ゴジラ対ヘドラ ものがたり
1970(昭和45)年に開催された「日本万国博覧会」で
三菱未来館の総合プロデューサーを務めた田中友幸が、
その映像演出を行った坂野義光にゴジラ映画の監督を打診する。
第1作「ゴジラ」のようなメッセージ性のある作品にしたいと考えた
坂野は、万国後の公害問題を取り上げた。
円谷英二特技監督没後の東宝怪獣映画の新体制のもと、
円谷の遺産を次代に伝えるべくスタッフが一丸となって制作。
「ゴジラ対~」初のネガティブなテーマをタイトルに込め、
2大怪獣の死闘を描いた異色作&野心作だ。
引用:ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX
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問題文
(へどろでよごされて、いちめんにひろがった せっかっしょくのわんないに、)
ヘドロでよごされて、一面に広がった 赤褐色の湾内に、
(ぽかりぽかりうかんではきえていくあわ。)
ポカリポカリ浮かんでは消えて行く泡。
(そのあわのなかでただひとつ、いつまでも はじけずに、)
その泡の中でただ一つ、いつまでも はじけずに、
(かえってしだいにふくれあがるのがあった。)
かえって次第に膨れ上がるのがあった。
(それはおばqのようにあやしくゆれ、 のっぺらぼうなかおに)
それはオバQのようにあやしく揺れ、 のっぺらぼうな顔に
(ぶきみなめをふたつつけていた。)
不気味な眼を二つつけていた。
(それからまもなく、このうみぼうずのような かいぶつのしゅつげんにより)
それから間もなく、この海坊主のような 怪物の出現により
(きょだいたんかーもまっぷたつにひきさかれた。)
巨大タンカーも真っ二つに引き裂かれた。
(このかいぶつこそへどろのなかでたんじょうした かいぶつへどらだった。)
この怪物こそヘドロの中で誕生した 怪物ヘドラだった。
(うみへながれでたへどろをたべ、へどらは さらにけいたいをかえて)
海へ流れ出たヘドロを食べ、ヘドラは さらに形態を変えて
(きょだいにしんかしていった。)
巨大に進化していった。
(とどうじに、かくちのわんないでもたんかーの じこがぞくしゅつした。)
と同時に、各地の湾内でもタンカーの 事故が続出した。
(だが、じこはそれだけではおさまらなかった。)
だが、事故はそれだけでは収まらなかった。
(うみでのしょくりょうぶそくをきたしたへどらは、ついに たごのうらからりくちへとじょうりくした。)
海での食糧不足をきたしたヘドラは、ついに 田子の浦から陸地へと上陸した。
(こうぎょうちたいのえんとつのけむりやがそりんをたべた へどらは、)
工業地帯の煙突の煙やガソリンを食べた ヘドラは、
(さらにたいちょうも60めーとるとせいちょうしていった。)
さらに体長も60メートルと成長していった。
(ずんどうのにそくじゅうのようにたち、じょうはんしんは ごさいにかがやいた。)
寸胴の二足獣のように立ち、上半身は 五彩に輝いた。
(えねるぎーげんとなるたりょうのへどろを たいないにちくせきし、)
エネルギー源となる多量のヘドロを 体内に蓄積し、
(じぇっとふんしゃによるひこうもかのうとなり、)
ジェット噴射による飛行も可能となり、
(へどらのこうどうはんいもさらにひろまっていった。)
ヘドラの行動範囲もさらに広まっていった。
(そのけっか、つうかじにはいしゅつするたりょうの りゅうさんみすとは、)
その結果、通過時に排出する多量の 硫酸ミストは、
(すべてのせいたいにがいをおよぼしていった。)
全ての生体に害を及ぼしていった。
(ちをはい、そらをとび、たてものをつきぬけ、 すいちゅうをゆく、)
地をはい、空を飛び、建物をつきぬけ、 水中をゆく、
(そのしんしゅつきぼつ、へんけい、せつだんじざいの へどらは、まさににんじゃかいじゅうだ。)
その神出鬼没、変型、切断自在の ヘドラは、まさに忍者怪獣だ。
(へどらのいくところびるはほうかいし、 こうかがくすもっぐがおこった。)
ヘドラの行くところビルは崩壊し、 光化学スモッグがおこった。
(またへどらのくちからだんがんのごとくとばされる へどろとそうがんのうえから)
またヘドラの口から弾丸の如く飛ばされる ヘドロと双眼の上から
