。
(「おっと、ほんとうにれいもいわずにかえるきか」)
「おっと、本当に礼も言わずに帰る気か」
(ししょうがゆくてにたちふさがる。)
師匠が行く手に立ちふさがる。
(おとこはどん、とかたでししょうにぶつかりながらいった。)
男はドン、と肩で師匠にぶつかりながら言った。
(「ありがとよ、ばいとのおじょうさん」)
「ありがとよ、バイトのお嬢さん」
(そうしてそのわきをすりぬけながら、)
そうしてその脇をすり抜けながら、
(ふらつくあしもとのままどあのむこうへきえていった。)
ふらつく足元のままドアの向こうへ消えて行った。
(そんなことがあったいがいは、じつにへいわにじかんはすぎた。)
そんなことがあった以外は、じつに平和に時間は過ぎた。
(ぼくとししょうはさっきのできごとをぽつぽつとわだいにしながら、)
僕と師匠はさっきの出来事をぽつぽつと話題にしながら、
(おちゃなどをのんでいた。)
お茶などを飲んでいた。
(やがてとけいのはりがしょうごをすぎるころ、おがわしょちょうがかえってきた。)
やがて時計の針が正午を過ぎるころ、小川所長が帰ってきた。
(「あれ、なにかあった?」)
「あれ、なにかあった?」
(ねくたいをくびからはずしながら、ひくひくとはなをうごかしている。)
ネクタイを首から外しながら、ひくひくと鼻を動かしている。
(そういわれてぼくもまねをすると、しょうどくにつかったあるこーるのにおいが)
そう言われて僕も真似をすると、消毒に使ったアルコールの匂いが
(へやにのこっていることがわかった。)
部屋に残っていることが分かった。
(「ちのにおいがするよ」)
「血の匂いがするよ」
(それはきづかなかった。しっていたはずのぼくでさえ。)
それは気づかなかった。知っていたはずの僕でさえ。
(ししょうがさっきのできごとをかいつまんでせつめいする。)
師匠がさっきの出来事をかいつまんで説明する。
(しょちょうはむずかしいかおをしてきいていた。)
所長は難しい顔をして聞いていた。
(「たむらか」)
「田村か」
(ききおわったあと、ぼそりといった。ふかいためいきまでついている。)
聞き終わったあと、ぼそりと言った。深いため息までついている。
(「じょうほうやなのか」)
「情報屋なのか」
(ししょうがそうきくと、しょちょうはあいまいにうなずいた。)
師匠がそう訊くと、所長はあいまいに頷いた。
(「ななつうえのあにがいてな。そのあにはゆうしゅうなじょうほうやだった。)
「七つ上の兄がいてな。その兄は優秀な情報屋だった。
(ぼくもいろいろとたすけてもらったよ。だけどよんねんまえにしんだんだ」)
僕も色々と助けてもらったよ。だけど四年前に死んだんだ」
(ですくのうえにこしかけながら、はいざらをひきよせてたばこにひをつける。)
デスクの上に腰掛けながら、灰皿を引き寄せて煙草に火をつける。
(「じどうしゃじこだったな。たしか。はやすぎる。おしいひとをなくした」)
「自動車事故だったな。確か。早すぎる。惜しい人を亡くした」
(けむりがわっかになってとんでいく。)
煙がわっかになって飛んでいく。
(「ゆうしゅうなあににあこがれるばかりだったおとうとは、じぶんのなかでそのしをのりこえられず、)
「優秀な兄に憧れるばかりだった弟は、自分の中でその死を乗り越えられず、
(いちばんあんちょくなみちをえらんだ。ようするにあとをつごうとけついした。)
一番安直な道を選んだ。ようするに跡を継ごうと決意した。
(どりょくはみとめるよ。ぼくでもしりごみするようなところへ)
努力は認めるよ。僕でもしり込みするようなトコロへ
(ようようとのりこんでいくゆうきも。だけどそれだけだった。)
揚々と乗り込んでいく勇気も。だけどそれだけだった。
(せんすがないといえばそれまでだが・・・・・)
センスがないと言えばそれまでだが・・・・・
(くびねっこひっつかんででも、べつのみちをすすませるかいしょうがぼくにあれば、)
首根っこ引っつかんででも、別の道を進ませる甲斐性が僕にあれば、
(いまごろはもっとまとつなにんげんになっていただろうけど」)
今ごろはもっとまとつな人間になっていただろうけど」
(こどものことをさもしったようにかたるほごしゃのようなくちぶりだった。)
子どものことをさも知ったように語る保護者のような口ぶりだった。
(なんだかすくわれないようなきがして、ぼくはいってやりたくなった。)
なんだか掬われないような気がして、僕は言ってやりたくなった。