自転車

(それはよくはれたひの)

それはよく晴れた日の

(ごごでひろいしばふのあるこうえん)

午後で広い芝生のある公園

(しろいぺんきのぬられた)

白いペンキの塗られた

(べんちにすわりながら)

ベンチに座りながら

(あなたはとおくをながめて)

あなたは遠くを眺めて

(しあわせはどこまでつづくの)

「幸せはどこまで続くの？」

(とつぶやいてまばたきのなかに)

と呟いて瞬きの中に

(なみだをとじこめた)

涙を閉じ込めた

(あしたのことはぼくもおしえてあげられない)

明日のことは僕も教えてあげられない

(ましてじゅうねんごのふたりのことは)

まして十年後の二人のことは

(ぼくらがいきられるのは)

僕らが生きられるのは

(いまこのしゅんかんだけ)

今この瞬間だけ

(だからえいえんをほうきして)

だから永遠を放棄して

(いまあなたをだきしめる)

今あなたを抱きしめる

(はしれはしれぼくのじてんしゃ)

走れ　走れ　僕の自転車

(あなたをのせてどこまでもいく)

あなたを乗せてどこまでも行く

(ゆめがゆめでおわらないように)

夢が夢で終わらないように

(うんめいのせいにしないように)

「運命」のせいにしないように

(あおぞらのしたはなさくおかへ)

青空の下　花咲く丘へ

(ぼくらすすみはじめた)

僕ら進み始めた

(ぼくのこころあなたのこころ)

僕の心　あなたの心

(むすぶいとをぎたーのように)

結ぶ糸をギターのように

(ひいてならしたらどんな)

弾いて鳴らしたらどんな

(めろでぃーができるかな)

メロディーができるかな

(しっかりとてをつなぎながら)

しっかりと手をつなぎながら

(たのしいきょくをつくってゆこう)

楽しい曲を作ってゆこう

(けっしてうつくしいねいろでなくたっていいさ)

決して美しい音色でなくたっていいさ

(はじまりにはかならずおわりがおとずれる)

始まりには必ず終わりが訪れる

(さいたはなはいつのひかちるだろう)

咲いた花はいつの日か散るだろう

(だけどぼくらはかなしい)

だけど僕らは悲しい

(うたをうたうためだけに)

歌を歌うためだけに

(このよにうまれてきたわけじゃないはずだから)

この世に生まれてきたわけじゃないはずだから

(はしれはしれぼくのじてんしゃ)

走れ　走れ　僕の自転車

(あなたをのせてどこまでもいく)

あなたを乗せてどこまでも行く

(ぼくらなりにえがいたゆめが)

僕らなりに描いた夢が

(だれかにとってばかみたいでも)

誰かにとってばかみたいでも

(ぼくらのゆめはぼくらにとって)

僕らの夢は僕らにとって

(かがやくしんじつなのです)

輝く真実なのです

(はしれはしれぼくのじてんしゃ)

走れ　走れ　僕の自転車

(あなたをのせてどこまでもいく)

あなたを乗せてどこまでも行く

(たとえたどりつくそのばじょに)

たとえたどり着くその場所に

(かなしいあめがふりつづけても)

哀しい雨が降り続けても

(ぼくがあなたをちからのかぎり)

僕があなたを力の限り

(つくしまもってみせる)

尽くし守ってみせる