王子とこじき 6
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問題文
(じじゅうたちは、なんとかおうじが・・・つまりとむがしょうきなことを)
侍従たちは、なんとか王子が・・・つまりトムが正気なことを
(こくおうにしらせようと、とむをかかえてまえへでた。)
国王に知らせようと、トムを抱えて前へ出た。
(「そちは、このちちがわからないのか。としをとったわしを)
「そちは、この父がわからないのか。年をとったわしを
(どうかかなしませないでくれ」)
どうか悲しませないでくれ」
(「はい、あなたさまは、たしかにおうさま・・・」)
「はい、あなたさまは、確かに王様・・・」
(がらくたよこちょうでしていた、おうじさまごっこのときのことばでとむはこたえた。)
がらくた横丁でしていた、王子様ごっこの時の言葉でトムは答えた。
(だが、このままこくおうへいかをだましとおすなど、かんがえただけでおそろしかった。)
だが、このまま国王陛下をだましとおすなど、考えただけで恐ろしかった。
(「おゆるしください。おいらは、いやしいまずしいこじきです。)
「お許しください。おいらは、卑しい貧しい乞食です。
(まちがって、ここにこうしているのでございます」)
間違って、ここにこうしているのでございます」
(このとむのさけびに、けらいたちはざわめきたった。しかし、さすがにこくおうは)
このトムの叫びに、家来たちはざわめきたった。しかし、さすがに国王は
(「しずまれ。おうじはなにかわるいゆめをみたのだ。このこはどこからみても)
「しずまれ。王子は何か悪い夢をみたのだ。この子はどこから見ても
(えどわーどではないか。そなたたちがしんじないのなら、わしじしんが)
エドワードではないか。そなたたちが信じないのなら、わし自身が
(ひとつこのおうじをためしてみよう」)
ひとつこの王子を試してみよう」
(そして、こくおうはゆったりとしたはなしかたで、らてんごでしつもんした。)
そして、国王はゆったりとした話し方で、ラテン語で質問した。
(とむには、あのしんぷからおそわっていたおかげでそのいみがちゃんとわかった。)
トムには、あの神父から教わっていたおかげでその意味がちゃんとわかった。
(そして、らてんごでこたえることもできたのだった。)
そして、ラテン語で答えることもできたのだった。
(「きいたか、ものども。らてんごでもんどうのできるこじきがいるとおもうか。)
「聞いたか、者ども。ラテン語で問答のできる乞食がいると思うか。
(わっはっはっは。のう、えどわーど。そちは、ほんのすこしびょうきなだけじゃ。)
わっはっはっは。のう、エドワード。そちは、ほんの少し病気なだけじゃ。
(ゆっくりやすむがよい。すぐになおる」)
ゆっくり休むがよい。すぐに治る」
(おつきのいしゃまで、このこくおうのいけんにくちをはさむどころか、)
お付きの医者まで、この国王の意見に口を挟むどころか、
(うやうやしくおじぎをするばかりだった。)
恭しくお辞儀をするばかりだった。
(すぐにこくおうは、めになみだをうかべながらとむをべっどへてまねきした。)
すぐに国王は、目に涙を浮かべながらトムをベッドへ手まねきした。
(「おうじよ。わしのそばへもっとよってくれ。わしのかたにそちのあたまをのせてくれ。)
「王子よ。わしのそばへもっと寄ってくれ。わしの肩にそちの頭をのせてくれ。
(のう、えどわーど。わしも、いぎりすも、おまえのびょうきがはやくなおってくれるのを)
のう、エドワード。わしも、イギリスも、おまえの病気が早く治ってくれるのを
(いのっておるのだぞ」こういって、とむのかみのけをしずかになでた。)
祈っておるのだぞ」こう言って、トムの髪の毛を静かになでた。
(とむは、こういわないわけにはいかなかった。)
