台詞

問題文
(ひとはたいくつをいとう。ていたいをいむ。みちをおそれるとどうじにせつぼうする)
人は退屈を厭う。停滞を忌む。未知を恐れると同時に切望する
(このいみがわかるかな。きちがしにたがっているあかしなのだよ)
この意味が分かるかな。既知が死にたがっている証なのだよ
(うみのさかながたんすいをもとめている)
海の魚が淡水を求めている
(「わたしがしりえるなかでもっともあくまにちかいにんげん」)
「私が知り得る中でもっとも悪魔に近い人間」
(とひょうげんしたことにたいし)
と表現した事に対し
(ちんぷだなとへんとうしたらいんはるとにたいするはんろん)
陳腐だなと返答したラインハルトに対する反論
(ひをみずのようだとはいわない。)
火を水のようだとは言わない。
(ひはひのように、みずはみずのように)
火は火のように、水は水のように
(あくまはあくまのように)
悪魔は悪魔のように
(きゅうきょくにちかくなるほどけいようすることばはちんぷになる)
究極に近くなるほど形容する言葉は陳腐になる
(ゆるさない、よくもぉっ!)
許さない、よくもォッ!
(わたしのヴぃるへるむに、てをあげたなぁぁぁぁぁっ!!)
わたしのヴィルヘルムに、手をあげたなぁぁぁァァッ!!
(ぬかせぇっ!わたしはにどと、わたしのあいをうしなわない)
抜かせぇッ!私は二度と、私の愛を失わない
(わたしはまけぬ。わたしはしねぬ。わたしはえいえんにあるきつづけるとまりなどしない!)
私は負けぬ。私は死ねぬ。私は永遠に歩き続ける止まりなどしない!
(えいごうつぐないつづけるのだ。あなたのようなつごうのいいあんそくなどいらない)
永劫償い続けるのだ。あなたのような都合の言い安息などいらない
(いたぇか?いたぇだろうれしなみだながせやおらぁっ!)
痛ぇか? 痛ぇだろ嬉し涙流せやオラァッ!
(なのれよがき、いくさのさほうもしらねえか)
名乗れよガキ、戦の作法も知らねえか
(おうじょうぎわわるいぜ。いさぎよく、さっさとじごくにおちるんだな)
往生際悪いぜ。潔く、さっさと地獄に落ちるんだな
(まあ、そういうこった、わるいな。しゅらいばー。)
まあ、そういうこった、悪いな。シュライバー。
(あうぃーたーぜん)
アウフ・ヴィーターゼン
(ああ、さいこうだ、てめえにずっといってやりたかった)
ああ、最高だ、てめえにずっと言ってやりたかった
(にくごとはがそうとするうごきは、しかしおそい)
肉ごと剥がそうとする動きは、しかし遅い
(このひきがねをひきしぼるゆびのうごきこそが)
この引き金を引き絞る指の動きこそが
(さいそくをだとうするゆるやかなまくひきとしるがいい)
最速を打倒する緩やかな幕引きと識るがいい
(おれのかちだぁぁぁぁぁあああああぁぁぁっっ!!)
俺の勝ちだァァァァァアアアアアァァァッッ!!
