ニューシネマパラダイス　あらすじ

(こい)

【恋】

(それからすうねんがたってからもあいかわらずととはえいしゃしつにいた。そしてそのころ)

それから数年が経ってからも相変わらずトトは映写室にいた。そしてその頃

(かれはうんめいてきなこいをする。それはとおくからこのむらにこしてきたえれなという)

彼は運命的な恋をする。それは遠くからこの村に越して来たエレナという

(しょうじょだった。ひとめぼれをしたととはえれなにながいにっすうをかけおもいをつたえた。)

少女だった。一目惚れをしたトトはエレナに長い日数をかけ思いを伝えた。

(あまりにながいそのじかんにととはついにあきらめかけた。しかしそのおもいはついに)

あまりに長いその時間にトトはついに諦めかけた。しかしその思いはついに

(かなった。それからゆめのようなじかんをすごしたふたり。しかしそれもながくはつづかず)

叶った。それから夢のような時間を過ごした二人。しかしそれも長くは続かず

(えれなはだいがくしんがくのためととはちょうへいされふたりはむらをはなれた。そしてととが)

エレナは大学進学のためトトは徴兵され二人は村を離れた。そしてトトが

(むらへもどったときえれなのゆくえはわからなくなっていた。そしてあるふれーどは)

村へ戻った時エレナの行方は分からなくなっていた。そしてアルフレードは

(ひさしぶりにかえってきたととにあるはなしをする。)

久しぶりに帰って来たトトにある話をする。

(ふぃるむ)

【フィルム】

(あるふれーどはととにむらをでるようにいった。ととにはじんせいがある。ちいさなむらで)

アルフレードはトトに村を出るように言った。トトには人生がある。小さな村で

(いっしょうをおえるな、そしてでたらすぐにはかえってくるなと。それはあるふれーどの)

一生を終えるな、そして出たらすぐには帰ってくるなと。それはアルフレードの

(あいゆえのことばだった。そしてととはこきょうをはなれた。いらいさんじゅうねんかれはいっさいれんらくも)

愛ゆえの言葉だった。そしてトトは故郷を離れた。以来三十年彼は一切連絡も

(とらずすごしていた。じつにさんじゅうねんぶりのききょう。むらはおおきくかわっていた。)

取らず過ごしていた。実に三十年ぶりの帰郷。村は大きく変わっていた。

(くるまがおおくいぜんよりもかっきがあふれているようだった。そしてあのえいがかんは)

車が多く以前よりも活気が溢れているようだった。そしてあの映画館は

(すうねんまえにへいかんしいまでははいきょとかしていた。あるふれーどのそうしきのあとかれのつまから)

数年前に閉館し今では廃墟と化していた。アルフレードの葬式のあと彼の妻から

(ととにいっぽんのふぃるむがわたされた。せいぜんととにわたすよういわれていた)

トトに一本のフィルムが渡された。生前トトに渡すよう言われていた

(のだという。ととはろーまへかえりそのふぃるむをさいせいした。するとはじまって)

のだという。トトはローマへ帰りそのフィルムを再生した。すると始まって

(すぐきすしーんがながれた。つぎからつぎへとながれるきすしーんのかずかずに)

すぐキスシーンが流れた。次から次へと流れるキスシーンの数々に

(ととはおもわずなみだをながした。)

トトは思わず涙を流した。