ピノッキオの冒険 44

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問題文
(それからいちじかんあまりたちました。)
それから一時間あまりたちました。
(「さあて、そろそろろばめもおぼれしんだにちがいない。)
「さあて、そろそろロバめもおぼれ死んだに違いない。
(ここらでひきあげて、かわをはぎたいこづくりにとりかかるとするかな」)
ここらで引きあげて、皮をはぎ太鼓づくりに取り掛かるとするかな」
(おじいさんはひとりごとをいいながら、えっさえっさとなわをたぐって)
おじいさんは独り言を言いながら、えっさえっさと縄をたぐって
(ろばのからだをひきあげはじめました。)
ロバの体を引きあげ始めました。
(ところが、さいごになわをひとひきしたとたん、)
ところが、最後に縄をひと引きしたとたん、
(おじいさんはあぶなく、しりもちをつきそうになりました。)
おじいさんは危なく、尻もちをつきそうになりました。
(だって、どうしたことでしょう。うみのなかからはろばのかわりに)
だって、どうしたことでしょう。海の中からはロバの代わりに
(きでできたあやつりにんぎょうが、ばちゃばちゃとみずをはねとばしながら)
木でできた操り人形が、バチャバチャと水を跳ね飛ばしながら
(うかびあがってきたのです。)
浮かび上がってきたのです。
(あやつりにんぎょうのぴのっきおは、いわのうえへよじのぼると)
操り人形のピノッキオは、岩の上へよじ登ると
(おじいさんのまわりを、ぴょんぴょんととびはねながらさけびました。)
おじいさんの周りを、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら叫びました。
(「おじいさん、おじいさん。たすけてくれてありがとう」)
「おじいさん、おじいさん。助けてくれてありがとう」
(「なんだ、こいつは?わしはあたまがおかしくなったのかな?)
「なんだ、こいつは?わしは頭がおかしくなったのかな?
(ろばはいったいどうなったというんじゃ」)
ロバは一体どうなったというんじゃ」
(おじいさんは、めをぐるぐるとさせながらつぶやきました。)
おじいさんは、目をぐるぐるとさせながらつぶやきました。
(「おじいさん、さっきのろばはぼくだったんですよ。)
「おじいさん、さっきのロバは僕だったんですよ。
(ぼく、わるいろばつかいのおかげで、いままでろばのすがたにかえられていたんです」)
僕、悪いロバ使いのおかげで、今までロバの姿に変えられていたんです」
(「それにしても、だれがいったいまほうをといてくれたんじゃね?」)
「それにしても、誰がいったい魔法を解いてくれたんじゃね?」
(「まあまあ、おじいさん。そのまえにちょっと、あしにむすんであるなわを)
「まあまあ、おじいさん。その前にちょっと、足に結んである縄を
(ほどいてくれませんか。そうしたらぼくも、ほんとうのことをおきかせしますから」)
ほどいてくれませんか。そうしたら僕も、本当のことをお聞かせしますから」
(「こいつめ、うまいことをいいおって」)
「こいつめ、うまいことを言いおって」
(おじいさんは、ぶつぶつといいながらなわをほどいてくれました。)
おじいさんは、ぶつぶつと言いながら縄をほどいてくれました。
(「ああ、いいきもち。これですっかりもとどおりになったぞ」)
「ああ、いい気持ち。これですっかり元通りになったぞ」
(ぴのっきおは、にこにことしながらはなしはじめました。)
ピノッキオは、にこにことしながら話し始めました。
(「おじいさん、ぼくをたすけてくれたのはせんにょさまなんですよ」)
「おじいさん、僕を助けてくれたのは仙女さまなんですよ」
(「せんにょさま?」)
「仙女さま?」
(「ええ、ぼくのおかあさんのせんにょさまです。さっきうみのそこへしずんだとき)
「ええ、僕のお母さんの仙女さまです。さっき海の底へ沈んだ時
(さかながおおぜいあつまってきたんですけど、そのさかなはせんにょさまが)
魚がおおぜい集まってきたんですけど、その魚は仙女さまが
(よこしてくださったのにちがいないんです。だってさかなたちは、ろばのからだを)
よこしてくださったのに違いないんです。だって魚たちは、ロバの体を
(いっせいに、ぱくぱくとたべはじめてくれたんですもの」)
いっせいに、ぱくぱくと食べ始めてくれたんですもの」
(「ふーむ」)
「ふーむ」
(「どんどんとたべつづけていくうちに、ろばのからだはきれいにたべつくされて、)
「どんどんと食べ続けていくうちに、ロバの体はきれいに食べつくされて、
(あやつりにんぎょうのぼくだけがあとにのこった、というわけなのです)
操り人形の僕だけが後に残った、という訳なのです
(「ははあ、そういうわけだったのか」おじいさんはかんしんしたようにうなずきました)
「ははあ、そういう訳だったのか」おじいさんは感心したようにうなずきました
(「だが、あやつりこぞう。わしはおまえのおかげでろばをかうためにはらったごじゅうえんを)
「だが、操り小僧。わしはお前のおかげでロバを買うために払った五十円を
(そんしてしまったぞ。そのごじゅうえんはどうしてくれるのじゃ」)
損してしまったぞ。その五十円はどうしてくれるのじゃ」