トムは、こう言わないわけにはいかなかった。
(「おうさま。おうさまだって、びょうきがおもそうじゃありませんか。)
「王様。王様だって、病気が重そうじゃありませんか。
(おきのどくに。どうか、はやくなおるようにかみさまにおいのりしますよ」)
お気の毒に。どうか、早く治るように神様にお祈りしますよ」
(このおもいやりのあることばに、こくおうはむねをふるわせた。)
この思いやりのある言葉に、国王は胸を震わせた。
(「おお、なんとなさけぶかい、やさしいことをいうおうじだ。)
「おお、なんと情け深い、優しいことを言う王子だ。
(まるで、に、さんにちまえと、ひとがかわったようじゃ。これ、みなのもの、)
まるで、二、三日前と、人が変わったようじゃ。これ、皆の者、
(いまのことばをきいたか。おうじは、たしかにもののいいかたなどおかしいところがある。)
今の言葉を聞いたか。王子は、確かにものの言い方などおかしいところがある。
(ほんのすこし、あたまのちょうしがわるくなっているにちがいない。)
ほんの少し、頭の調子が悪くなっているに違いない。
(しかし、それがなんだ。これはべんきょうのしすぎだ。きばらしのかりができないとか)
しかし、それがなんだ。これは勉強のしすぎだ。気晴らしの狩りができないとか
(あそびなかまのせいじゃ。いいな、きょうからはおうじのやりたいようにさせるのじゃ」)
遊び仲間のせいじゃ。いいな、今日からは王子のやりたいようにさせるのじゃ」
(ひといきにこくおうはここまでいうと、かんげきのあまりいきをきらしてしまった。)
ひと息に国王はここまで言うと、感激のあまり息を切らしてしまった。
(しばらくいきをととのえていたが、そのあいだにじゅうだいなことをおもいついたのだ。)
しばらく息を整えていたが、その間に重大なことを思いついたのだ。
(「たしかに、わしのやまいはおもい・・・とすれば、わしがしんだあとのことを)
「たしかに、わしの病は重い・・・とすれば、わしが死んだ後のことを
(きちんとしておかねばならん。それには、このりこうでおもいやりのあるおうじに)
きちんとしておかねばならん。それには、この利口で思いやりのある王子に
(いずれはおうのくらいをゆずることを、くにじゅうにせんげんせよ」)
いずれは王の位を譲ることを、国中に宣言せよ」
(まわりのけらいたちは、おもわずざわめくほどびっくりした。)
まわりの家来たちは、思わずざわめくほどびっくりした。
(しかし、こくおうがいいだしたことには、だれもさからえなかった。)
しかし、国王が言い出したことには、誰も逆らえなかった。
(そして、なかでもいちばんおどろいて、いまはみじめなきもちになっているのは)
そして、中でも一番驚いて、今は惨めな気持ちになっているのは
(とむきゃんてぃだったのである。)
トム・キャンティだったのである。
((おいらのゆめはおうじさまになることだったのに、なってみるとどうしてこんなに)
(おいらの夢は王子様になることだったのに、なってみるとどうしてこんなに
(つらいのだろう。ほんとうのことはなにひとついえやしない。もしいったにしても)
つらいのだろう。本当のことは何一つ言えやしない。もし言ったにしても
(だれもほんきにしてくれない・・・そうだ。もしほんとうのことを)
誰も本気にしてくれない・・・そうだ。もし本当のことを
(わかってくれるひとがいても、そのひとはしゃべれないんだ。)
わかってくれる人がいても、その人はしゃべれないんだ。
(しゃべれば、あのおうさまがしけいにするにちがいない))
しゃべれば、あの王様が死刑にするに違いない)
(どこへいっても、だいりせきのかべどころか、おおきないわやまにつきあたってしまうような)
どこへ行っても、大理石の壁どころか、大きな岩山に突き当たってしまうような
(とむだった。)
トムだった。
