シンデレラ後半
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問題文
(つぎのひ、ぶとうかいがまたあたらしくはじまり、りょうしんとあねたちはまたでかけてしまうと、)
次の日、舞踏会がまた新しく始まり、両親と姉たちはまた出かけてしまうと、
(しんでれらははしばみのきにいき、いいました。)
シンデレラははしばみの木に行き、言いました。
(「ゆすって、ゆすって、わかぎさん、ぎんときんをわたしにおとしておくれ。」)
「ゆすって、ゆすって、若木さん、銀と金を私に落としておくれ。」
(するとことりはまえのひよりさらにうつくしいどれすをむすめにおとしてよこしました。)
すると小鳥は前の日よりさらに美しいドレスを娘に落としてよこしました。
(そしてしんでれらがこのどれすをきて、けっこんしきにあらわれると、みんながその)
そしてシンデレラがこのドレスを着て、結婚式に現れると、みんながその
(うつくしさにおどろきました。おうさまのむすこはむすめがくるまでまっていて、すぐに)
美しさに驚きました。王様の息子は娘が来るまで待っていて、すぐに
(むすめのてをとり、むすめとだけおどりました。ほかのひとたちがむすめにもうしこもうとくると、)
娘の手をとり、娘とだけ踊りました。他の人たちが娘に申し込もうと来ると、
(おうじは「こちらはぼくのあいてです。」といいました。ゆうがたになると、)
王子は「こちらはぼくの相手です。」と言いました。夕方になると、
(むすめはいえにかえろうとおもいました。それでおうさまのむすこはむすめのあとをつけて)
娘は家に帰ろうと思いました。それで王様の息子は娘のあとをつけて
(どのいえへいったかたしかめようとしました。しかし、むすめはおうじからとんでにげ、)
どの家へ行ったか確かめようとしました。しかし、娘は王子から跳んで逃げ、
(いえのうしろのにわにはいりました。)
家の後ろの庭に入りました。
(にわのなかにすばらしいなしのみがついているうつくしいたかいきがたっていました。)
庭の中にすばらしい梨の実がついている美しい高い木が立っていました。
(むすめはりすのようにすばしこくえだのあいだによじのぼったので、おうさまのむすこはむすめが)
娘はりすのようにすばしこく枝の間によじ登ったので、王様の息子は娘が
(どこにきえたのかわかりませんでした。おうじがまっていると、むすめのちちおやが)
どこに消えたのかわかりませんでした。王子が待っていると、娘の父親が
(きたので、「あのみしらぬおとめがわたしからにげてしまいました。なしのきに)
来たので、「あの見知らぬ乙女が私から逃げてしまいました。梨の木に
(のぼったとおもいます。」といいました。ちちおやは、しんでれらかな?とおもい、)
登ったと思います。」と言いました。父親は、シンデレラかな?と思い、
(おのをもってこさせて、きをきりたおしましたが、だれもきのうえにいませんでした。)
斧を持ってこさせて、木を切り倒しましたが、誰も木の上にいませんでした。
(みんながだいどころにはいってくると、しんでれらはいつものようにはいのなかにいました。)
みんなが台所に入ってくると、シンデレラはいつものように灰の中にいました。
(というのはむすめはきのはんたいがわにとびおり、はしばみのわかぎのことりに)
というのは娘は木の反対側に跳び下り、はしばみの若木の小鳥に
(うつくしいどれすをもっていき、はいいろのうわっぱりをきたのです。みっかめにりょうしんと)
美しいドレスを持って行き、灰色の上っ張りを着たのです。三日目に両親と
(あねたちはまたでかけてしまうと、しんでれらははしばみのきにいきいいました。)
姉たちはまた出かけてしまうと、シンデレラははしばみの木に行き言いました。
(「ゆすって、ゆすって、わかぎさん、ぎんときんをわたしにおとしておくれ。」)
「ゆすって、ゆすって、若木さん、銀と金を私に落としておくれ。」
(そしてこんどことりは、むすめがいままできたどのどれすよりもすばらしくごうかな)
そして今度小鳥は、娘がいままで着たどのドレスよりもすばらしく豪華な
(どれすをおとしてよこしました。そしてうわぐつはきんでした。そのどれすで)
ドレスを落としてよこしました。そして上靴は金でした。そのドレスで
(ぶとうかいにいくと、おどろきのあまりだれもどういっていいかわかりませんでした。)
舞踏会に行くと、驚きのあまり誰もどう言っていいかわかりませんでした。
(おうさまのむすこはむすめとだけおどり、だれかがむすめをだんすにさそうと、)
王様の息子は娘とだけ踊り、誰かが娘をダンスにさそうと、
(「こちらはわたしのあいてです。」といいました。)
「こちらは私の相手です。」と言いました。
(ゆうがたになると、しんでれらはかえろうとしました。おうさまのむすこはむすめといっしょに)
夕方になると、シンデレラは帰ろうとしました。王様の息子は娘と一緒に