(しょうりとは、たかみにとうとくきらり)
勝利とは、高みに尊く輝
(おでっさにいるほししにきんぎゅうきゅうをはじめとする)
オデッサにいる星視に金牛宮をはじめとする
(くろえんたくのやながきょくとうではてるとつげられたことを)
黒円卓の八名が極東で果てると告げられた事を
(ヴぃるへるむにつたえるしゅぴーね)
ヴィルヘルムに伝えるシュピーネ
(じぶんたちをたんどくでほろぼすことのできるものがいるのだろうか)
自分たちを単独で滅ぼすことのできるものがいるのだろうか
(というしゅぴーねのといにいねえなとそくとうしたヴぃるへるむだが)
というシュピーネの問いにいねえなと即答したヴィルヘルムだが
(そのへんとうでしゅぴーねにみきられてしまう)
その返答でシュピーネに見切られてしまう
(このおとこはだめだ)
この男は駄目だ
(かれらをぜんめつさせることのできるそんざいがかつていたことを)
彼らを全滅させることのできる存在がかつていたことを
(それをみずからよびもどそうとしていることを)
それを自ら呼び戻そうとしていることを
(ふがいないとはいいませんよ。われわれのよろいがなくなろうがどうだろうが)
不甲斐ないとは言いませんよ。我々の鎧が無くなろうがどうだろうが
(げんぜんなじつりょくさとはこういうものです)
厳然な実力差とはこういうものです
(きさくやあいしょうでひっくりかえせるきょうじゃくなど)
奇策や相性で引っくり返せる強弱など
(けっきょくのところあるていどきっこうしたかんけいであることがぜんていなのです)
結局の所ある程度拮抗した関係である事が前提なのです
(どうころぶかわからないというてんびんをかたむけるのがさくでありじょうきょう)
どう転ぶか分からないという天秤を傾けるのが策であり状況
(さいしょからぜつぼうてきにひらいているさをそれらでうめることはできません)
最初から絶望的に開いている差をそれらで埋めることは出来ません
(ではひとつ、みなさまわたしのかげきをごかんらんあれ)
では一つ、皆様私の歌劇をご観覧あれ
(そのすじがきは、ありきたりだがやくしゃがよい。しこうとしんずる)
その筋書きは、ありきたりだが 役者が良い。至高と信ずる
(ゆえにおもしろくなるとおもうよ)
ゆえに面白くなると思うよ
(なきさけべれっとうこんやここに、かみはいない)
泣き叫べ劣等今夜ここに、神はいない
(ろーとす「おれたちはげんじつにいきている。)
ロートス「俺達は現実に生きている。
(よいこともあればわるいこともあるし)
良いこともあれば悪いこともあるし
(みたされないゆめをかかえてうえてもいるさ」)
満たされない夢を抱えて飢えてもいるさ」
(うつくしくおもうせつなをえいえんにそんなばかげたがんぼうをすてられないし)
美しく思う刹那を永遠にそんな馬鹿げた願望を捨てられないし
(かなえられないからかわきもきえない。)
叶えられないから渇きも消えない。
(ふまんで、ふあんで、いつもゆれて・・・・・・)
不満で、不安で、いつも揺れて……
(ろーとす「だけど、それがにんげんだろう?」)
ロートス「だけど、それが人間だろう?」
(だから、おれはそうしたものでかまわない。)
だから、俺はそうしたもので構わない。
(ろーとす「おれたちはえいえんになれないせつなだ)
ロートス「俺達は永遠になれない刹那だ
(どれだけあこがれてもとめても、げんそうにはなれないんだよ」)
どれだけ憧れて求めても、幻想にはなれないんだよ」
(それこそが)
それこそが
(らいんはると「なまにしんしであること。)
ラインハルト「生に真摯であること。
(ああ、たしかにきょうのいうとおり。あいていればいい、)
ああ、確かに卿の言う通り。飽いていればいい、
(うえていればよいのだ。いきるばしょのなにをのみ、)
飢えていればよいのだ。生きる場所の何を飲み、
(なにをくらおうとたりぬ。だがそれでよし。)
何を喰らおうと足りぬ。だがそれでよし。
(そうおもえぬせいぶつは、そのじてんでじかいするしかない」)
そう思えぬ生物は、その時点で自壊するしかない」
(ろーとす「そんなせいぶつは、うまれてきたことがあやまちなんだ」)
ロートス「そんな生物は、生まれてきたことが過ちなんだ」
(そうさ、あいていればいいうえていりゃ、いいんだ!)
そうさ、飽いていればいい飢えていりゃ、いいんだ!
(いきるばしょのなにをのみ、なにをくらってもたりねえ)
生きる場所の何を飲み、何を喰らっても足りねえ
(けどなぁ、それでじょうとうだろうが!あまえんなっ)
けどなぁ、それで上等だろうが!甘えんなッ
(かみさまにあたまさげて、まかふしぎなじんずうりきでもめぐんでもらって)
神様に頭下げて、摩訶不思議な神通力でも恵んでもらって
(そんなじぶんはつよくてすごいだぁ)
そんな自分は強くてすごいだぁ
(ふざけんなこのこんじょうなしどもが!たまついてんのかきりおとすぞぉ!)
ふざけんなこの根性なしどもが!玉ついてんのか切り落とすぞォ!
(おお、みがふるえる。たましいがさけぶ。これがかんきか、これがきょうふか!)
おお、身が震える。魂が叫ぶ。これが歓喜か、これが恐怖か!
(わたしはいま、いきているっ!!)
私は今、生きているッ!!
(わたしはすべてをあいしている)
私は総てを愛している
(「しこうのてんはここにあり!」)
「至高の天はここにあり!」