恋の始まる方程式

(ほどいたらむすべないそんなきょりかんがこわくて)

解いたら結べない　そんな距離感が怖くて

(おくびょうなねくたいとかけちがえたぼたん)

臆病なネクタイと掛け違えたボタン

(あいまいなきもちにいろをいれたのははるさき)

曖昧な気持ちに　色を入れたのは春先

(せいふくのすそをなおしふりかえるきみだった)

制服の裾を直し　振り返る君だった

(ふあんみまんのあなひとつ)

不安未満の穴ひとつ

(ぐんじょういろのそらがひろがるほころび)

群青色の空が　広がる綻び

(すきになっちゃいけないんだ)

好きになっちゃいけないんだ

(それはこいがはじまるほうていしき)

それは恋が始まる方程式

(けしごむでこすれない)

消しゴムでこすれない

(おもいでにはいつでもきみがいたことにきづいた)

思い出にはいつでも　君がいたことに　気づいた

(かいたしたはずでもあかいくれよんだけなくて)

買い足したはずでも　赤いクレヨンだけなくて

(このきもちはなんだっけなまえはなんだっけとうめいなままにしていた)

この気持ちは何だっけ？　名前は何だっけ？　透明なままにしていた

(もしもばかりをかぞえてはすぎさるきょうと)

もしもばかりを数えては　過ぎ去る今日と

(かきこめずいるといいち)

書き込めずいる問一

(たしひきじゃおさまらない)

足し引きじゃ治まらない

(こころはさいなんかんのてすと)

心は最難関のテスト

(くちにだすいちびょうで)

口に出す一秒で

(これからさきこれまでかえてしまうなんて)

「これから先」「これまで」変えてしまうなんて

(たあいないはなしがひびくほうかご)

他愛ない話が響く放課後

(ゆうひをてまねくせいじゃくとかーてん)

夕日を手招く静寂とカーテン

(なにげないことにみゃくうつこころ)

何気ないことに脈打つ心

(きっとぼくもしらずに)

きっと　ボクも知らずに

(あのひからこいしていたんだ)

あの日から　恋していたんだ

(きょうかしょにはしるされない)

教科書には記されない

(このといだけのかいとう)

この問いだけの解答

(すきになっちゃいけないんだ)

好きになっちゃいけないんだ

(それはこいがはじまるほうていしき)

それは恋が始まる方程式

(かいとうのわからないおもいでにはいつでも)

解答のわからない　思い出にはいつでも

(きみがいることにすきだってことにきづいた)

君がいることに　好きだってことに　気づいた