(はなたれるせきしょくこうせんによって、にんげんもいっしゅんにして はっこつとかしていった。)
放たれる赤色光線によって、人間も一瞬にして 白骨と化していった。
(かいようせいぶつがくしゃのやのとおるはかせは、この へどらぼくめつのために)
海洋生物学者の矢野徹博士は、この ヘドラ撲滅のために
(にちやけんきゅうにぼっとうした。)
日夜研究に没頭した。
(そして、ついにへどらのさいだいのじゃくてんが かんそうによわいことをつきとめた。)
そして、ついにヘドラの最大の弱点が 乾燥に弱いことをつきとめた。
(このままほうっておいたら、ますますきょだいかしてゆくへどらによって、)
このまま放っておいたら、ますます巨大化してゆくヘドラによって、
(さいごにはちきゅうをもたべられてしまうだろう。)
最後には地球をも食べられてしまうだろう。
(このちきゅうのききに、どこからともなく、 ひとこえたかくのうむのなかから)
この地球の危機に、何処からともなく、 一声高く濃霧の中から
(ごじらがしゅつげんした。)
ゴジラが出現した。
(ごじらは、いまだかつてないきょうてき、へどらに かんぜんとたちむかっていった。)
ゴジラは、いまだかつてない強敵、ヘドラに 敢然と立ち向かっていった。
(ごじらとへどら、このにとうのかいじゅうの いつはてるともしれない)
ゴジラとヘドラ、この二頭の怪獣の いつ果てるともしれない
(そうぜつなしとうはとうきょうわんから、さらに ふじのすそのへとてんかいされていった。)
壮絶な死闘は東京湾から、さらに 富士の裾野へと転回されていった。
(あくせんくとうするごじらのひだりめはつぶされ、)
悪戦苦闘するゴジラの左眼はつぶされ、
(ひだりてもへどろでなかばはっこつかしてしまった。)
左手もヘドロでなかば白骨化してしまった。
(かためかたうでとなってもしりょくをつくす ごじら!!)
片目片腕となっても死力を尽くす ゴジラ!!
(いっぽう、やのはかせはへどらだとうのために、 きょだいなでんきょくばんをはつめい、)
一方、矢野博士はヘドラ打倒のために、 巨大な電極板を発明、
(じえいたいのてによってふじのすそのへと はこびこまれた。)
自衛隊の手によって富士の裾野へと 運び込まれた。
(このでんきょくばんも、くみあったにとうのかいじゅうによってそうでんせんがせつだんされ、)
この電極板も、組み合った二頭の怪獣によって送電線が切断され、
(さいごののぞみもたたれたかにみえた。)
最後の望みも断たれたかに見えた。
(さんろくではごじらのはくあおじろいかえんふんしゃと へどらのあかいひがこうさくした。)
山麓ではゴジラの吐く青白い火炎噴射と ヘドラの赤い火が交錯した。
(やがてごじらによってでんきょくばんへと おいあげられたへどらにむかって、)
やがてゴジラによって電極板へと 追い上げられたヘドラに向かって、
(ごじらのさいごのちからをふりしぼっての かえんがはなたれた。)
ゴジラの最後の力を振り絞っての 火炎が放たれた。
(そのしゅんかん、かえんはでんきょくばんにかんのうし、)
その瞬間、火炎は電極板に感応し、
(ものすごいでんりゅうがへどらのたいないをつらぬいていった。)
物凄い電流がヘドラの体内を貫いていった。
(さしものへどらもすいじょうきをたちのぼらせ、 みるみるくずれおちていった。)
さしものヘドラも水蒸気を立ち昇らせ、 みるみる崩れ落ちていった。
(あとにはこだかいどろのやまがきずかれた。)
後には小高い泥の山が築かれた。
(と、そのなかから、とつじょ、ちいさくなった へどらがとびたった。)
と、その中から、突如、小さくなった ヘドラが飛び立った。
(それをおってごじらはくちからの じぇっとふんしゃによって)
それを追ってゴジラは口からの ジェット噴射によって
(くうちゅうにまいあがり、へどらにひっさつの たいあたりをかけた。)
空中に舞い上がり、ヘドラに必殺の 体当たりをかけた。
(へどらはごじらのきしゅうによってついにこなごなに ふんさいされた。)
ヘドラはゴジラの奇襲によってついに粉々に 粉砕された。
(やがて、ぜんりょくをだしつくしぜんしんきずだらけとなった ごじらは、)
やがて、全力を出し尽くし全身傷だらけとなった ゴジラは、
(ふたたびにんげんのまえからどこかへと さっていった)
再び人間の前からどこかへと 去っていった・・・。