Maサバイバル

(かみのこどもはうまれない)

神の子供は生まれない

(かみのこどもはみつからない)

神の子供は見つからない

(だれかがははにならねばならぬ)

誰かが『母』にならねばならぬ

(かみのこどもをうまねばならぬ)

神の子供を産まねばならぬ

(しんでんにつどうおとめたち)

神殿に集う乙女たち

(うまれもきょうぐうもちがうよにん)

生まれも境遇も違う四人

(ははになれるのはたったひとり)

『母』になれるのはたった一人

(じょうおうになれるのはたったひとり)

『女王』になれるのはたった一人

(よくぼうがせいじょたちをあくまにかえる)

欲望が聖女たちを悪魔に変える

(ぶきをてにして　いままさにはじまる)

武器を手にして　今まさに始まる

(ころしあい)

殺し合い

(しどうするさばいばる)

始動するサバイバル

(ぎしんあんきがゆうあいじょうにまさる)

疑心暗鬼が友愛情に勝る

(あなたのうしろでわらうのは)

あなたの後ろで笑うのは

(ほんとうになかまですか？)

本当に仲間ですか？

(きのうあのこがしんだ)

「昨日あの子が死んだ」

(がけからあしをすべらせころげおちた)

「崖から足を滑らせ転げ落ちた」

(それはもしかしたらうそかも)

それはもしかしたら嘘かも

(さいごにいきのこるのはだれだ？)

最後に生き残るのは誰だ？

(いろにおぼれたしょうふに)

色に溺れた娼婦に

(おごりたかぶるおんなきぞく)

驕り高ぶる女貴族

(あににこいするしっとぶかきしょうじょ)

兄に恋する嫉妬深き少女

(そしてそのあにのこんやくしゃ)

そしてその兄の婚約者

(よりつよきさいのうのみがすべてをえる)

より強き才能のみがすべてを得る

(そしてこころにわきおこる)

そして心に湧き起こる

(とどめない)

とどめない

(にくしみ)

憎しみ

(おわらないさばいばる)

終わらないサバイバル

(げんじつしゅぎがせいぜんろんにまさる)

現実主義が性善論に勝る

(わたしのいのちをねらうのは)

私の命を狙うのは

(ほんとうにてきなのかな？)

本当に敵なのかな？

(あのこがくびをつった)

「あの子が首を吊った」

(みにくいあらそいにこころをいためた)

「醜い争いに心を痛めた」

(そんなのぜったいにうそだよ)

そんなの絶対に嘘だよ

(さいごにいきのこるのはだれだ？)

最後に生き残るのは誰だ？

(おねえさまもうやめましょう)

お義姉様もう止めましょう

(のこるこうほしゃも)

残る候補者も

(わたしたちだけ)

私たちだけ

(こんなのむいみだわ)

こんなの無意味だわ

(じょうおうにはおねえさまがなればいいわ)

女王にはお義姉様がなればいいわ

(あにがえらんだあなただもの)

兄が選んだあなただもの

(ありがとういりーな)

ありがとうイリーナ

(だいじょうぶあなたを)

大丈夫あなたを

(しなせはしない)

死なせはしない

(まもってあげるから)

守ってあげるから

(ちのはなをせなかにさかせ)

血の花を背中に咲かせ

(あねはそのばにくずれおちる)

義姉はその場に崩れ落ちる

(いまわのきわにみたものは)

今際の際に見たものは

(なきさけぶいもうとのかお)

泣き叫ぶ義妹の顔

(さんにんをてにかけた)

三人を手にかけた

(つみぶかきしょうじょよ)

罪深き少女よ

(おまえがあらたな)

お前が新たな

(ｍａにえらばれた)

『Ma』に選ばれた

(さいだんにたつしょうじょ)

祭壇に立つ少女

(ほほえむてんしのようなあくま)

微笑む天使のような悪魔

(かのじょがこをやどしたならば)

彼女が子を宿したならば

(それでへいおんはおとずれる)

それで平穏は訪れる

(されどもさばいばるは)

されどもサバイバルは

(えいえんにおわることはないのだろう)

永遠に終わることはないのだろう

(あらたなじょうおうをねらった)

新たな女王を狙った

(やいばがどこかで)

刃がどこかで

(きらめいた)

煌めいた