太宰治 斜陽3

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投稿者藤村 彩愛 プレイ回数235 順位7412位
難易度(4.5) 6695打 長文 タグ長文 小説 太宰治 文豪 斜陽
超長文です。
太宰治の中編小説です。
順位名前スコア称号打鍵/秒正誤率時間(秒)打鍵数ミス問題日付
1 rui 5043 B+ 5.1 98.1% 1292.0 6643 127 100 2019/06/07

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問題文

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(ゆうがたちかく、おかあさまとしなまでおちゃをいただきながら、おにわのほうをみて)

夕方ちかく、お母さまと支那間でお茶をいただきながら、お庭のほうを見て

(いたら、いしだんのさんだんめのいしのところに、けさのへびがまたゆっくりとあらわれた。)

いたら、石段の三段目の石のところに、けさの蛇がまたゆっくりとあらわれた。

(「あのへびは?」とおっしゃるなりたちあがってわたしのほうにはしりより、わたしのてを)

「あの蛇は?」とおっしゃるなり立ち上って私のほうに走り寄り、私の手を

(とったままたちすくんでおしまいになった。そういわれて、わたしも、はっと)

とったまま立ちすくんでおしまいになった。そう言われて、私も、はっと

(おもいあたり、「たまごのははおや?」とくちにだしていってしまった。「そう、そうよ」)

思い当り、「卵の母親?」と口に出して言ってしまった。「そう、そうよ」

(おかあさまのおこえは、かすれていた。わたしたちはてをとりあって、いきをつめ、)

お母さまのお声は、かすれていた。私たちは手をとり合って、息をつめ、

(だまってそのへびをみまもった。いしのうえに、ものうげにうずくまっていたへびは、)

黙ってその蛇を見護った。石の上に、物憂げにうずくまっていた蛇は、

(よろめくようにまたうごきはじめ、そうしてちからよわそうにいしだんをよこぎり、)

よろめくようにまた動きはじめ、そうして力弱そうに石段を横切り、

(かきつばたのほうにはいっていった。「けさから、おにわを)

かきつばたのほうに這入って行った。「けさから、お庭を

(あるきまわっていたのよ」とわたしがこごえでもうしあげたら、おかあさまは、ためいきをついて)

歩きまわっていたのよ」と私が小声で申し上げたら、お母さまは、溜息をついて

(くたりといすにすわりこんでおしまいになって、「そうでしょう?たまごをさがして)

くたりと椅子に坐り込んでおしまいになって、「そうでしょう?卵を捜して

(いるのですよ。かわいそうに」としずんだこえでおっしゃった。わたしはしかたなく、ふふと)

いるのですよ。可哀そうに」と沈んだ声でおっしゃった。私は仕方なく、ふふと

(わらった。ゆうひがおかあさまのおかおにあたって、おかあさまのおめがあおいくらいにひかって)

笑った。夕日がお母さまのお顔に当って、お母さまのお眼が青いくらいに光って

(みえて、そのかすかにいかりをおびたようなおかおは、とびつきたいほどに)

見えて、その幽かに怒りを帯びたようなお顔は、飛びつきたいほどに

(うつくしかった。そうして、わたしは、ああ、おかあさまのおかおは、さっきのあのかなしい)

美しかった。そうして、私は、ああ、お母さまのお顔は、さっきのあの悲しい

(へびに、どこかにていらっしゃる、とおもった。そうしてわたしのむねのなかにすむ)

蛇に、どこか似ていらっしゃる、と思った。そうして私の胸の中に住む

(まむしみたいにごろごろしてみにくいへびが、このかなしみがふかくてうつくしいうつくしいははへびを)

蝮みたいにごろごろして醜い蛇が、この悲しみが深くて美しい美しい母蛇を

(いつか、くいころしてしまうのではなかろうかと、なぜだか、なぜだか、)

いつか、食い殺してしまうのではなかろうかと、なぜだか、なぜだか、

(そんなきがした。わたしはおかあさまのやわらかなきゃしゃなおかたにてをおいて、)

そんな気がした。私はお母さまの軟らかなきゃしゃなお肩に手を置いて、

(りゆうのわからないみもだえをした。)

理由のわからない身悶《みもだ》えをした。

など

(わたしたちが、とうきょうのにしかたまちのおうちをすて、いずのこの、ちょっとしなふうの)

私たちが、東京の西片町のお家を捨て、伊豆のこの、ちょっと支那ふうの

(さんそうにひっこしてきたのは、にほんがむじょうけんこうふくをしたとしの、じゅうにがつのはじめで)

山荘に引越して来たのは、日本が無条件降伏をしたとしの、十二月のはじめで

(あった。おちちうえがおなくなりになってから、わたしたちのいえのけいざいは、おかあさまの)

