空の大怪獣ラドン ものがたり

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空の大怪獣ラドン

1965(昭和31)年7月公開の東宝とショウ・ ブラザーズ(香港)
提供による東宝初のカラー特撮文芸映画「白夫人の妖恋」に
次いで、東宝が手がけた特撮怪獣映画のカラー第一作。
特撮としては「透明人間」以来の東宝正月映画となり、
同年4月にブロードウェイで公開され大ヒットを記録。
怪獣映画の海外マーケットを開拓した「怪獣王ゴジラ」に
つづく東宝特撮映画最新作として大きな話題を呼んだ。
原作に推理・SF作家として一連のノンフィクション秘境
ミステリー作品で知られる黒沼健を招き、サスペンス色の
強い怪獣映画
となっている。

引用:ゴジラ全映画DVDコレクターズBoX

関連タイピング

問題文

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(きゅうしゅうのあるたんこう。そうきからおおぜいのこうふがにゅうこうじゅんびにいそがしい。)

九州の或る炭鉱。早期から大勢の坑夫が入坑準備に忙しい。

(こうふのごろうとよしぞうははだがあわないせいか、いつもいがみあっていた。)

坑夫の五郎と由造は肌が合わないせいか、いつもいがみ合っていた。

(きょうもきょうとてそのいそがしいさなか、とっくみあいのけんかがはじまったが、)

今日も今日とてその忙しい最中、取っ組み合いの喧嘩が始まったが、

(くみちょうのつねさんにひきとめられ、そのままにゅうこうしていった。)

組長の常さんに引き止められ、そのまま入坑して行った。

(そのこうどうにとつぜんしゅっすいじけんがおこった。)

その坑道に突然出水事件が起こった。

(わかいぎしのかわむらしげるはげんいんをつきとめようと、つねさんほかのこうふとともに)

若い技師の河村繁は原因をつきとめようと、常さん他の坑夫と共に

(げんばにきゅうこうし、ゆれるすいはのしたにざっくりきずをうけてしんでいる)

現場に急行し、ゆれる水波の下にザックリ傷を受けて死んでいる

(よしぞうをはっけんした。けいさつがそうさにのりだしたが、おなじくすがたをみせないごろうが)

由造を発見した。警察が捜査に乗り出したが、同じく姿を見せない五郎が

(はんにんともくされた。ごろうのいもうときよはたんこうのじむいんだが、しげるとはこいなかであった。)

犯人と目された。五郎の妹キヨは炭坑の事務員だが、繁とは恋仲であった。

(あにがさつじん?あんずるきよをちからづけるのはしげるだった。)

兄が殺人?案ずるキヨを力づけるのは繁だった。

(こうないにそうさにはいったけいかんらがさらにざんさつされた。)

坑内に捜査に入った警官等が更に惨殺された。

(そのばん、ぼたやまふきんからきょだいなかいじゅうがはさみをふりあげ、きりきりと)

その晩、ボタ山附近から巨大な怪獣が鋏を振りあげ、キリキリと

(ぶきみなこえをはっしながらけいかんたいにせまってきた。けんじゅうがなってはさみのせんたんが)

不気味な声を発し乍ら警官隊に迫ってきた。拳銃が鳴って鋏の尖端が

(けしとんだが、かいじゅうはつうようをかんじないまま ふたたびたんこうないににげこんでしまった。)

ケシ飛んだが、怪獣は痛痒を感じないまま 再び炭坑内に逃げ込んでしまった。

(ばりけーどがはられ、ひじょうけいかいがしかれた。)

バリケードが張られ、非常警戒が布かれた。

(しげるはきかんじゅうをたずさえたぶそうけいかんとともにこうないへはいっていった。)

繁は機関銃を携えた武装警官と共に坑内へ入っていった。

(こうどうからはずれたよこあなにごろうをはさみでおさえつけたかいじゅうがいた。)

坑道から外れた横穴に五郎を鋏で押さえつけた怪獣がいた。

(だっだっだっ・・・ときかんじゅうがうちこまれ、さすがのかいじゅうもたおれた。)

ダッダッダッ・・・と機関銃が射ち込まれ、さすがの怪獣も倒れた。

(がんせきのしたじきになったごろうをすくいだそうとしたしゅんかん、きりきりといようなこえが)

岩石の下敷きになった五郎を救い出そうとした瞬間、キリキリと異様な声が

(ふたたびきこえ、らくばんとともにあなのなかに、すべりおちてしまった。)

再び聞こえ、落盤と共に穴の中に、滑り落ちてしまった。

など

(ふときがつくとどうくつのなかはもうもうとゆげがあがるなかに、かいじゅうがむすうに)

ふと気がつくと洞窟の中はもうもうと湯気があがる中に、怪獣が無数に

(うごめいている。そうけだってにげようとすると、しつどからつきでていた)

うごめいている。総毛だって逃げようとすると、湿土から突き出ていた

(きょだいなえんけいのいちぶのなめらかなはだが びしっびしっとはじけ、ぐわぁっーーという)

