四つの顔 -6-

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問題文
(やましたさんのいえはしらなかったので、さわださんのしていするこんびにへむかう。)
山下さんの家は知らなかったので、沢田さんの指定するコンビニへ向かう。
(じてんしゃをこぎながらいやなむなさわぎがするのをひっしでごまかそうとしていたが、)
自転車をこぎながら嫌な胸騒ぎがするのを必死でごまかそうとしていたが、
(あたまのなかには「dがふえている」ということばばかりがぐるぐると)
頭の中には「Dが増えている」という言葉ばかりがぐるぐると
(りぴーとされそのたびになけなしのゆうきをふりしぼらなくてはならなかった。)
リピートされその度になけなしの勇気を振り絞らなくてはならなかった。
(こんびにのくるまどめのうえにたってせのびしていたさわでんさんをみつけて、)
コンビニの車止めの上に立って背伸びしていた沢田さんを見つけて、
(こえをかける。)
声を掛ける。
(「ちょっとさきなんだけど」)
「ちょっと先なんだけど」
(そういうさわださんについてじてんしゃをおしながらあるいた。)
そういう沢田さんについて自転車を押しながら歩いた。
(ひとどおりのすくないよるのゆうほどうをぬけ、ものさびしくてんめつするがいとうのしたをあるき、)
人通りの少ない夜の遊歩道を抜け、もの寂しく点滅する街灯の下を歩き、
(やがてにかいだてのあぱーとがみえてくる。)
やがて二階建てのアパートが見えてくる。
(「いっかいのみぎはしなの」)
「一階の右端なの」
(きんちょうしたこえでそういうと、さわださんはけいたいをとりだし)
緊張した声でそう言うと、沢田さんは携帯を取り出し
(りだいやるぼたんをおした。)
リダイヤルボタンを押した。
(しばらくみみをあてていたがやがてあきらめてうでをおろす。)
しばらく耳を当てていたがやがて諦めて腕を下ろす。
(「やっぱりでない」)
「やっぱり出ない」
(かおをみあわせていたが、とりあえずへやをたずねてみないことにははじまらない。)
顔を見合わせていたが、とりあえず部屋を訪ねてみないことには始まらない。
(みちばたにじてんしゃをとめ、みぎはしのどあのまえにたった。)
道端に自転車をとめ、右端のドアの前に立った。
(よこにあるだいどころらしきまどはまっくらだ。)
横にある台所らしき窓は真っ暗だ。
(どあのまんなかにくちをあけているゆうびんうけからはなにもはみだしていない。)
ドアの真ん中に口を開けている郵便受けからはなにもはみ出していない。
(ずっとるすにしているのなら、)
ずっと留守にしているのなら、
(しんぶんやちらしがつめこまれていてもよさそうなものだ。)
新聞やチラシが詰め込まれていても良さそうなものだ。
(ちゃいむをならしてみる。)
チャイムを鳴らしてみる。
(みみをすましたが、なかでちゃんとなっているのかよくわからない。)
耳を澄ましたが、中でちゃんと鳴っているのかよく分からない。
(しばらくまってからどあをたたく。)
しばらく待ってからドアを叩く。
(「やましたさん」)
「山下さん」
(「やましたさぁん」)
「山下さぁん」
(さらにまってもはんのうはなかった。)
さらに待っても反応は無かった。
(ひだりのほうからひかりがちかづき、らんぼうなおととともにはいごをとおりすぎる。)
左の方から光が近づき、乱暴な音とともに背後を通り過ぎる。
(おれがそのくるまにきをとられてよそみをしていると、)
俺がその車に気を取られてよそ見をしていると、
(「あいてる」というこえがした。)
「開いてる」という声がした。
(ふりかえるとさわださんがくちをおさえてどあのぶをにぎっている。)
振り返ると沢田さんが口を押さえてドアノブを握っている。
(「やましたさん」)
「山下さん」
(もういちどよびかけながらふたりでどあのすきまからなかをのぞきこむ。)
もう一度呼びかけながら二人でドアの隙間から中を覗き込む。
(くらくよくみえない。)
暗くよく見えない。
(「いるようなかんじがしませんね」)
「いるような感じがしませんね」
(おれはこえをひそめてげんかんにそろそろとあしをふみいれる。)
俺は声を潜めて玄関にソロソロと足を踏み入れる。
(そしてかべぎわにてをはわせ、でんきのすいっちをさぐりあてた。)
そして壁際に手を這わせ、電気のスイッチを探り当てた。
(まぶしさにいっしゅんかおをしかめながらくつをぬぐ。)
眩しさに一瞬顔をしかめながら靴を脱ぐ。
(「かぎのかけわすれですかね」)
「鍵の掛け忘れですかね」
(やましたさんのへやはひとりぐらしにしてはわりとひろい。)
山下さんの部屋は一人暮らしにしては割と広い。
(そしてとてもきれいにせいりせいとんされている。)
そしてとても綺麗に整理整頓されている。
(よけいなものがまったくなく、あるものはすべてきっちりと)
余計なものが全く無く、有る物はすべてきっちりと
(ふさわしいむきにならべられている。)
相応しい向きに並べられている。
(だいどころもりょうりどうぐがそろっているのに、まるでほとんどつかわれていないかのように)
台所も料理道具が揃っているのに、まるでほとんど使われていないかのように
(ぴかぴかだった。)
ピカピカだった。
(しんけいしつなかれのせいかくそのままのへやだ。)
神経質な彼の性格そのままの部屋だ。
(てれびのまえにあるべっどをみるとかけぶとんがほとんどきふくもなく)
テレビの前にあるベッドを見ると掛け布団がほとんど起伏もなく
(のばされている。)
伸ばされている。
(せいかつしゅうがない。いったいいつごろまでかれがこのへやにいたのかもわからなかった。)
生活臭がない。一体いつごろまで彼がこの部屋にいたのかも分からなかった。
(「でもにじかんはんくらいまえまではいたはずなんですよね」)
「でも二時間半くらい前まではいたはずなんですよね」
(つくえのうえのぱそこんにめをやった。ちかづいてほんたいのぱわーぼたんに)
机の上のパソコンに目を遣った。近づいて本体のパワーボタンに
(てをのばしかけると「ちょっと、わるいよ」とたしなめられる。)
手を伸ばしかけると「ちょっと、悪いよ」とたしなめられる。
(そうもそうだ。ようすがへんだからとたずねてきたものの、かってにるすちゅうのへやのなかを)
そうもそうだ。様子が変だからと訪ねてきたものの、勝手に留守中の部屋の中を
(いじくってよいはずがない。しっそうしたわけでもないのに。)
いじくって良いはずがない。失踪したわけでもないのに。
(そうおもったとき、ふとあたまにそのたんごがひっかかった。しっそう?)
そう思った時、ふと頭にその単語が引っ掛かった。失踪?
(どうしてそんなことをおもったのだろう。)
どうしてそんなことを思ったのだろう。
(ぱそこんのまえにたったままゆかにめをおとしてかんがえる。)
パソコンの前に立ったまま床に目を落として考える。
(そのしこうが、ひとすじのひめいにかきけされた。)
その思考が、一筋の悲鳴にかき消された。
(はっとしてふりむくと、せんめんじょがあるらしきどあのむこうから)
ハッとして振り向くと、洗面所があるらしきドアの向こうから
(つづけざまにみじかいこえがあがる。)
続けざまに短い声が上がる。
(「どうしたんですさわださん」)
「どうしたんです沢田さん」