あった。お父上がお亡くなりになってから、私たちの家の経済は、お母さまの

(おとうとで、そうしていまではおかあさまのたったひとりのにくしんでいらっしゃるわだの)

弟で、そうしていまではお母さまのたった一人の肉親でいらっしゃる和田の

(おじさまが、ぜんぶおせわしてくださっていたのだが、せんそうがおわってよのなかが)

叔父さまが、全部お世話して下さっていたのだが、戦争が終わって世の中が

(かわり、わだのおじさまが、もうだめだ、いえをうるよりほかはない、じょちゅうにも)

変り、和田の叔父さまが、もう駄目だ、家を売るより他は無い、女中にも

(みんなひまをだして、おやこふたりで、どこかいなかのこぎれいないえをかい、きままに)

皆ひまを出して、親子二人で、どこか田舎の小綺麗な家を買い、気ままに

(くらしたほうがいい、とおかあさまにおいいわたしになったようすで、おかあさまは、)

暮したほうがいい、とお母さまにお言い渡しになった様子で、お母さまは、

(おかねのことはこどもよりも、もっとなにもわからないおかただし、わだのおじさまから)

お金の事は子供よりも、もっと何もわからないお方だし、和田の叔父さまから

(そういわれて、それではどうかよろしく、とおねがいしてしまったようである。)

そう言われて、それではどうかよろしく、とお願いしてしまったようである。

(じゅういちがつのすえにおじさまからそくたつがきて、すんずてつどうのえんせんに)

十一月の末に叔父さまから速達が来て、駿豆《すんず》鉄道の沿線に

(かわたししゃくのべっそうがうりものにでている、いえはたかだいでみはらしがよく、はたもひゃくつぼばかり)

河田子爵の別荘が売り物に出ている、家は高台で見晴しがよく、畑も百坪ばかり

(ある、あのあたりはうめのめいしょで、ふゆあたたかくなつすずしく、すめばきっと、おきに)

ある、あのあたりは梅の名所で、冬暖かく夏涼しく、住めばきっと、お気に

(めすところとおもう、せんぽうとちょくせつおあいになっておはなしをするひつようもあると)

召すところと思う、先方と直接お逢いになってお話をする必要もあると

(おもわれるから、あした、とにかくぎんざのわたしのじむしょまでおいでをこう、)

思われるから、明日、とにかく銀座の私の事務所までおいでを乞《こ》う、

(というぶんめんで、「おかあさま、おいでなさる?」とわたしがたずねると、「だって、)

という文面で、「お母さま、おいでなさる?」と私がたずねると、「だって、

(おねがいしていたのだもの」と、とてもたまらなくさびしそうにわらって)

お願いしていたのだもの」と、とてもたまらなく淋しそうに笑って

(おっしゃった。あくるひ、もとのうんてんしゅのまつやまさんにおともをたのんで、)

おっしゃった。翌る日、もとの運転手の松山さんにお伴《とも》をたのんで、

(おかあさまは、おひるすこしすぎにおでかけになり、よるのはちじごろ、まつやまさんに)

お母さまは、お昼すこし過ぎにおでかけになり、夜の八時頃、松山さんに

(おくられておかえりになった。「きめましたよ」かずこのおへやへはいってきて、)

送られてお帰りになった。「きめましたよ」かず子のお部屋へはいって来て、

(かずこのつくえにてをついてそのままくずれるようにおすわりになり、そうひとこと)

かず子の机に手をついてそのまま崩れるようにお坐りになり、そう一言

(おっしゃった。「きめたって、なにを?」「ぜんぶ」「だって」とわたしはおどろき、)

おっしゃった。「きめたって、何を?」「全部」「だって」と私はおどろき、

(「どんなおうちだか、みもしないうちに、・・・・」おかあさまはつくえのうえにかたひじを)

「どんなお家だか、見もしないうちに、・・・・」お母さまは机の上に肩肘を

(たて、ひたいにかるくおてをあて、ちいさいためいきをおつきになり、「わだのおじさまが、)

立て、額に軽くお手を当て、小さい溜息をおつきになり、「和田の叔父さまが、

(いいところだとおっしゃるのだもの。わたしは、このまま、めをつぶってそのおうちへ)

いい所だとおっしゃるのだもの。私は、このまま、眼をつぶってそのお家へ

(うつっていっても、いいようなきがする」とおっしゃっておかおをあげて、かすかに)

移って行っても、いいような気がする」とおっしゃってお顔を挙げて、かすかに

(おわらいになった。そのおかおは、すこしやつれて、うつくしかった。)

お笑いになった。そのお顔は、少しやつれて、美しかった。

(「そうね」とわたしも、おかあさまのわだのおじさまにたいするしんらいごころのうつくしさにまけて)

「そうね」と私も、お母さまの和田の叔父さまに対する信頼心の美しさに負けて

(あいづちをうち、「それでは、かずこもめをつぶるわ」)