巨大な円形の一部の滑らかな肌が ビシッビシッとはじけ、グワァッーーという

(ちじくをゆるがすような、すさまじいなきごえがどうくつをふるわせる。)

地軸をゆるがすような、凄まじい啼声が洞窟をふるわせる。

(きょだいなせいぶつがふかしたのである。きょだいなくちばしでれいのかいじゅうをつぎつぎとついばんで)

巨大な生物が孵化したのである。巨大な嘴で例の怪獣を次々とついばんで

(ぐっとのみくだしてしまいばさばさとはばたくとどうくつないにせんぷうがまきおこった。)

ぐっと呑み下してしまいバサバサと羽ばたくと洞窟内に旋風が巻き起こった。

(しげるはそのままこんめいしてしまった。そしてそれからすうじつ、)

繁はそのまま混迷してしまった。そしてそれから数日、

(どうしたわけか、しげるはあそざんのかこうふきんにあるかざんけんきゅうじょのしょいんに)

どうしたわけか、繁は阿蘇山の火口附近にある火山研究所の所員に

(きゅうしゅつされた。しかしかんぜんなきおくそうしつしょうにかかっていた。)

救出された。然し完全な記憶喪失症にかかっていた。

(こうざんではこせいぶつがくしゃのかしわぎはかせとはやまじょきょうじゅをまねいて、たいじしたかいじゅうについて)

鉱山では古生物学者の柏木博士と葉山助教授を招いて、対峙した怪獣について

(けんきゅうしていた。はかせはぜんせいきにめがぬろんとよばれるきょだいとんぼがいて、)

研究していた。博士は前世紀にメガヌロンと呼ばれる巨大トンボがいて、

(せきたんのなかにそのたまごがうもれていたのだが、ねんねんちきゅうのおんどがあがって)

石炭の中にその卵が埋もれていたのだが、年々地球の温度があがって

(あたたかくなるというちきゅうおんだんせつ、あるいはすいばくじっけんによるきあつのへんかちかくの)

暖かくなるという地球温暖説、あるいは水爆実験による気圧の変化地核の

(へんどうによって、めがぬろんのようちゅうがふかしたのではあるまいかとけつろんした。)

変動によって、メガヌロンの幼虫が孵化したのではあるまいかと結論した。

(いっぽう、ふくおかのこうくうじえいたいしれいぶでは じぇっときのいちばいはんのちょうおんそくでとぶ)

一方、福岡の航空自衛隊司令部では ジェット機の一倍半の超音速で飛ぶ

(かいぶったいをれーだーでかくにんし、がいでんはまにらしのぜんかい、あまみおおしまにおおつなみしゅうらいなど)

怪物体をレーダーで確認し、外電はマニラ市の全壊、奄美大島に大津波襲来など

(つぎつぎにはっせいするひがいをほうじつづけていった。)

次々に発生する被害を報じ続けていった。

(じたいのしんそうは、しげるのきおくそうしつをかいふくするのをまっていた。)

事態の真相は、繁の記憶喪失を恢復するのを待っていた。

(きよのけんしんてきなかんごがこうをそうしてしげるはしょうきにかえった。)

キヨの献身的な看護が効を奏して繁は正気にかえった。

(かれのしょうげんとどうくつからもちかえったたまごのからの はへんからして、かしわぎはかせは)

彼の証言と洞窟から持ち帰った卵の殻の 破片からして、柏木博士は

(そらとぶかいじゅうはぷてらのどんとだんていした。)

空飛ぶ怪獣はプテラノドンと断定した。

(りゃくしょうらどんとは、ちゅうせいきにせいそくしたひりゅうのいっしゅでよくちょうさんじゅうふぃーとから)

略称ラドンとは、中世紀に棲息した飛竜の一種で翼長三十フィートから

(ごじゅうふぃーとのそらとぶしそちょうとしてはさいだいのものときろくされているが、)

五十フィートの空飛ぶ始祖鳥としては最大のものと記録されているが、

(そのたまごがめがぬろんとどうようのじょうけんのもとにちていでふかし、しかも)

その卵がメガヌロンと同様の条件のもとに地底で孵化し、しかも

(ぜんちょうやくにひゃくななじゅうふぃーと、たいじゅうひゃくとんをこえる)

全長約二百七十フィート、体重百トンを超える

(きょだいさにいじょうせいちょうしたものとすいていされた。)

巨大さに異常成長したものと推定された。

(そしてたんこうからちかくのやわらかいちてんをとおり、あそざんのふんかこうから)

そして炭坑から地殻のやわらかい地点を通り、阿蘇山の噴火口から

(とびたったものとおもわれた。らどんがひしょうするはやさはおんそくをこえ、)

飛び立ったものと思われた。ラドンが飛翔する速さは音速を超え、

(しょうげきは(そにっく・ぶーむ)をじゃっきする。そのため、とうなんあじあいったいにひがいを)

