アノニマス御中

(ゆるしてくれあいたそうじゅうせきはたったひとつなんだ)

許してくれ　空いた操縦席はたった一つなんだ

(そうやってなんかいあすのぼくをつきおとした)

そうやって　何回明日の僕を突き落とした？

(ばかなあいつはどじをかまして)

「バカな彼奴はドジをかまして

(いぬごやのえさってはなしさ)

犬小屋のエサって話さ」

(じょうだんじゃないとまたかれらはみぎへならえをした)

冗談じゃないとまた彼らは　右へ倣えをした

(くすぶるとくめいせんそうにげごしはどこのどいつだ)

燻る匿名戦争　逃げ腰は何処の何奴だ

(ふざけたこえのぬしをわらいとばす)

ふざけた声の主を　笑い飛ばす

(わるあがきのこんなうたを)

悪あがきのこんな歌を

(はいけいそしらぬあなたへぶすいなていこうを)

拝啓、素知らぬ貴方へ　無粋な抵抗を

(ぶかっこうでいいむのうでもいい)

不格好でいい　無能でもいい

(それだけをうたってきたんだよ)

それだけを歌ってきたんだよ

(しろはたなんてふるくらいならば)

白旗なんて振るくらいならば

(いっそもうこののどごとかききってくれ)

いっそもう　この喉ごと掻き切ってくれ

(ほっといてくれそんなかおでぼくたちをみつめないでよ)

放っといてくれ　そんな顔で僕達を見つめないでよ

(なんたってもうきみとぼくはくべつがつかない)

なんたってもう　君と僕は区別が付かない

(ばかははなをおられるまで)

「バカは鼻を折られるまで

(いつまでたってもなおりゃしない)

いつまで経っても治りゃしない」

(そうかいってなっとくできるほどぼくはおりこうじゃない)

そうかいって納得できるほど　僕は御利口じゃない

(くしくもまんいんおんれいやじうまのしゅうかいにけいれい)

奇しくも満員御礼　野次馬の集会に敬礼

(ここらでたおれてしまえおわってしまえ)

ここ等で倒れてしまえ　終わってしまえ

(そのこえにもちがかようなら)

その声にも血が通うなら

(はいけいみしらぬあなたはなにをつたえたいんだ)

拝啓、見知らぬ貴方は　何を伝えたいんだ

(くらやみからいしをなげて)

暗闇から　石を投げて

(それだけがすべてじゃないでしょう)

それだけが全てじゃないでしょう

(そのこんていにあるくろいうずを)

その根底にある黒い渦を

(いつまでせおいつづけるつもりだろう)

いつまで背負い続けるつもりだろう

(あぁよあけはしょうがいないさくろまくはどこのどいつだ)

あぁ、夜明けは生涯無いさ　黒幕は何処の何奴だ

(ふざけたこえのぬしをわらいとばす)

ふざけた声の主を　笑い飛ばす

(わるあがきのこんなうたを)

悪あがきのこんな歌を

(はいけいそしらぬあなたへぶすいなていこうを)

拝啓、素知らぬ貴方へ　無粋な抵抗を

(いまにみてろいまにみてろ)

今に見てろ　今に見てろ

(それだけをうたってきたんだよ)

それだけを歌ってきたんだよ

(わらえるもんならわらってくれ)

笑えるモンなら笑ってくれ

(あさましいしをいまからうたうから)

浅ましい詞を　今から歌うから

(いいかげんもうすこしはだまってよ)

いい加減もう　少しは黙ってよ