合槌《あいづち》を打ち、「それでは、かず子も眼をつぶるわ」

(ふたりでこえをたててわらったけれども、わらったあとが、すごくさびしくなった。)

二人で声を立てて笑ったけれども、笑ったあとが、すごく淋しくなった。

(それからまいにち、おうちへにんぷがきて、ひっこしのにごしらえがはじまった。)

それから毎日、お家へ人夫が来て、引越しの荷ごしらえがはじまった。

(わだのおじさまも、やってこられて、うりはらうものはうりはらうように)

和田の叔父さまも、やって来られて、売り払うものは売り払うように

(それぞれてはいをしてくださった。わたしはじょちゅうのおきみとふたりで、いるいのせいりをしたり、)

それぞれ手配をして下さった。私は女中のお君と二人で、衣類の整理をしたり、

(がらくたをにわさきでもやしたりしていそがしいおもいをしていたが、おかあさまは、)

がらくたを庭先で燃やしたりしていそがしい思いをしていたが、お母さまは、

(すこしもせいりのおてつだいも、おさしずもなさらず、まいにちおへやで、なんとなく、)

少しも整理のお手伝いも、お指図もなさらず、毎日お部屋で、なんとなく、

(ぐずぐずしていらっしゃるのである。「どうなさったの?いずへいきたく)

ぐずぐずしていらっしゃるのである。「どうなさったの?伊豆へ行きたく

(なくなったの?」とおもいきって、すこしきつくおたずねしても、「いいえ」と)

なくなったの?」と思い切って、少しきつくお訊ねしても、「いいえ」と

(ぼんやりしたおかおでおこたえになるだけであった。とおかばかりして、せいりが)

ぼんやりしたお顔でお答えになるだけであった。十日ばかりして、整理が

(できあがった。わたしは、ゆうがたおきみとふたりで、かみくずやわらをにわさきでもやして)

出来上がった。私は、夕方お君と二人で、紙くずや藁《わら》を庭先で燃やして

(いると、おかあさまも、おへやからでていらして、えんがわにおたちになってだまって)

いると、お母さまも、お部屋から出ていらして、縁側にお立ちになって黙って

(わたしたちのたきびをみていらした。はいいろみたいなさむいにしかぜがふいて、)

私たちの焚火《たきび》を見ていらした。灰色みたいな寒い西風が吹いて、

(けむりがひくくちをはっていて、わたしは、ふとおかあさまのかおをみあげ、おかあさまの)

煙が低く地を這っていて、私は、ふとお母さまの顔を見上げ、お母さまの

(おかおいろが、いままでみたこともなかったくらいにわるいのにびっくりして、)

お顔色が、いままで見たこともなかったくらいに悪いのにびっくりして、

(「おかあさま!おかおいろがおわるいわ」とさけぶと、おかあさまはうすくおわらいになり、)

「お母さま!お顔色がお悪いわ」と叫ぶと、お母さまは薄くお笑いになり、

(「なんでもないの」とおっしゃって、そっとまたおへやにおはいりになった。)

「なんでもないの」とおっしゃって、そっとまたお部屋におはいりになった。

(そのよる、おふとんはもうにづくりをすましてしまったので、おきみはにかいの)

その夜、お蒲団《ふとん》はもう荷造りをすましてしまったので、お君は二階の

(ようまのそふぁに、おかあさまとわたしは、おかあさまのおへやに、おとなりからおかりした)

洋間のソファに、お母さまと私は、お母さまのお部屋に、お隣からお借りした

(ひとくみのおふとんをひいて、ふたりいっしょにやすんだ。おかあさまは、おや?とおもった)

一組のお蒲団をひいて、二人一緒にやすんだ。お母さまは、おや?と思った

(くらいにふけたよわよわしいおこえで、「かずこがいるから、かずこがいてくれるから)

くらいに老けた弱々しいお声で、「かず子がいるから、かず子がいてくれるから

(わたしはいずへいくのですよ。かずこがいてくれるから」といがいなことを)

私は伊豆へ行くのですよ。かず子がいてくれるから」と意外な事を

(おっしゃった。わたしは、どきんとして、「かずこがいなかったら?」とおもわず)

おっしゃった。私は、どきんとして、「かず子がいなかったら?」と思わず

(たずねた。おかあさまは、きゅうにおなきになって、「しんだほうがよいのです。)

たずねた。お母さまは、急にお泣きになって、「死んだほうがよいのです。

(おとうさまのなくなったこのいえで、おかあさまも、しんでしまいたいのよ」)

お父さまの亡くなったこの家で、お母さまも、死んでしまいたいのよ」

(と、とぎれとぎれにおっしゃって、いよいよはげしくおなきになった。)

と、とぎれとぎれにおっしゃって、いよいよはげしくお泣きになった。

(おかあさまは、いままでわたしにむかっていちどだってこんなよわねをおっしゃったことが)

