森鴎外 山椒大夫8
森鴎外の山椒大夫です。
とても長文です。
関連タイピング
-
テトリスサビ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
プレイ回数15万 歌詞かな167打 -
読書をすることのメリットについて。
プレイ回数7747 長文かな1181打 -
打ち切れたら天才だ
プレイ回数2.5万 歌詞540打 -
初心者の方、暇ならプレイしてみて!
プレイ回数36万 496打 -
タイピング練習に関する長文です
プレイ回数26万 長文1159打 -
長文を打つ練習ができます。
プレイ回数37万 長文786打 -
タイピングに慣れてきた人におすすめ
プレイ回数113万 長文かな1008打 -
深海生物について。長文です
プレイ回数6200 長文かな1965打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(あんじゅこいしや、ほうやれほ。ずしおうこいしや、ほうやれほ。)
安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。
(とりもしょうあるものなれば、とうとうにげよ、おわずとも。)
鳥も生《しょう》あるものなれば、疾《と》う疾う逃げよ、逐《お》わずとも。
(まさみちはうっとりとなって、このことばにききほれた。そのうちぞうふが)
正道はうっとりとなって、この詞に聞き惚れた。そのうち臓腑《ぞうふ》が
(にえかえるようになって、けものめいたさけびがくちからでようとするのを、はを)
煮え返るようになって、獣めいた叫びが口から出ようとするのを、歯を
(くいしばってこらえた。たちまちまさみちはしばられたなわがとけたようにかきのうちへ)
食いしばってこらえた。たちまち正道は縛られた縄が解けたように垣のうちへ
(かけこんだ。そしてあしにはあわのほをふみちらしつつ、おんなのまえに)
駆け込んだ。そして足には粟の穂を踏み散らしつつ、女の前に
(うつふした。みぎのてにはまもりほんぞんをささげもって、うつふしたときに、)
俯伏《うつふ》した。右の手には守本尊を捧げ持って、俯伏したときに、
(それをひたいにおしあてていた。おんなはすずめでない、おおきいものがあわをあらしにきたのを)
それを額に押し当てていた。女は雀でない、大きいものが粟をあらしに来たのを
(しった。そしていつものことばをとなえやめて、みえぬめでじっとまえをみた。)
知った。そしていつもの詞を唱えやめて、見えぬ目でじっと前を見た。
(そのときほしたかいがみずにほとびるように、りょうほうのめにうるおいがでた。)
そのとき干した貝が水にほとびるように、両方の目に潤いが出た。
(おんなはめがあいた。「ずしおう」というさけびがおんなのくちからでた。)
女は目があいた。「厨子王」という叫びが女の口から出た。
(ふたりはぴったりだきあった。)
二人はぴったり抱き合った。
(たいしょうよねんいちがつ)
大正四年一月