衝撃波(ソニック・ブーム)を惹起する。その為、東南アジア一帯に被害を

(しょうじるのであった。)

生じるのであった。

(たいさくほんぶのめいん・すたっふは、ゆいいつの もくげきしゃのしげるとともに)

対策本部のメイン・スタッフは、唯一の 目撃者の繁と共に

(あそのかこうにむかった。そのときかこうにいたらどんはものすごいとっぷうをまきおこして)

阿蘇の火口に向かった。その時火口にいたラドンは物凄い突風を巻き起こして

(とびたった。そのしょうげきはでいっこうはじどうしゃもろともふきとばされてしまった。)

飛び立った。その衝撃波で一行は自動車もろ共吹飛ばされてしまった。

(しかしつぎつぎとけしかけるたくみなこうげきで、つばさのつけねにろけっとだんをうちこまれ、)

然し次々とけしかける巧みな攻撃で、翼のつけ根にロケット弾を打ち込まれ、

(ついにばらんすをうしなってさせぼさいかいばしふきんのかいちゅうにおおつなみをおこしてつっこんだ。)

遂にバランスを失って佐世保西海橋附近の海中に大津波を起こして突込んだ。

(なほもけいぞくするじぇっときのこうげきをさけて、からくもまいあがった らどんは、)

なほも継続するジェット機の攻撃をさけて、辛くも舞い上がった ラドンは、

(さいかいばしをまっぷたつにさいて、ふくおかはかたしにあらわれた。)

西海橋を真っ二つに裂いて、福岡博多市に現れた。

(きずつきながらちじょうすれすれにはばたくらどんのだんまつま。)

傷つきながら地上すれすれに羽ばたくラドンの断末魔。

(こうそうびるはたおれ、がすたんくはひをはき、しがいはあびきょうかんのちまたとかした。)

高層ビルは倒れ、ガスタンクは火を吐き、市街は阿鼻叫喚のちまたと化した。

(こうしゃほうじんちはふきとばされ、かえんほうしゃはぎゃくりゅうし、ぐれんのほのおはさかまいた。)

高射砲陣地は吹飛ばされ、火焔放射は逆流し、紅蓮の焔は逆巻いた。

(そのとき、そらのいっかくからぐんぐんこうかしてくるおおきなひこうぐもが、みるみるうちに)

その時、空の一角からぐんぐん降下してくる大きな飛行雲が、みるみるうちに

(ちじょうにせまって、はんてんするじぇっときをたたきおとして、きずついたらどんを)

地上に迫って、反転するジェット機を叩き落として、傷ついたラドンを

(きゅうしゅつにきた。もういちわのらどんであった。)

救出に来た。もう一羽のラドンであった。

(ぐわああわ~~としにものぐるいであばれまわるが、ともすればしっそくしかけるておいの)

グワアアワ~~と死にもの狂いで暴れ廻るが、ともすれば失速しかける手負いの

(らどんをかばっていた。)

ラドンをかばっていた。

(たいさくほんぶはふたたびらどんがあらわれるのをよそうして、そのいぜんにあそざんかこうの)

対策本部は再びラドンが現れるのを予想して、その以前に阿蘇山火口の

(せいそうをこうげきすることになった。きけんちたいのじゅうみんにはひなんめいれいがだされた。)

棲巣を攻撃する事になった。危険地帯の住民には避難命令が出された。

(かこうしゅういにはろけっとほうじんちがしかれ、そらからはじぇっときがこうげきする。)

火口周囲にはロケット砲陣地が布かれ、空からはジェット機が攻撃する。

(つぎつぎとさくれつするごうぜんれるばくおん、がんせきがほうかいし、ふんえんがまきおこる。)

次々と炸裂する轟然れる爆音、岩石が崩壊し、噴煙が巻き起こる。

(とつぜん、まっかなようがんがひばしらをあげてふきあげた。かこうていはひのうみ。)

突然、真っ赤な溶岩が火柱をあげて吹きあげた。火口底は火の海。

(きょうふのらどんはほらあなないからとびだしたが、もうひしょうりょくはなく、)

恐怖のラドンは洞穴内から飛出したが、もう飛翔力は無く、

(つばさにひがもえている。げんきならどんはにんげんどもにはめもくれずなかまを)

翼に火が燃えている。元気なラドンは人間共には眼もくれず仲間を

(すくいだそうとする。そのしょうげきはにようがんがとびちる。)

救い出そうとする。その衝撃波に溶岩が飛び散る。

(ぐわあっ!ぐわあっ!となきつづけながらもついににわともようがんのほんりゅうに)

グワアッ!グワアッ!と鳴き続け乍らも遂に二羽とも溶岩の奔流に

(おしながされていった。くれかけたゆうぞらをあかあかとそめてたけりたつだいふんかが)

押し流されていった。暮れかけた夕空を赤々と染めて猛り立つ大噴火が

(てんにはしらしていた。)

天に柱していた。

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