(いきたがりましたが、むすめはおうじからすばやくにげたので、おうじは)
行きたがりましたが、娘は王子から素早く逃げたので、王子は
(おいかけられませんでした。ところがおうさまのむすこは、けいりゃくをねっていて、)
追いかけられませんでした。ところが王様の息子は、計略を練っていて、
(かいだんじゅうにぴっちをぬらせておいたのです。それで、むすめがかけおりると)
階段中にピッチを塗らせておいたのです。それで、娘が駆け下りると
(ひだりのうわぐつがくっついたままになりました。おうさまのむすこがそれをひろいあげてみると、)
左の上靴がくっついたままになりました。王様の息子がそれを拾い上げてみると
(それはちいさくきゃしゃですっかりきんでした。つぎのあさ、おうじはちちおやのところに)
それは小さくきゃしゃですっかり金でした。次の朝、王子は父親のところに
(それをもっていき、「このきんのうわぐつにあうあしのひといがいのだれもつまにしません。」)
それを持って行き、「この金の上靴に合う足の人以外の誰も妻にしません。」
(といいました。すると、ふたりのあねたちはよろこびました。というのはふたりは)
と言いました。すると、二人の姉たちは喜びました。と言うのは二人は
(かわいいあしをしていたからです。いちばんうえのむすめはくつをもってへやへはいり、)
可愛い足をしていたからです。一番上の娘は靴を持って部屋へ入り、
(はいてみようとし、ははおやはそばにたってみていました。)
履いてみようとし、母親はそばに立って見ていました。
(しかし、むすめはおやゆびをくつにいれられませんでした。くつはむすめにはちいさすぎました。)
しかし、娘は親指を靴に入れられませんでした。靴は娘には小さすぎました。
(それでははおやはむすめにこがたなをわたし、「おやゆびをきりとりなさい。おきさきになったら)
それで母親は娘に小刀を渡し、「親指を切りとりなさい。お后になったら
(もうあるかなくてすむだろうから。」といいました。むすめはおやゆびをきりおとし、)
もう歩かなくて済むだろうから。」と言いました。娘は親指を切り落とし、
(あしをむりやりくつにいれ、いたみをこらえておうさまのむすこのところにでていきました。)
足をむりやり靴に入れ、痛みをこらえて王様の息子のところに出ていきました。
(それでおうじはむすめをはなよめとしてうまにのせ、いっしょにはしっていきました。ところが、)
それで王子は娘を花嫁として馬に乗せ、一緒に走っていきました。ところが、
(ふたりははかのところをとおりすぎなければいけませんでした。そこに、はしばみの)
二人は墓のところを通りすぎなければいけませんでした。そこに、はしばみの
(きのうえに、にわのはとがとまっていて、さけびました。「ふりむいてのぞいてごらん、)
木の上に、二羽の鳩がとまっていて、叫びました。「振り向いて覗いてごらん、
(ふりむいてのぞいてごらん、くつのなかにちがあるよ。そのむすめにはくつがちいさすぎる、)
振り向いて覗いてごらん、靴の中に血があるよ。その娘には靴が小さすぎる、
(ほんとうのはなよめはあなたをまっているよ。」)
本当の花嫁はあなたを待っているよ。」
(それでおうじはむすめのあしをみるとちがしたたりおちているのがみえました。おうじは)
それで王子は娘の足を見ると血が滴り落ちているのが見えました。王子は
(うまをまわして、にせのはなよめをまたいえにつれていき、「このひとはとうにんじゃありません。)
馬を回して、偽の花嫁をまた家に連れて行き、「この人は当人じゃありません。
(もうひとりのいもうとにくつをはかせてください。」といいました。それでいもうとがへやにはいり)
もう一人の妹に靴を履かせてください。」と言いました。それで妹が部屋に入り
(くつにぶじにおやゆびをいれましたが、かかとがおおきすぎました。それでははおやが)
靴に無事に親指を入れましたが、かかとが大きすぎました。それで母親が
(こがたなをわたし、「かかとをすこしきりなさい。おきさきになったら)
小刀を渡し、「かかとを少し切りなさい。お后になったら
(もうあるかなくてすむんだから。」といいました。)
もう歩かなくて済むんだから。」と言いました。
(むすめはかかとをすこしきりおとし、あしをむりやりくつにいれ、いたみをこらえて)
娘はかかとを少し切り落とし、足をむりやり靴に入れ、痛みをこらえて
(おうさまのむすこのところにでていきました。それでおうじはむすめをはなよめとしてうまにのせ、)
王様の息子のところに出ていきました。それで王子は娘を花嫁として馬に乗せ、
(いっしょにはしっていきました。しかしはしばみのきのそばをとおると、きのうえに、)
一緒に走っていきました。しかしはしばみの木のそばを通ると、木の上に、
(にわのはとがとまっていて、さけびました。「ふりむいてのぞいてごらん、くつのなかに)