お母さまは、今まで私に向って一度だってこんな弱音をおっしゃった事が

(なかったし、また、こんなにはげしくおなきになっているところをわたしにみせたことも)

無かったし、また、こんなに烈しくお泣きになっているところを私に見せた事も

(なかった。おちちうえがおなくなりになったときも、またわたしがおよめにいくときも、そして)

無かった。お父上がお亡くなりになった時も、また私がお嫁に行く時も、そして

(あかちゃんをおなかにいれておかあさまのもとへかえってきたときも、そして、)

赤ちゃんをおなかにいれてお母さまの許《もと》へ帰って来た時も、そして、

(あかちゃんがびょういんでしんでうまれたときも、それからわたしがびょうきになってねこんで)

赤ちゃんが病院で死んで生れた時も、それから私が病気になって寝込んで

(しまったときも、また、なおじがわるいことをしたときも、おかあさまは、けっしてこんな)

しまった時も、また、直治が悪い事をした時も、お母さまは、決してこんな

(およわいたいどをおみせになりはしなかった。おちちうえがおなくなりになってじゅうねんかん、)

お弱い態度をお見せになりはしなかった。お父上がお亡くなりになって十年間、

(おかあさまは、おちちうえのざいせいちゅうとすこしもかわらない、のんきな、やさしいおかあさま)

お母さまは、お父上の在世中と少しも変らない、のんきな、優しいお母さま

(だった。そうして、わたしたちも、いいきになってあまえてそだってきたのだ。けれども)

だった。そうして、私たちも、いい気になって甘えて育って来たのだ。けれども

(おかあさまには、もうおかねがなくなってしまった。みんなわたしたちのために、わたしと)

お母さまには、もうお金が無くなってしまった。みんな私たちのために、私と

(なおじのために、みじんもおしまずにおつかいになってしまったのだ。そうしてもう)

直治のために、みじんも惜しまずにお使いになってしまったのだ。そうしてもう

(このながねんすみなれたおうちからでていって、いずのちいさいさんそうでわたしとたった)

この永年住みなれたお家から出て行って、伊豆の小さい山荘で私とたった

(ふたりきりで、わびしいせいかつをはじめなければならなくなった。もしおかあさまが)

二人きりで、わびしい生活をはじめなければならなくなった。もしお母さまが

(いじわるでけちけちして、わたしたちをしかって、そうして、こっそりごじぶんだけの)

意地悪でケチケチして、私たちを叱って、そうして、こっそりご自分だけの

(おかねをふやすことをくふうなさるようなおかたであったら、どんなによのなかがかわっても)

お金をふやす事を工夫なさるようなお方であったら、どんなに世の中が変っても

(こんな、しにたくなるようなおきもちにおなりになることはなかったろうに、ああ、)

こんな、死にたくなるようなお気持におなりになる事はなかったろうに、ああ、

(おかねがなくなるということは、なんというおそろしい、みじめな、すくいのない)

お金が無くなるという事は、なんというおそろしい、みじめな、救いの無い

(じごくだろう、とうまれてはじめてきがついたおもいで、むねがいっぱいになり、あまり)

地獄だろう、と生れてはじめて気がついた思いで、胸が一ぱいになり、あまり

(くるしくてなきたくてもなけず、じんせいのげんしゅくとは、こんなときのかんじをいうので)

苦しくて泣きたくても泣けず、人生の厳粛とは、こんな時の感じを言うので

(あろうか、みうごきひとつできないきもちで、あおむけにねたまま、わたしはいしのように)

あろうか、身動き一つ出来ない気持で、仰向に寝たまま、私は石のように

(じっとしていた。あくるひ、おかあさまは、やはりおかおいろがわるく、なおなにやら)

凝《じ》っとしていた。翌る日、お母さまは、やはりお顔色が悪く、なお何やら

(ぐずぐずして、すこしでもながくこのおうちにいらっしゃりたいようすであったが、)

ぐずぐずして、少しでも永くこのお家にいらっしゃりたい様子であったが、

(わだのおじさまがみえられて、もうにもつはほとんどはっそうしてしまったし、きょう)

和田の叔父さまが見えられて、もう荷物はほとんど発送してしまったし、きょう

(いずにしゅっぱつ、とおいいつけになったので、おかあさまは、しぶしぶこーとをきて、)

伊豆に出発、とお言いつけになったので、お母さまは、しぶしぶコートを着て、

(おわかれのあいさつをもうしあげるおきみや、しゅつにゅうのひとたちにむごんでおえしゃくなさって、)

おわかれの挨拶を申し上げるお君や、出入のひとたちに無言でお会釈なさって、

(おじさまとわたしとさんにん、にしかたまちのおうちをでた。)

叔父さまと私と三人、西片町のお家を出た。

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