(「しりませんね。そんなこと。ぼくのせいじゃありませんもの」)
「知りませんね。そんなこと。僕のせいじゃありませんもの」
(「なにを、こいつめ。ようし、こうなったらおまえをたきぎのかわりにたたきうって)
「なにを、こいつめ。ようし、こうなったらお前を薪の代わりにたたき売って
(そんしたごじゅうえんをとりもどしてやる。こら、まて。またんか」)
損した五十円を取り戻してやる。こら、待て。待たんか」
(おじいさんは、ぴのっきおにつかみかかってきました。)
おじいさんは、ピノッキオにつかみかかってきました。
(「おっとっと、もう、つかまったりしてたまるもんか」)
「おっとっと、もう、捕まったりしてたまるもんか」
(ぴのっきおはひらりとみをかわしてうみへとびこむと、くやしがるおじいさんを)
ピノッキオはひらりと身をかわして海へ飛び込むと、悔しがるおじいさんを
(いわのうえへのこしたまま、おきへむかってぐんぐんとおよぎはじめました。)
岩の上へ残したまま、沖へ向かってぐんぐんと泳ぎ始めました。
(ぴのっきおはうみのうえをどこまでもおよぎつづけました。)
ピノッキオは海の上をどこまでも泳ぎ続けました。
(そのうちうみのまんなかに、おおきないわがひとつ、)
そのうち海の真ん中に、大きな岩が一つ、
(むっくりとそびえているところへやってきました。)
むっくりとそびえているところへやってきました。
(「おやっ」ぴのっきおはめをまるくしました。)
「おやっ」ピノッキオは目を丸くしました。
(いわのうえに、いっぴきのかわいらしいこやぎがたっていてこちらをながめているのです。)
岩の上に、一匹の可愛らしい子ヤギが立っていてこちらを眺めているのです。
(おまけにこやぎはめーめーとなきながら、)
おまけに子ヤギはメーメーと鳴きながら、
(しきりにぴのっきおのなまえをよんでいるではありませんか。)
しきりにピノッキオの名前を呼んでいるではありませんか。
(「ああ、なんてきれいなこえだろう。まって、まって、いますぐいくから」)
「ああ、なんてきれいな声だろう。待って、待って、今すぐ行くから」
(ぴのっきおはむねをどきどきさせながら、むちゅうでいわのほうへちかづいていきました。)
ピノッキオは胸をどきどきさせながら、夢中で岩の方へ近づいて行きました。
(そのとき、めのまえのみずが、ふいにおともなくもりあがったかとおもうと)
そのとき、目の前の水が、不意に音もなく盛り上がったかと思うと
(うみのなかからいっぴきのあやしいすがたをしたものが、うかびあがってきました。)
海の中から一匹の怪しい姿をしたものが、浮かび上がってきました。
(それは、ぴのっきおのがっこうのなかまのはなしのなかにもでてきたことのある)
それは、ピノッキオの学校の仲間の話の中にも出てきたことのある
(やまのようにおおきな、おばけざめでした。)
山のように大きな、おばけざめでした。
(そのおそろしいおばけざめが、ぴのっきおをめがけて)
その恐ろしいおばけざめが、ピノッキオを目がけて
(まっすぐにおそいかかってきたのです。)
まっすぐに襲い掛かってきたのです。
(「あっ、たいへん」ぴのっきおはあわててにげだしました。)
「あっ、大変」ピノッキオは慌てて逃げ出しました。
(さめをやりすごすために、きゅうにむきをかえたり)
さめをやり過ごすために、急に向きを変えたり
(あちらこちらへ、めちゃくちゃにおよいでみたりもしました。)
あちらこちらへ、めちゃくちゃに泳いでみたりもしました。
(でも、どんなににげまわっても、さめはぴたりとぴのっきおのうしろについて)
でも、どんなに逃げ回っても、さめはぴたりとピノッキオの後ろについて
(どこまでもあとをおってきました。)
どこまでも後を追ってきました。
(「ぴのっきお、ぴのっきお」いわのうえのこやぎが、なきそうなこえでさけんでいます。)
「ピノッキオ、ピノッキオ」岩の上の子ヤギが、泣きそうな声で叫んでいます。
(ぴのっきおはいわのほうへむきをかえると、ありったけのちからでおよぎはじめました。)
ピノッキオは岩の方へ向きを変えると、ありったけの力で泳ぎ始めました。
(いわがぐんぐんとめのまえにせまってきます。)
岩がぐんぐんと目の前に迫ってきます。
(「はやく、はやく」こやぎがいわのはしからみをのりだしてまえあしをのばしました。)
「早く、早く」子ヤギが岩の端から身を乗り出して前足を伸ばしました。
(ぴのっきおはさいごのちからをふりしぼって、こやぎのあしをつかまえようとしました。)
ピノッキオは最後の力を振り絞って、子ヤギの足を捕まえようとしました。
(でもそのときは、もうおそすぎました。)
でもその時は、もう遅すぎました。
(すぐうしろにせまってきていたさめが、とびあがるようにしながら)
すぐ後ろに迫ってきていたさめが、飛び上がるようにしながら
(ぴのっきおをひとのみにしてしまったのです。)
ピノッキオをひと飲みにしてしまったのです。
(そのまま、さめのからだのなかをまっさかさまについらくしていったぴのっきおは)
そのまま、サメの体の中を真っ逆さまに墜落していったピノッキオは
(どこかにいやというほどあたまをぶつけたかとおもうと、)
どこかにいやというほど頭をぶつけたかと思うと、
(なにもわからなくなってしまいました。)
なにもわからなくなってしまいました。