(だが、まわりのひとはこくおうのいいつけどおり、どんどんことをはこんでいった。)
だが、周りの人は国王の言いつけ通り、どんどん事を運んでいった。
(とむは、ながいろうかをあるかされ、ゆったりとしたあかるいへやにつれこまれた。)
トムは、長い廊下を歩かされ、ゆったりとした明るい部屋に連れ込まれた。
(ここには、いちだんたかいところにせのたかいいすがおいてあった。)
ここには、一段高いところに背の高い椅子が置いてあった。
(「おうじさま、どうかおかけあそばして・・・」)
「王子様、どうかおかけあそばして・・・」
(そこでとむは、そのいすにこしかけたが、あとからあとからついてきた)
そこでトムは、その椅子に腰かけたが、あとからあとからついてきた
(にじゅうにんちかいひとが、たちまちまわりをとりかこんだ。そのなかからあかいふくのおとこが)
二十人ちかい人が、たちまち周りを取り囲んだ。そのなかから赤い服の男が
(すすみでて「でんか。わたくしめが、はーふぉーどきょうでございます。)
進み出て「殿下。わたくしめが、ハーフォード卿でございます。
(こちらが、わたしとおなじやくめのせんとじょんきょう。)
こちらが、私と同じ役目のセント・ジョン卿。
(なんなりと、わたくしどもにおいいつけくださいませ」といった。)
なんなりと、私共にお言いつけくださいませ」と言った。
(きょうというのは、きぞくのいえがらをあらわしていた。)
卿というのは、貴族の家柄を表していた。
(さっそくとむは、さっきからきになっていることをいったのだ。)
さっそくトムは、さっきから気になっていることを言ったのだ。
(「このへやには、どうしてこのいすひとつしかないのかなあ。)
「この部屋には、どうしてこの椅子一つしかないのかなあ。
(みんなたったままじゃ、くたびれるだろう」)
みんな立ったままじゃ、くたびれるだろう」
(はーふぉーどきょうは、はっとして(ああ、やっぱり、あたまがくるっておられる。)
ハーフォード卿は、はっとして(ああ、やっぱり、頭が狂っておられる。
(きのうまで、こんなことをふしぎにおおもいにならなかったのに))
昨日まで、こんなことを不思議にお思いにならなかったのに)
(こうおもったが、そこはなにくわぬかおつきで)
こう思ったが、そこはなにくわぬ顔つきで
(「でんか。でんかのおんまえでは、だれひとりこしかけることはゆるされないのが)
「殿下。殿下の御前では、だれ一人腰かけることは許されないのが
(しきたりでございます。もし、きぞくたちをやすませたいのなら、)
しきたりでございます。もし、貴族たちを休ませたいのなら、
(てをよこにおふりあそばせ。へやからでてまいります」)
手を横にお振りあそばせ。部屋から出てまいります」
(そこで、とむはいわれたようにてをふった。すると、けらいたちは)
そこで、トムは言われたように手を振った。すると、家来たちは
(ひざまずいておじぎをすると、おともたてずにでていってしまった。)
ひざまずいてお辞儀をすると、音もたてずに出て行ってしまった。
(ほんとうのところ、やすみたいのはとむのほうだった。)
本当のところ、休みたいのはトムのほうだった。
(だが、はーふぉーどきょうはこんなことをいいだしたのだ。)
だが、ハーフォード卿はこんなことを言い出したのだ。
(「あるいは、おわすれあそばしたかもぞんじませんが、ふたつきほどまえ)
「あるいは、お忘れあそばしたかも存じませんが、ふた月ほど前
(でんかはだいえんかいにごしゅっせきになるとおやくそくなさいました」)
殿下は大宴会にご出席になるとお約束なさいました」
((えんかい?じゃあ、すてきなりょうりがくえるのかな))
(宴会?じゃあ、素敵な料理が食えるのかな)
(とむがこうおもってあいまいにうなずいたときだった。)
トムがこう思って曖昧にうなずいた時だった。