二羽の鳩がとまっていて、叫びました。「振り向いて覗いてごらん、靴の中に
(ちがあるよ。そのむすめにはくつがちいさすぎる、ほんとうのはなよめはあなたをまってるよ」)
血があるよ。その娘には靴が小さすぎる、本当の花嫁はあなたを待ってるよ」
(おうじがむすめのあしをみおろすと、ちがくつからながれていて、しろいくつしたがまっかに)
王子が娘の足を見下ろすと、血が靴から流れていて、白い靴下が真っ赤に
(そまっているのがみえました。おうじはうまをまわして、にせのはなよめをまたいえにつれて)
染まっているのが見えました。王子は馬を回して、偽の花嫁をまた家に連れて
(いき「このひともとうにんじゃありません。ほかにむすめはいないのですか?」といいました)
行き「この人も当人じゃありません。他に娘はいないのですか?」と言いました
(「はい、おりません。まだなくなったつまがのこしていったすこしふうがわりな)
「はい、おりません。まだ亡くなった妻が残していった少し風変わりな
(だいどころじょちゅうはいますが、はなよめとはとんでもございません。」とちちおやはいいました。)
台所女中はいますが、花嫁とはとんでもございません。」と父親は言いました。
(おうさまのむすこは、そのむすめをつれてくるようにといいましたが、ははおやが、)
王様の息子は、その娘を連れてくるようにと言いましたが、母親が、
(「とんでもございません。あまりにもきたなくておめにかかれませんよ。」と)
「とんでもございません。あまりにも汚くてお目にかかれませんよ。」と
(こたえました。しかし、おうじがあくまでもいいはるので、しんでれらを)
答えました。しかし、王子があくまでも言い張るので、シンデレラを
(よばなければなりませんでした。むすめはさきにりょうてとかおをあらってきれいにし、)
呼ばなければなりませんでした。娘はさきに両手と顔を洗ってきれいにし、
(おうさまのむすこのまえにいっておじぎをしました。おうじはむすめにきんのくつをわたしました。)
王様の息子の前に行ってお辞儀をしました。王子は娘に金の靴を渡しました。
(それでむすめはあしのせだいにすわり、おもいきのくつからあしをだしてうわぐつにいれました。)
それで娘は足載せ台に座り、重い木の靴から足を出して上靴に入れました。
(それはぴったりあいました。)
それはぴったり合いました。
(そしてむすめがたちあがって、おうさまのむすこがそのかおをみると、じぶんとおどったうつくしい)
そして娘が立ちあがって、王様の息子がその顔を見ると、自分と踊った美しい
(おとめだとわかり、「このひとがほんとうのはなよめだ」とさけびました。ままははとふたりの)
乙女だとわかり、「この人が本当の花嫁だ」と叫びました。継母と二人の
(あねたちはおそろしくなり、いかりであおざめました。しかしおうじはしんでれらを)
姉たちは恐ろしくなり、怒りで青ざめました。しかし王子はシンデレラを
(うまにのせ、いっしょにのってさりました。)
馬に乗せ、一緒に乗って去りました。
(ふたりがはしばみのきのそばをとおると、にわのしろいはとがさけびました。)
二人がはしばみの木のそばを通ると、二羽の白い鳩が叫びました。
(「ふりむいてのぞいてごらん。くつにちがついていないよ。)
「振り向いて覗いてごらん。靴に血がついていないよ。
(くつはむすめにはちいさすぎない。ほんとうのはなよめがあなたといっしょだよ。」)
靴は娘には小さすぎない。本当の花嫁があなたと一緒だよ。」
(そうさけぶとにわはおりてきて、しんでれらのかたに、いちわがみぎに、)
そう叫ぶと二羽は降りてきて、シンデレラの肩に、一羽が右に、
(もういちわがひだりにとまり、そこにすわったままになりました。)
もう一羽が左にとまり、そこに座ったままになりました。
(おうさまのむすこのけっこんしきがおこなわれることになると、ふたりのふじつなあねたちがやってきて)
王様の息子の結婚式が行われることになると、二人の不実な姉たちがやってきて
(しんでれらのごきげんをとり、こううんをわけてもらおうとしました。)
シンデレラのご機嫌をとり、幸運を分けてもらおうとしました。
(けっこんするふたりがきょうかいにいったとき、あねはみぎがわにいもうとはひだりがわにいました。)
結婚する二人が教会に行ったとき、姉は右側に妹は左側にいました。
(そしてはとたちがそれぞれからかためをつついてだし、もどりはあねがひだりでいもうとがみぎに)
そして鳩たちがそれぞれから片目をつついて出し、戻りは姉が左で妹が右に
(なったので、はとたちはそれぞれからもうひとつのめをつついてだしました。)
なったので、鳩たちはそれぞれからもう一つの目をつついて出しました。
(こうしていじわるとふせいじつのために、ふたりはばっせられて)
こうして意地悪と不誠実のために、二人は罰せられて
(しょうがいめがみえないままでした。)
生涯目が見えないままでした。