小説長文9! 第一話
恋愛小説系です!「雨音に紛れた恋」第一話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
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問題文
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(わたし、あさくらさなは、あのひとがきらいだった。)
私、朝倉紗奈は、あの人が嫌いだった。
(はじめてあったときから、なんとなくにがてだった。)
初めて会った時から、なんとなく苦手だった。
(りゆうはたんじゅん。)
理由は単純。
(せきがとなりなのに、ほとんどはなさない。)
席が隣なのに、ほとんど話さない。
(じゅぎょうちゅうもむひょうじょう。)
授業中も無表情。
(やすみじかんもひとり。)
休み時間も一人。
(なまえは、かみやみなと。)
名前は、神谷湊。
(くらすでは「むくちでこわいだんし」としてゆうめいだった。)
クラスでは「無口で怖い男子」として有名だった。
(「かみやくんって、ちょっとちかよりがたいよね。」)
「神谷くんって、ちょっと近寄りがたいよね。」
(ともだちがそういったとき、わたしはちいさくうなずいた。)
友達がそう言った時、私は小さく頷いた。
(「うん。わかる。」)
「うん。分かる。」
(べつにきらいなわけじゃない。)
別に嫌いなわけじゃない。
(ただ、なにをかんがえているのかわからない。)
ただ、何を考えているのか分からない。
(それだけだった。)
それだけだった。
(あるひのほうかご。)
ある日の放課後。
(とつぜん、はげしいあめがふりはじめた。)
突然、激しい雨が降り始めた。
(わたしはかさをもってきていなかった。)
私は傘を持ってきていなかった。
(「さいあく......。」)
「最悪......。」
(しょうこうぐちであめをながめていると、となりにだれかがたった。)
昇降口で雨を眺めていると、隣に誰かが立った。
(「これ、つかえば。」)
「これ、使えば。」
など
(ふりかえる。)
振り返る。
(かみやくんだった。)
神谷くんだった。
(「え?」)
「え?」
(「かさ。」)
「傘。」
(かれはじぶんのかさをわたしにさしだしていた。)
彼は自分の傘を私に差し出していた。
(「でも、かみやくんは?」)
「でも、神谷くんは?」
(「おれははしるから。」)
「俺は走るから。」
(「むりでしょ、こんなあめ。」)
「無理でしょ、こんな雨。」
(「だいじょうぶ。」)
「大丈夫。」
(それだけいって、かみやくんはあめのなかへはしっていった。)
それだけ言って、神谷くんは雨の中へ走っていった。
(「ちょっと......!」)
「ちょっと......!」
(よびとめるひまもなかった。)
呼び止める暇もなかった。
(わたしはてのなかのかさをみつめた。)
私は手の中の傘を見つめた。
(そして、はじめておもった。)
そして、初めて思った。
(もしかして。)
もしかして。
(このひと、こわいんじゃなくて。)
この人、怖いんじゃなくて。
(ただ、ぶきようなだけなのかもしれない。)
ただ、不器用なだけなのかもしれない。
(よくあさ。)
翌朝。
(わたしはかみやくんのせきにかさをおいた。)
私は神谷くんの席に傘を置いた。
(「きのう、ありがとう。」)
「昨日、ありがとう。」
(かれはすこしおどろいたかおをした。)
彼は少し驚いた顔をした。
(「......べつに。」)
「......別に。」
(「でも、かぜひいたらどうするの?」)
「でも、風邪ひいたらどうするの?」
(「ひかなかった。」)
「ひかなかった。」
(「そう。」)
「そう。」
(かいわは、それだけ。)
会話は、それだけ。
(なのに。)
なのに。
(きのうまでなんともおもっていなかったそのよこがおが、すこしだけきになる。)
昨日まで何とも思っていなかったその横顔が、少しだけ気になる。
(そしてわたしはまだしらなかった。)
そして私はまだ知らなかった。
(このちいさな「ありがとう」が、わたしたちのきょりをかえていくはじまりになることを。)
この小さな「ありがとう」が、私たちの距離を変えていく始まりになることを。